- 求職者と企業、双方の「オンライン面接」の注目度が急上昇
- オンライン面接のメリット・デメリット一覧
- テンプレート付き!失敗しないオンライン面接のはじめかた
4月時点で、全国都道府県に緊急事態宣言が出たことで、急遽オンライン面接の導入を検討されている企業も多いのではないでしょうか?そこで今回は、「オンライン面接入門」と題し、オンライン面接のメリット・デメリットやポイント、実際のはじめかたなどをご紹介します。導入を検討されている企業はもちろん、すでに導入したものの上手くいかないと感じている企業も、ぜひご参考ください。
実際に会社にて対面で行なう面接と異なり、テレビ電話・Web会議システムといったツールを使用して、オンライン(Web)上で行なう面接のことを「オンライン面接」と言います。
Web面接と呼ばれることもありますが、オンライン面接は、大きく「ライブ式」と「録画式」の2種類に分かれます。「ライブ式」はパソコン・スマートフォンのカメラを使いリアルタイムで面接を行なうもの、一方「録画式」は、あらかじめ企業が用意した質問に求職者自身が答える動画を撮影するものです。
以下に、オンライン面接「ライブ式」の仕組みを簡単に図示します。
映像や音声データはそのままだと、大容量。そこでオンライン面接を行なうツール・サービスでは、映像・音声データをネットワーク回線にのせられるサイズまで一旦小さくして、相手が受け取る際に復元しているのです。技術の進歩により、この一連の流れをリアルタイムで行なえるようになりました。加えて、無料の「オンライン面接を行なうツール・サービス」が多数あります。特別な知識は必要なく、ご利用いただけます。
2020年4月に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて「緊急事態宣言」が発令されました。外出自粛の要請が出される中、対面での面接を避けるために、オンライン面接を始める企業が増加しています。
事実、エンワールド・ジャパン株式会社が企業の人事・採用担当者554名に行なったアンケートによると、「採用活動における新型コロナウイルス感染対策」としてもっとも多かったのが、「採用面接・面談のオンライン化」61%(日系企業で70%)でした。
Web面接・録画面接システムを提供する株式会社スタジアムが行なった調査によると、「Web面接を経験した求職者」の多くは「オンライン面接に抵抗がない」ことが判明しました。オンライン面接に前向きな求職者は多く、41%は「対面よりオンライン面接」を希望しています。
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う選考・採用活動への影響調査」
調査機関:株式会社スタジアム 有効回答:5,193
参考URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000015527.html
実際に求職者からは、「自宅から面接できるので(コロナ対策として)安心」という声の他、「オンライン面接で交通費がかからなくなった」「UIターンを考えていたので、オンライン面接なら遠方の企業も受けやすい」などといった声が寄せられています。
外出自粛が求められる昨今、求職者にとっても、オンライン面接を受け入れやすい時期と言えます。
また、「転職を期に引っ越しを考えているが、面接のたびに交通費がかさむので気軽に応募できない…」「働きながら転職活動をしているので、なかなか面接で企業を訪問する時間を確保できない…」といった求職者も多いため、オンライン面接を導入することで、遠方の求職者・時間が取れない求職者から応募を獲得する可能性を高められます。
一方で、ご年配の方などパソコンやスマホに不慣れな求職者もいます。そういった方々にとって、オンライン面接はハードルが高いと感じることもあるでしょう。
オンライン面接には大きなメリットがある反面、いくつかのデメリットがあることをご理解いただけたと思います。失敗しないためにも、ここからはわかりやすくオンライン面接のはじめかたをご紹介します。
● ツール選び
オンライン面接で使えるサービスをいくつかご紹介します。つなぎ方がそれぞれ異なりますので、使いやすいものをお選びください。
- ・ZOOM(無料プランあり)
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html - ・Skype(無料プランあり)
https://www.skype.com/ja/ - ・Whereby(無料プランあり)
https://whereby.com/ - ・bellFace(新型コロナウイルスの影響を受け、期間限定で無料プランを公開中(2020年5月1日時点/)詳細はHPをご覧ください)
https://bell-face.com/price/
各サービスのつなぎかた
● カメラとマイクの確認
オンライン面接を行なうためには、カメラとマイクが必要です。近年は、はじめからカメラ・マイクを内蔵したパソコンが普及しています。ご自身のパソコンにカメラ・マイクが内蔵されているかを確認する方法は、使用しているPCの種類などによって異なりますので、今回は一例をご紹介します。
【OSがwindows10の場合】
左下の検索窓に「カメラ」と入力。
「カメラアプリ」が表示されるので、クリックして立ち上がればカメラが内蔵されています。
同様に検索窓に「ボイスレコーダー」と入力。
「ボイスレコーダーアプリ」が表示されるので、クリックして立ち上がるか、「Windowsボイスレコーダーでマイクにアクセスしますか?」と表示されれば、マイクが内蔵されています。マイクが付いていないパソコンでは、「[設定]からマイクを設定する必要があります」と表示されます。
カメラ・マイクが内蔵されていない場合は、USBで外付けできるものがあるので、事前に用意しておきましょう。
● 面接を行なう場所の確保
広角レンズが使用されているWebカメラは、思った以上にまわりの環境を映します。同僚が動き回っているオフィスなどで面接を行なうと、応募者が面接に集中できません。自宅から面接を行なう場合も、生活感が伝わらないように注意する必要があります。マイクに関しても環境音を拾いやすいため、会議室などの静かな場所を確保することが重要です。
● 通信環境の確認
