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障がい者雇用について

アンケート実施期間
2018年8月29日(水)
2018年9月25日(火)
有効回答数
646名
従業員「45.5名」以上で、新法定雇用率「2.2%」を満たす企業37%
啓発すべき省庁の雇用水増し問題に、民間企業から非難の声集まる。

今回は「障がい者雇用」について伺いました。
2018年4月に施行された「改正障害者雇用促進法(※)」の施行により、障がい者の法定雇用率が「2.2%」に引き上げられることを「知っている」と回答した企業は78%。同法の施行により「雇用の算出対象」「企業規模」等が変更されたことを「知っている」と回答した企業は、全ての変更点において前年を上回り、改正法案自体の認知度が高まったことが見て取れます。

障がい者の雇用義務のある「45.5人以上」の企業で、法定雇用率「2.2%」を満たしている企業は37%。旧基準での雇用率を聞いた前年のアンケート調査では、「50人以上」の企業で、法定雇用率「2.0%」を満たしている企業は57%という結果であり、新しい基準に対応できていない企業が多いことがわかります。

最後に「障がい者雇用」についての意見などを伺ったところ、非常に多くの企業から「中央省庁等による障がい者雇用の水増し問題」に関する非難の声が集まりました。障がい者雇用を啓発すべき省庁による不祥事は、民間企業の人事担当者からは「ありえない」というコメントが散見されました。ぜひご参照ください。

