- 景況感はイマイチでも、採用は過熱状態!採用成功のための第一歩は「応募者対応」。
- 企業の対応によって「入社意欲を下げた」経験のある求職者は72%。応募者への連絡ナシは絶対NG!
- はじめて人事が知っておくべき!応募者対応4つのキホン
厚生労働省が発表した2022年6月の有効求人倍率(実数)は、前月から0.04ポイントアップの「1.19倍」となりました。新規求人数は、前年同月と比較して12%増。コロナ禍により景況感が回復しているとは言えない状況な中でも、企業の採用意欲は過熱中。市況とは連動していない売り手市場となっています。
採用難の局面では、採用要件の見直しや、賃上げが実施されることが多いですが、意外と見落としがちな改善点が「応募者対応」です。中小企業の人事担当者や、はじめて人事担当者になった方など、社内にあまりノウハウがない企業の場合、実は「応募者対応」によって応募者をみすみす逃してしまっている可能性があります。
※出典:「エン転職」WEBアンケート「転職」について
募集期間:2022年6月28日~2022年7月26日
回答者:10,305名
求職者1万人に、転職活動中の企業対応について聞いたところ、全体の72%の人が転職活動中、面接や企業対応で「この会社には入社したくない」と思った経験があると回答しています。
実際に「入社したくないと思った理由」について聞いてみると、TOP3は面接などでのエピソードがランクイン。しかし、「応募後、企業から何の連絡もなかった」が27%、「応募後、企業からの連絡が遅かった、急だった」が18%、さらに「応募後、企業からの連絡が一方的だった」が10%と並び、面接前の時点ですでに意欲を失っている人が数多くいることが見て取れます。
企業から何も連絡がなかった、ずっと待っていたら急に明日の面接を提示された、面接日を選べなかった…など、多くのコメントが散見されました。
企業側がどんなに忙しいとしても、すぐに対応できない事情があったとしても、連絡を待っている求職者はわからず、「この会社には入りたくない」と心に決めてしまっています。多くの求人に求職者の応募が分散してしまう今、イマイチな対応で逃してしまっている可能性も。自社の対応方法はどうか、ぜひ一度見直してみましょう。
ここからは、応募者対応のキホンを紹介していきます。
まずは、会社の中で誰が応募者対応をするのか明確に決めておきましょう。
求人サイトの管理画面の担当者や連絡は誰がするのかも明確にしておきます。また、中小企業の場合、1人の人が対応をしていることが多く、担当者が不在(出張、病欠他)の際に、代わりに担当できる人も決定しておくと良いでしょう。
担当者不在のため、応募者対応が遅れてしまうことや、問い合わせの連絡が来ても誰も回答できないという事態を防ぐことが可能です。
担当者が決まった後は、具体的な対応方法を決め、社内で共有しておきましょう。
・求人サイトから応募があった場合の対応は、「何のメールを、いつまでに対応する」。
・書類選考が済み、面接の日程調整メールを送る場合は、「社内の誰の日程を確認して、メールを送る」。
など、具体的な選考フローに合わせて対応を決めて、資料として社内に共有しておくと、前述のようにメイン担当者不在時にも誰かが代行できるため安心です。
求職者は複数の会社に応募していることがほとんどで、対応が遅くなればなるほど自社への志望意欲が下がると考えて、早め早めの対応ができるよう決めていきましょう。
理想の選考期間は、求職者が応募してから内定出しまで「2週間以内」と言われています。他社より早く選考を進めて、内定を出すことが重要なポイントです。
面接の候補日を複数送り、応募者が選択できるようにすることや、オンライン面接の導入、応募者の最寄の支社・支店での面接を選択可能にするなど、応募者のやりやすい日程や形式を提示することで、スピーディーに面接日程を決めることが可能になります。
ちなみに、遠隔の応募者への面接の交通費を負担することや、面接の回数自体を減らすことも、面接日程をスピーディーに決めるポイントです。会社の方針次第な部分ですが、一考の価値はあるはずです。
どうしても面接の日時が空いてしまった場合や、念のための配慮として前日連絡は有効です。
その際、面接場所へのMAPやアクセス方法をメールに添付することや、受付での人事担当の呼び出し方(内線番号)を記載するとより丁寧でしょう。辞退対策にも繋がりますので、もし未実施の場合は、ぜひ応募者対応の中に取り入れてみてください。
最後にご紹介するのが、応募者対応時に便利な「メール文例」です。応募を受け付けた後のお礼メールの他、面接日程調整メール他、応募者にも読みやすい文面となっていますので、ぜひ保存してご活用ください。
株式会社●● 採用担当でございます。
このたびは弊社求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
選考に関する今後のご連絡については、【●営業日以内を目処】にお知らせさせていただきます。
それでは、しばらくお待ちください。
※返信は不要です。
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株式会社●● 採用担当:◯◯
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株式会社●● 採用担当でございます。
この度は、ご応募いただきまして誠にありがとうございます。
■■様にぜひ一度お会いし、お話させていただきたく、ご連絡差し上げました。
以下、面接の詳細をご確認の上、ご返信いただければと思います。
【面接候補日】
[候補1]●月●日(●) ●●:●●~●●:●●の間
[候補2]●月●日(●) ●●:●●~●●:●●の間
[候補3]●月●日(●) ●●:●●~●●:●●の間
※所要時間は●時間を予定しています。
※上記日程でご都合が合わない場合は再度調整いたします。
【面接場所】株式会社●● ●●オフィス
[郵便番号]〒●●●-●●●●
[住 所]●●県●●市●●町●-●-●
【持ち物】□履歴書(写真貼付)
【備考】
※※※こちらに必要事項を追記※※※
よろしくお願いいたします。
採用担当:◯◯
ご返信いただきまして、ありがとうございました。
それでは、以下の日程でお時間をいただけますと幸いです。
【面接日】●月●日(●) ●●:●●~●●:●●
選考にあたり、不安な点や確認事項などがありましたらお気軽にご連絡ください。
当日、■■様にお会いできるのを楽しみにしております。
採用担当:◯◯
面接が明日になりましたので、再度お知らせいたします。
【日時】
●月●日(●) ●●:●●~●●:●●
【場所】
株式会社●● ●●オフィス
[郵便番号]〒●●●-●●●●
[住 所]●●県●●市●●町●-●-●
【持ち物】
□履歴書(写真貼付)
□職務経歴書
【連絡先】
●●●-●●●●-●●●●(採用担当:◯◯)
なにかございましたら、遠慮なくご連絡いただければと思います。
■■様にお会いできるのを、とても楽しみにしております。
それでは、明日よろしくお願いいたします。
採用担当:◯◯
応募者対応のキホン、いかがだったでしょうか?
実践に繋がり、貴社の採用成功の一助になれば幸いです。
ぜひ、ご参考ください。