面接中に通信が途切れたり、ノイズが入ったりすると双方にとってストレスになります。面接のために確保した場所から、実際にオンライン面接できるか事前に確認しておきましょう。並行して、応募者にも通信環境を確認。安定して実施できることが判明できてから、オンライン面接を設定することをオススメします。
● 通信トラブル時のルールを決定
オンライン面接に接続できない、途中で通信が切れてしまったなど。通信トラブル時の対応について、チャットや電話など、オンライン面接で使用するツール「以外」でコミュニケーションが取れる手段をあらかじめ決めておき、事前に応募者に伝えましょう。
● マニュアルの準備
オンライン面接がはじめての方もいるので、面接のリマインドメールで詳細な接続方法を記載したり、マニュアル化してメールに添付したりすることで、応募者を安心させることができます。
使用するツールによっては、アプリをインストールしなければならないケースもあるため、事前の案内文で申し添えておくと良いでしょう。
● 登録アカウントの確認
SkypeやGoogleアカウント等の「私用のアカウント」で面接を行なう場合、アカウントのアイコン写真やプロフィール文が会社の顔として適切なものであるか事前に確認をしておきましょう。
● 履歴書が必要な場合は、送付方法を事前に連絡
求人サイトのWeb履歴書以外に、紙の履歴書・職務経歴書を選考で使用する場合。オンライン面接では来社しなくなるため、どのように送付してもらうかを事前に伝える必要があります。
紙の履歴書・職務経歴書は、その内容だけではなく筆跡などからも応募者を分析することができるメリットがあります。しかしその反面、「書く手間」が発生するぶん辞退リスクが高まるため、Web履歴書がある場合は紙の履歴書は選考で使わないほうが良いかもしれません。どうしても必要な場合は、郵送だとより手間がかかるため、PDF・画像化してメールで送付してもらうことをオススメします。
● カメラの角度と目線
カメラの位置が低いと相手を見下ろしているような印象を与えてしまうため、目線と同じ高さにカメラがくるように事前に位置を調整しておくと良いでしょう。
また、パソコン・スマートフォンどちらもカメラは、画面上部にあるケースが多いです。そのため、画面に映る相手の顔を見ても目は合いません。相手の表情を見るために画面を見る必要はありますが、時々カメラを見て話すことを意識すると、応募者も安心して面接に臨めます。
● アイスブレイクを丁寧に
対面面接の場合、面接会場までの移動時間やオフィス見学などの、「面接時間以外のコミュニケーション」で相手の緊張をほぐすことができます。しかし、オンライン面接では、それができません。ただでさえ、パソコンやスマートフォン越しの会話は距離感が生じやすくなるため、面接を始める前のアイスブレイクが重要になります。
雑談を挟むだけでなく、アイスブレイク用の動画を最初に流すのも有効な手段。例えば、一緒に働く仲間からのメッセージなどを事前に撮影して面接前に流すことで、相手の緊張を和らげるとともに、魅力づけすることも可能です。
人事からの質問:面接官として面接をする際、アイスブレイクになる話題はありますか?
https://partners.en-japan.com/qanda/desc_1110/
● リアクションは対面の1.5倍を意識
オンライン面接は、対面に比べて「観察」の難易度が高まります。ちょっとした表情、仕草が見えにくくなるので、それを引き出すために面接官側から大きめのリアクションをして、相手を動かしやすくするよう心がけましょう。
● 印象ではなく、「事実」で判断
オンライン面接は、画面越しの限られた情報で相手を判断することになります。そのため、応募者の顕著な特徴に引きずられて評価が歪められる『ハロー効果』と呼ばれる現象を引き起こす可能性も高まるようです。
コミュニケーション能力の高い人を過大評価してしまう。画面が少し暗い、カメラの位置が悪いだけで暗い人という印象を持ってしまう、といった可能性も。印象ではなく、事実(実際の行動)を元に判断することで適切な見極めができます。
● 録画を残す場合は、個人情報の適切な管理を
オンライン面接はインターネット上で重要な個人情報が交わされており、情報の管理に不安を感じる企業も多いと思います。
面接を録画する際は必ず応募者の同意を得る、不要な録画データは削除する、といった対策を講じ、録画した情報が外部に漏れないよう個人情報の管理を徹底しましょう。
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・スケジュール調整が簡単
対面面接では、採用担当者と求職者のスケジュールだけでなく、面接を行なう会議室・会場の確保・準備が必要です。特に採用に社長・役員が関わる場合、関係者・設備の都合が全てあうタイミングを探すのは、なかなか骨が折れるもの。「録画式オンライン面接」であれば、設備の準備は必要なく、動画を共有するだけで、あとは採用担当者・社長・役員が各自都合の良いタイミングで、選考を行なうことができます。 -
・面接内容を分析しやすい
動画面接では、企業側が用意した質問に、求職者自身が回答用の動画を撮影してサイトなどにアップロードします。回答動画を社内で共有できるので、採用担当者だけでなく、社長、役員、配属先の上長など、複数人の目で多角的に見極めを行なうことが可能です。 -
・選考スピードが上がる
対面で一次面接・二次面接を行なう場合、日程が空いてしまうケースは少なくありません。動画面接であれば、採用関係者に動画をまとめて共有できるので、意思決定を迅速にできるように。選考スピードが上がることで、「先に他社で内定が決まってしまった」という事態も防止しやすくなります。
ビデオインタビュー:https://videointerview.jp/
新型コロナウイルス対策として、急速に広まりつつあるオンライン面接。導入までにいくつか検討すべき要素はありますが、一度環境を構築してしまえば様々なメリットがあります。
今後、事態が収束した後でも「オンライン面接」が積極的に活用される可能性は充分にあります。「面接は対面で行なうもの」という常識は、これを機に大きく変わりそうです。
労働人口が減少している日本において、今後ますます人材獲得競争は激化することが見込まれます。より多くの人材と出会うためにも、オンライン面接の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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