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はじめて面接官、必見!
いちばんやさしい面接の教科書|面接官が知るべき心得(見極め・魅力付け・心理的偏り)
要約すると
  • 面接のゴールは、「面接官と応募者双方が良い情報が取れ、判断・検討ができる状態」
  • 面接官の役割は、「見極め」に加えて「魅力付け」
  • 注意!面接官が陥りやすい「7つの心理的偏り」
監修者
「人事のミカタ」編集長/第二種衛生管理者/認定心理士
手塚伸弥
2001年から人材系企業にて求人広告・採用広報ツールなどのコピーライター、クリエイティブディレクターを経て、2014年エン・ジャパン入社。以後、編集長として採用・人事労務・雇用関連の調査や情報発信を行なう。
はじめに

会社から中途採用の面接官を任されたとき、皆さんはどんな想いで応募者と対面するでしょうか?「自社に合う人か見極めなければ」「求めるスキル・経験があるか確認したい」と頭に浮かんだ方が多いと思います。

確かに、応募者の情報を取得して、自社で働いても大丈夫な人物か見極めることは面接官の大事な役割。とはいえ、見極めることに必死になってしまい「応募者に対して、一方的に質問をしてしまった」「面接終了後に、手ごたえを感じなかった」といった経験をお持ちの方もいるでしょう。

そこで今回は、エン・ジャパンが培ってきた面接ノウハウの中から、ここだけは押さえたいというポイントを抽出。はじめて面接を担当する方や、中小企業のひとり人事、兼任人事の方にやさしくご紹介します。より良い面接の実践に繋げて頂ければ幸いです。

第一章:面接のゴールは、「面接官と応募者双方が良い情報が取れ、判断・検討ができる状態」です。
面接官と応募者のゴール
面接官「良い情報が取れ、自信を持って判定できる」応募者「良い情報が取れ、入社/辞退の検討ができる」「ベストプレーができた」

採用面接において面接官が目指すべきゴールは、「この人なら自社で働くことができるか、風土に合うか他、会話を通して多くの情報を取得し、合否の判定ができる状態で面接を終えること」です。

しかし、面接官だけが一方的に質問をして情報収集をすると、応募者側は「根ほり葉ほり質問された結果、内定を取得したものの、内定を承諾すべきか判断がつかない」という状態になってしまいます。つまり、応募者にも「入社や辞退を検討する」という面接のゴールがあるのです。

はじめてや経験の浅い面接官ほど、一方的にゴールを目指しがちですが、応募者にもゴールがあることを意識することが大事な一歩。まずは、ここから、面接に臨んでいきましょう。

面接冒頭に、面接で目指したいゴールを伝え、応募者と目線を揃える
本題に入る前に、面接官から以下のような一言を伝えてみましょう。

「私が面接で重視しているのが、入社後に活躍いただけるイメージをお互いに持てるかどうかなんです。そのためにも、ざっくばらんにお話ができればと思っています。

もちろん、会社や仕事に関してご質問があれば、良いところもイマイチなところも正直にお答えしますので、聞いてくださいね。」

面接の冒頭、応募者はどうしても緊張で固くなってしまうもの。そのため、根ほり葉ほり審査するような面接ではなく、お互いに良い情報が取れる場にしたいと伝えることは、一つのポイントです。応募者をリラックスさせる効果もありますので、ぜひ一度試してみましょう。

第二章:面接官の役割の一つは、「見極め」。

ここからは、面接官の具体的な役割をご紹介していきます。一つは、王道の「見極め」です。

改めてとなりますが、面接官は面接において、応募者を採用していいか判断するために質問をして、求職者の情報を引き出し、「見極め」をしていきます。

配属される予定の部署が求めている「知識・スキル」を保持しているか、会社の価値観・風土と合うか他、前述のように「合否の判定ができる」まで、応募者を見極めていきます。

見えやすい特徴と、見えにくい特徴
見えやすい特徴と見えにくい特徴

応募者の仕事経験や保持しているスキルなど、履歴書・職務経歴書から読み取れるものは、見えやすい特徴です。これらは見えやすいがゆえに話もしやすく、面接時間を多く割いてしまう傾向があります。

しかし、実は面接という場で本当に注視したいのは、応募者の「見えにくい特徴」です。たとえば応募者の資質や性格、価値観など、生半可では引き出すことが難しい志向の部分。

スキルチェックはもちろん大事な部分なのですが、どんなに仕事ができ、スキルのある応募者であっても、仕事観や熱意などの内面の部分が、自社の風土や社員に合わないとなれば、恐らく入社後に「こんなはずじゃなかった」という退職に繋がる可能性もあり、見えやすい部分はほどほどにして、ぜひ見えにくい部分に時間を割いていきましょう。

見えにくい特徴を引き出すための面接質問がありますので、こちらの特集もぜひ、ご覧ください。
面接質問集120選 http://partners.en-japan.com/special/mensetsu_shitsumon/

見極めに有効な「観察」のポイント
観察事項 見極めどころ ポイント
姿勢
入室の仕方、歩き方、椅子の座り方、姿勢 極度におどおどしている場合は注意
・話す時や聞く時にこちらの目を見ているか
・目線に力を感じるか
「目は口ほどにものを言う」目線は意思の強さと関係している
・どのような時に声のトーンが変化したか
(語尾が小さくなる、声がうわずるなど)
ウソや自信のないことを伝えようとするときの兆候
動作
・動作スピード、質問に対する反応スピード
・回答のテンポ、リズム
打てば響くかどうかを見る
頷き
・頷きを入れるのが上手かどうか 志望度が低い場合は頷きが少なくなる傾向がある
感情
・場に応じた感情表出ができるか
・相手の話に共感した際に微笑みをみせるか
場に応じた感情表出ができる人は、他人に対する感受性が高く、場をコントロールできることが多い
メモ
・メモを落ち着いて書いているか
・乱雑になっていないか
緊張状態での仕事の仕方を観察することができる

