労働条件通知書（有期雇用社員）

有期雇用社員の労働条件通知書とは

有期雇用社員の労働条件通知書は、契約社員、アルバイト、パートなどの有期雇用社員に対して、雇用条件を明示するための書類です。労働基準法に基づき、労働条件を明確にすることで、労使間のトラブルを防ぐ役割を果たします。

労働条件通知書の役割
- 法令遵守：労働基準法やパート・有期雇用労働法に基づき、明示が義務付けられた事項を記載します。
- トラブル防止：労働条件を明確にすることで、労使間の認識のズレを防ぎます。
- 無期転換ルールへの対応：通算5年を超える有期雇用契約に関するルールを明示します。

労働条件通知書で明示が必要な事項

有期雇用社員の労働条件通知書には、以下の事項を記載する必要があります。

労働基準法で明示が必要な事項
1. 労働契約の期間
- 契約期間の開始日と終了日
- 契約更新の基準（更新の有無、更新条件など）
- 無期転換申込権や無期転換後の労働条件（無期転換ルール対象の場合）

2. 就業場所と業務内容
- 就業場所（勤務地）
- 業務内容（担当する業務の詳細）
- 就業場所や業務の変更範囲

3. 労働時間
- 始業・終業時刻
- 時間外労働の有無
- 休憩時間、休日、休暇

4. 賃金
- 賃金の決定・計算方法
- 賃金の支払い時期

5. 退職に関する事項
- 退職や解雇に関する条件

パート・有期雇用労働法で追加で明示が必要な事項
1. 昇給の有無
- 昇給制度の有無、昇給に関する基準

2. 賞与の有無
- 賞与の有無、賞与に関する基準

3. 退職手当の有無
- 退職金制度の有無、退職金に関する基準

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. 労働条件通知書の交付タイミング

契約締結時
労働条件通知書は、労働契約を締結する際に交付する必要があります。契約内容を明確にすることで、労使間の認識のズレを防ぎます。

契約更新時
契約を更新する際にも、労働条件通知書を交付する必要があります。特に、契約更新の基準や無期転換ルールに関する事項を明示することが重要です。

無期転換ルールに関する注意点

無期転換ルールとは
無期転換ルールとは、同一の有期雇用契約が通算5年を超えた場合、労働者が無期雇用契約への転換を申し込む権利を得る制度です（労働契約法第18条）。

労働条件通知書に記載すべき事項
- 無期転換申込権の発生時期
- 無期転換後の労働条件（賃金、勤務時間、業務内容など）

注意点
無期転換ルールに関する事項を明示しない場合、労使間でトラブルが発生する可能性があります。特に、無期転換後の労働条件については、事前に明確にしておくことが重要です。

労働条件通知書作成時の注意点

記載内容の正確性
労働条件通知書に記載する内容は、正確かつ具体的である必要があります。曖昧な表現は避け、労働者が理解しやすい内容にしましょう。

法令遵守
労働基準法やパート・有期雇用労働法に基づき、必要な事項を漏れなく記載することが重要です。

無期転換ルールへの対応
無期転換ルールに関する事項を明示し、労働者に十分な説明を行いましょう。

保存義務
労働条件通知書は、労使間のトラブルを防ぐためにも、適切に保存しておくことが望ましいです。

まとめ

有期雇用社員の労働条件通知書は、労働条件を明確にし、労使間のトラブルを防ぐための重要な書類です。労働基準法やパート・有期雇用労働法に基づき、必要な事項を正確に記載し、契約締結時や更新時に交付することが求められます。

中小企業の人事担当者は、労働条件通知書のテンプレートを活用し、効率的かつ正確に作成・交付することをおすすめします。また、無期転換ルールに関する事項を明示し、労働者に十分な説明を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

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