96回
5月病になりやすい人の傾向と対処法
~人事と上司の立場から支援できること~
新年度の慌ただしさを乗り越えてようやく一息ついたこの時期に、「元気がない新入社員がいる」「異動した〇〇さんが休みがち」そんな声が、人事の耳に届くことがあります。
この時期に増えるのが、「5月病」。特に新入社員や、異動・昇進など環境の変化を経験した従業員に起こりやすいと言われています。
では、こうした声を聴いたときにどうすればいいのか?今回は、5月病になりやすい人の傾向と、関わり方のポイントをまとめました。
1. まじめで完璧主義なタイプ
責任感が強く、周囲の期待に応えようと努力しすぎてしまうタイプ。最初の1か月間、フルスロットルで頑張った反動で、ゴールデンウィーク明けにエネルギーが切れてしまうことも。
2. 対人ストレスを感じやすいタイプ
人付き合いや職場内のコミュニケーションに気を遣いやすく、些細な人間関係の摩擦も心の負担となりやすい傾向があります。特に、新しいチームに配属された際などは注意が必要です。
3. 環境の変化に適応するのに時間がかかるタイプ
新しい業務や人間関係への順応にストレスを感じやすく、環境が変わることで内面的な負担が高まりがちです。理想と現実のギャップに敏感な場合、期待外れ感からモチベーションが低下するケースも。
4. 評価や評判への意識が強いタイプ
「迷惑をかけたくない」「失敗したくない」という気持ちが強く、自分の感情を抑えて頑張りすぎてしまうことがあります。周囲に相談することが難しく、1人で抱え込みやすい特徴があります。
※このような「ストレス耐性」はエンの適性検査で測ることが可能です
このようなストレスを解消するために有効な方法に、「コーピング」があります。
ストレスの原因やそれによって生じる心身の負担に、意識的・能動的に対処する行動や考え方のこと。アメリカの心理学者ラザルスが提唱した概念で、ストレスを完全に解消するのではなく、上手に向き合い、負担を減らすケアを指します。
実際に、5月病になりにくい方はコーピングがうまく、以下のような習慣があると言われています。
5月病になりにくい人
- 1. 自分のストレス特性を把握している
-
自分が「どんな状況で弱りやすいか(苦手なこと)」を自覚しており、その状態になっても感情的にならず冷静に対処・回避ができる
- 2. ストレス発散の習慣を持っている
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仕事以外に気分転換をする方法を知っている(趣味、運動、睡眠など)
- 3. 相談できる相手がいる
-
普段の出来事や悩み事などを共有する相手がいる・環境がある(同期や上司、友人や家族など)
- 4. 小さな達成感を積み重ねている
-
仕事に前向きな手応えを感じている、成長実感をもつ仕組みを意図的に作っている
これらの行動を意識的に行うことで、ストレスとうまく付き合いながら困難な状況に対処・対応していくことができます。
ポイントは「早めの気づき」と「ちょっとした声かけ」、そして“自分なりのコーピング”に気づかせる支援です。
コーピング支援の一例
- 1. 従業員/部下の特性を把握する
-
どんなことでストレスを溜めやすいタイプなのか、今までの経験や適性検査の結果から従業員の性格特性を把握しておきましょう。「人付き合いが得意ではないのに、新しいプロジェクトにアサインされ関係者が増えたから、慣れないコミュニケーションに戸惑っているかもしれない」「人からの見られ方を気にするのに、発言する機会が増えたから、評価・評判を気にしているかもしれない」など、従業員の特性からストレスがかかりやすい状況を推測することで、支援が必要な人材が見えてきます。
- 2. 上司との1on1や面談で“ふり返りタイム”を設定
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1on1や面談の時間は有効活用しましょう。「休みはどうだった?」と気軽な会話から変化の兆しをキャッチ。最近ハマっていることや、気分転換の方法などをさりげなく聞くことで、従業員自身の“コーピング(対処法)”に気づくきっかけにもなります。10分でもよいので、まめにコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
- 3. 気がかりな従業員とは、人事側からも“接点を”
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研修アンケートやパルスサーベイ、現場からの声などをもとに、気になる従業員がいれば意図的に声掛けを。キャリア相談窓口を設置するなど、人事側からもアプローチすることで現場任せから脱却できます。
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「なんとなく元気がない」に、アンテナを
5月病は、誰にでも起こりうるもの。だからこそ、アンテナを少し高くして「声をかける」「話を聴く」「寄り添う」ことで、大きなトラブルの芽を早めに摘むことができます。サポートは現場任せ・人事任せではなく、会社全体で仕組み化していきましょう。ひとり一人の状況を早めに察知し、寄り添ったサポートを行うことで、突然の体調不良や離職を防ぎ、人材の活躍・定着につながります。
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