応募者の見極めには、姿勢、表情、態度、声のトーンなどにも着目してみると、総合的な判断に繋がるでしょう。目の動きや声のトーン、回答へのテンポ、頷き方など、気になった点はメモをして残しておくと合否判定をする際にその時のシーンを思い出せるはずです。

緊張状態の応募者は多いですが、極度におどおどしていたり、目線が泳いだり、違和感も含めて、つぶさに「観察」することが、見極めに繋がります。

第三章:面接官の役割2つ目は、「魅力づけ」。

見えやすい特徴(スキル・経歴他)と、見えにくい特徴(志向他)に関して情報を集めた後は、いよいよ2つ目の役割「魅力づけ」のフェーズに入ります。面接官側から「いろいろお聞きしましたので、今度は(応募者のお名前)さんから、質問はありませんか?」と促してあげることで、応募者は質問しやすくなるでしょう。

「数日前、御社の海外事業がニュースになっていたのですが~」
「仕事の詳細について、より詳細に知りたいのですが~」
「御社のホームページで、理念について〇〇と書かれていたのですが~」

たとえば、上記のような質問は、応募者が自社に興味を持っている部分、つまり入社の動機に繋がる部分が発露している可能性があります。

ここで、見極め時に収集していた応募者の仕事観や興味関心に合わせて、魅力ある情報を返答することが「魅力づけ」となります。

たとえば、海外事業について質問してきた応募者に対しては、「(応募者のお名前)さんは、いつか海外で働きたいと仰っていたので、弊社の海外事業のニュースをお読み頂いたのですね。ありがとうございます。今回配属予定の部署から、異動者も多い事業部でして~」と、知りたそうな情報を返答してあげることで会社により強い魅力を感じるはずです。

応募者が「会社を選ぶ決定を支援」するという意識を持ち、「魅力づけ」を行いましょう。

第四章:注意!面接官が陥りやすい「7つの心理的偏り」。
① ハロー効果

特定の優れた点(劣った点)があると他も優れている(劣っている)と評価すること。面接官と同じ大学出身者や有名校卒の場合、「優秀そうだという印象」によって、人物すべてが優秀であるかのように思ってしまいます。逆に、一つの悪印象によって全てを低く評価してしまうことも。

② 寛大化傾向

評価が全体的に甘くなること。面接官と出身地が一緒の場合や、趣味が共通だった場合、評価が甘く(寛大に)なるという現象です。

③ 論理的誤差

似たようなことを関連付けて考えてしまい、推論で判断してしまうこと。「高学歴だから職務遂行能力も高いはず」、「大学を中退しているから仕事も途中で投げ出すはず」など、応募者のハード面(学歴・社格・資格・役職)等から、この人物はこういう人だと想像や推測を紐付けてしまう現象。

④ 対比誤差

評価者の能力や価値観と比較して過大・過小な評価をしてしまうこと。「(私はパソコンが苦手だけど)パソコンが得意なら優秀だ」「(私は英語が喋れるのに)英語が喋れないのなら優秀ではないな」など、自身の苦手分野・知見不足な部分を持つ応募者を過大に評価、もしくは過小評価してしまう現象です。

⑤ 対比効果

直前に面接していた応募者が大変に優秀であった場合、次の応募者が実際には平均以上であっても、劣っているとして評価してしまうこと。応募者が多く、複数の応募者の面接日がバッティングした際に起こりやすい現象。

⑥ 情実評価

個人的な利害や感情で評価してしまうこと。応募者から聞いた苦労話に共感しすぎてしまう等、個人的な感情が強く出てしまう現象です。情に厚い経営者や人事担当者に多い傾向があります。

⑦ ステレオタイプ評価

個人の思い込み(偏見)で評価してしまうこと。「字が下手な人は事務処理が苦手に決まっているから、うちの仕事には向いていない」など、根拠がない思い込みで、人を評価してしまう現象。

イラスト

心理学において認知バイアスと呼ばれ、気づかないうちに誰でも陥ってしまう「心理的な偏り」。ベテランの面接官であっても、気づかないうちに自身の主観や感情に左右されている可能性があります。

心理的な偏りから脱却するためのポイントは、
  • 1「自分の評価に、偏りがあるかもしれない」と自己認知する。
  • 2採用する職種や、役職ごとに評価基準を明確化する。
  • 3他の面接官を同席させ、面接終了後に評価について議論する。
  • 4評価ポイントの違いを認識し、自分がどのような能力やパーソナリティを高く評価する or 低く評価する傾向にあるのかを認知する。
  • 5評価システムの導入(適性テスト・リファレンスチェック)

応募者の見極めや評価に関して、「私はまったく偏りがない」と断言できる面接官は、ほとんどいないはずです。だからこそ、ひとり人事担当者は注意する必要があります。

自身の心理的な偏りの傾向を知ることから始め、自分以外の第三者の視点を介入させることや、システム導入等が脱却の一歩になるでしょう。ぜひ、ご検討ください。

さいごに

今回は、面接官が知っておくべき「面接のゴール」と、「面接官の2大役割」。「注意すべき心理的バイアス」をご紹介しました。これだけ押さえるだけでも、次の面接の感触は少し変わるはずです。より良い面接を実践し、採用成功に繋げて頂ければ幸いです。(人事のミカタ 編集長 手塚伸弥)

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