※ 厚生労働省:障害者雇用促進法の改正の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/20170630press1_1.pdf
01
2018年4月から施行された改正障害者雇用促進法により民間企業の障がい者法定雇用率が「2.2%」に引き上げられたことをご存知ですか?
02
同法施行により、法定雇用率の算出に、身体障がい者、知的障がい者に加えて、精神障がい者が追加されたことをご存知ですか?
03
同法施行により、障がい者を雇用しなければならない民間企業の範囲が、従業員「50人以上」から「45.5人以上」に変わったことをご存知ですか?
04
2021年4月までに、障がい者の法定雇用率が「2.3%」に引き上げられ、対象となる企業が従業員「43.5人以上」に変更になることをご存知ですか?
05
貴社では現在、障がい者を雇用されていますか?
06
Q5で「はい」と回答した方にお伺いします。
障がい者を雇用したきっかけは何ですか?複数回答可
「その他」と回答された方のコメントより
  • 障害者雇用の人数が0名だったため、採用しないと業務改善命令を出すと監督署より指導があったため。
  • 関連会社にて同法人の経営陣が障害者の就労支援を行っている関係で。
また、障がい者を雇用して良かったことがあれば教えてください。
  • 障がい者に対する理解が深まったことと、様々な団体と繋がりが持てたこと。
  • 弊社は障がいの中で、精神障がい社員のウェイトが高いのですが、一つのことを一生懸命にしてくれます。従って、一度覚えたら間違いは滅多なことで発生しません。
  • 全従業員にとって働きやすく安全な職場になった。
  • 雇用すると、お金がもらえる点。
  • 仕事が出来る出来ないは、障がいがある無いは関係ないという事を従業員に認知してもらえたこと。
  • 業容拡大。客先との仕様で求められていない業務を担ってもらうことで客先から高評価を得ることができた。
  • 障害者のための職種開発が、結果として健康上の問題が生じた既存社員の雇用の受け皿になることがあった。
  • 聴覚障がい者を雇用することになって思い切って手話を覚えた。息子の少年野球のチームメイトに聴覚障がいを持った子がいて通訳として役に立った。
逆に、障がい者を雇用して大変だったことがあれば教えてください。
  • 特に精神疾患の方はとても大変でした。専門の相談員の方のサポートを受けたり、フォローを常にしないといけないため。また出来る業務も限られてくるので、その方の負担にならないような業務を探すという業務も増えました。継続的に就業も難しかったりと、精神疾患の方の雇用は課題が多く残っています。
  • 目の不自由な障がい者の方が通勤時に違法駐車している車に杖をぶつけてしまい、会社の外、通勤経路でトラブルがありました。
  • 障害も様々で対応が無限にある。採用しようにも候補者がいない。
  • お仕事になじめず比較的短い半年ほどで退職された方がいたこと。完全な一般就労であり、仕事の面ではかなり早くから対等に扱っていることも少し難しかったかと思います。
  • バリアフリー対策。
  • よく休むため、雇用のカウントができないことがある。
  • 法定雇用率を守るため、質ではなく数として雇用したことがあるが、スキルがとても低く納付金を払ったほうが良かったかも、と思ったことがある。
  • 仕事の与え方に工夫が必要である。障がいと仕事能力のバランスを上手く見出して,必要な仕事を割り振る事が大変である。
07
Q5で「いいえ」と回答した方にお伺いします。
障がい者を雇用していない理由は何ですか?複数回答可
「その他」と回答された方のコメントより
  • 国も守っていない。
  • 障がい者の応募が無い、あるいは採用に至らない。
  • 基本派遣社員を雇うことになるので、社外で支障なく業務がこなせるかの確認が難しい。
08
貴社は、障がい者の雇用義務がある従業員「45.5人以上」の企業ですか?
09
Q8で「はい」と回答した方にお伺いします。
貴社では現行の障がい者法定雇用率「2.2%」を満たしていますか?
10
障がい者雇用について今後の予定をお聞かせください。
「その他」と回答された方のコメントより
  • まず国の障がい者水増し雇用問題の調査結果を踏まえつつ今後の予定等を考えます。
  • 今は達成しているが、経営状況が低迷すれば、障害者も雇用機会を他に求めて転職する可能性が出てくる。
  • グループ会社と連携して対応。
11
貴社での、障がい者雇用の悩みや懸念点を教えてください。複数回答可
「その他」と回答された方のコメントより
  • 特例子会社を作っていることもあり、安定して雇用できています。
  • 小規模の企業であると様々な業務を兼任する必要があるため、出来ることに制限のつく障害者は雇いづらい。
  • 雇用した障がい者の方の勤務時間が満たない(本人が希望しない)。
  • 通勤手段(公共交通機関の本数が少ない)。
12
「障がい者雇用」に関するご意見等がございましたら、お聞かせください。
「障害者雇用促進法」「法定雇用率」への意見
  • 法定雇用率は上がっているが、障害者側にニーズを得られにくい業種は雇用する体制が合っても集まってもらえない。雇用率を上げるのであれば、国側も求人に対する宣伝協力を積極的に行うべきだと感じています。
  • 法定雇用率がどんどん上がり中小企業に対応は難しい。
  • 男女雇用機会均等法の施行時と同じように障碍者雇用促進の定着を図れるかは甚だ疑問。しかも法定雇用率まで設定するのは如何なものかと感じる。業種業態によって雇用が適わない会社もあるだろうに一律に決めるの行政の押し付けと言われても致し方なかろう。
  • 社会全体としては推進しなければならない施策ではあるが、一律企業に義務化することは問題があると考える。
  • 社員数の割合で一律とするのではなく、業種・職種毎に受け入れ人数の割合を変えるべきだと思う。
  • 今後もペナルティーを払っていきます。人の命にかかわる仕事なのでミスは死活問題の為。
「障がい者雇用」自体への意見
  • 最近では人手不足の企業が増えてきているため、働きたくても働き口がない障がい者を積極的に受け入れて活用できればと思います。その上で成功事例や環境を作っていく上で参考になる情報が増えていってほしいと思います。
  • 雇用しても、よく休む方はカウントできない。
  • 建設業など作業従事に条件のある業種は雇いにくく、相当大きい会社でないと事務方などで雇用を確保しづらい。
  • 極端な障害者の囲い込みをする企業もあるようで、本当に障害者のためになっているのかわからない。法定雇用率を満たすがために、無理やり雇用することになっていると感じる。
  • 業種によって、障碍者雇用の難易度がかなり違うと思う。労災保険料率のように、業種によって雇用率に傾斜をつけてほしい。
  • 企業に一任するのではなく、マッチングや入社後のフォローなどの公的なバックアップ体制が充実すれば雇用しやすくなると思う。雇用した時点と作業内容が変わってしまうこともあり、そうした場合、配置転換などがしづらく、そういった場合の受け皿や相談できる体制があれば良いと思う。
官公庁の「障がい者雇用水増し問題」への意見
  • 中央省庁での障がい者雇用数の改ざんには大変落胆いたしました。雇用率を自ら掲げ、民間企業には未達成だと罰金を科すのに、自ら違反し、その場合の罰金はどうするのでしょうか。まずは、障がい者の立場に立ち、自らが雇用率を達成していただきたいです。
  • 中央省庁の雇用人数の水増しは腹立たしいですね。以前、別の会社で障害者雇用に携わっており、一人採用して定着してもらうのにもかなり苦労したので、3000人以上水増しとか信じられません。民間と同じように監査の対象にしてもらいたいぐらいです。
  • 弊社にはここ5年で2回、高障求機構からの業務監査がありました。5年前に法定義務を満足し給付金を戴く企業なので最短の3年毎になるのだと理解していますが、自治体・官公庁の長年にわたる雇用未達・計員違いに鑑み、どうして公の機関に対してはこれまで業務監査がなかったのか?と驚き、これからの必要性を感じました。
  • 中央官庁での不正の発生から鑑みても、障がい者雇用は、中小企業にとってハードルが高い。また経営層(特に年配)ほど理解が得づらい状況にある。
  • 省庁等の障害者雇用水増し問題について、過去からの事実や責任の所在、雇用調整金支給の有無等を全て明らかにして情報公開すべき。民間企業であれば解雇レベルの事案。
  • 現在問題になっている公共機関の水増しは、障がい者雇用制度を揺るがす大問題であり、この状況で法定雇用率の上昇は受け入れがたい。また、悪意はなかった、障がいの解釈について理解不足だったという釈明は、人事担当者から見れば全くあり得ないことで、詐欺に等しい行為と考える。
  • 官庁・行政機関における法定雇用率の水増し問題について、仕組みの末端に位置する一企業担当者が理解していることを統括する組織の担当が理解していないという言い訳は理解に苦しみます。