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2021/07/20 UP
ベテラン面接官でも陥りやすい7つの心理的偏りと対策他、面接見極めのポイントを公開!
面接見極めの極意
要約すると
  • ベテラン面接官でも陥りやすい!7つの心理的偏りとは?
  • 面接見極めの極意は「応募者の見えにくい特徴」を把握すること
  • 知っておきたい!「観察による見極め」のポイント
コロナ禍が未だ続く中、中途採用を復活させる企業が増えています。オンライン面接の活用など、採用手法も多様になりつつあるものの、以前と変わらず人事・採用担当者から聞こえてくるのは、「面接での見極め」の難しさです。

「採用した人材が、思っていた人物とは違った」「入社後に早期離職してしまった」など、なぜ見抜けなかったのか、と後悔する声も。そこで今回は、「面接見極めの極意」と題し、なぜ見極めが失敗しやすいのか、その要因と対策をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
人事のミカタ
編集長 手塚伸弥
ベテラン面接官でも陥りやすい!7つの心理的偏りとは?
① ハロー効果
特定の優れた点(劣った点)があると他も優れている(劣っている)と評価すること
② 寛大化傾向
評価が全体的に甘くなること
③ 論理的誤差
似たようなことを関連付けて考えてしまい、推論で判断してしまうこと
④ 対比誤差
評価者の能力や価値観と比較して過大・過小な評価をしてしまうこと
⑤ 対比効果
直前に面接していた応募者が大変に優秀であった場合、次の応募者が実際には平均以上であっても、劣っているとして評価してしまうこと
⑥ 情実評価
個人的な利害や感情で評価してしまうこと
⑦ ステレオタイプ評価
個人の思い込み(偏見)で評価してしまうこと

面接見極めの失敗はなぜ起きるのか。まず、第一に考えられるのが面接官の心理的な偏りです。

心理学において認知バイアスと呼ばれ、気づかないうちに誰でも陥る心理的な偏りは、どんな面接官にも発生します。どんなにベテランの面接官であっても、気づかないうちに自身の主観や感情に左右され、見極めに失敗しているという場面も。一つひとつを確認していきましょう。

① ハロー効果

特定の優れた点(劣った点)があると、他も優れている(劣っている)と評価すること

人事・採用担当者が気づかぬうちによく陥ると言われているハロー効果。たとえば、面接官自身と同じ大学の出身の場合や有名校卒の場合、「優秀そうだという印象」によって、その人物のすべてが優秀であるかのように思えてしまうようなケースです。逆に、一つの悪印象によって全てを低く評価してしまうことも。

② 寛大化傾向

評価が全体的に甘くなること

ハロー効果に近いですが、面接官自身と出身地が一緒であったり、雑談での趣味が共通であったりした場合、評価が甘く(寛大に)なるという現象です。

③ 論理的誤差

似たようなことを関連付けて考えてしまい、推論で判断してしまうこと

「高学歴だから職務遂行能力も高いはず」、「大学を中退しているから仕事も途中で投げ出すはず」など、応募者のハード面(学歴・社格・資格・役職)等から、この人物はこういう人だと想像や推測を紐付けてしまう現象です。ベテランほど過去の経験上そうだったと関連付けが強固になっている可能性があります。

④ 対比誤差

評価者の能力や価値観と比較して過大・過小な評価をしてしまうこと

「(私はパソコンが苦手だけど)パソコンが得意なら優秀だ」「(私は英語が喋れるのに)英語が喋れないのなら優秀ではないな」など、自身の苦手分野・知見不足な部分を持つ応募者を過大に評価してしまうことや、逆に自身の得意な部分が苦手な人を過小評価してしまう現象です。

⑤ 対比効果

直前に面接していた応募者が大変に優秀であった場合、次の応募者が実際には平均以上であっても、劣っているとして評価してしまうこと

応募者が多く、複数の応募者の面接日がバッティングした際に起こりやすい現象です。直前の応募者が、たまたま優秀だったため、次の応募者が本当は平均以上だったのに低く評価してしまうケースです。

⑥ 情実評価

個人的な利害や感情で評価してしまうこと

応募者から聞いた苦労話に共感しすぎてしまう場合や、外見や雰囲気が良かったなど、個人的な感情が強く出てしまう現象です。情に厚い経営者や人事担当者に多い傾向があります。

⑦ ステレオタイプ評価

個人の思い込み(偏見)で評価してしまうこと

「応募者の服装の趣味が少し独特だから、感性が鈍いにちがいない」、「字が下手な人は事務処理が苦手に決まっているから、うちの仕事には向いていない」など、実際には根拠がない思い込みで、人を評価してしまう現象です。

心理的な偏りから脱却するためのポイント
  • 1まずは「自分の評価には偏りがあるかもしれない」と自己認知する
  • 2採用する職種や、役職ごとに評価基準を明確化する
  • 3他の面接官を同席させ、面接終了後に評価について議論する
  • 4評価ポイントの違いを認識し、自分がどのような能力やパーソナリティを高く評価するor低く評価する傾向にあるのかを認知する
  • 5評価システムの導入(適性テスト・リファレンスチェック)

人物の評価に関して、「私はまったく偏りがない」と断言できる方は、ほとんどいないでしょう。だからこそ、自身の心理的な偏りの傾向を知ることから始め、自分以外の第三者の視点で修正を加えることが、面接の見極めで成功するための第一歩です。

また、第三者という意味では、応募者をよく知る人物からの評価を聞く「リファレンスチェック」も近年利用する企業が増加しています。応募者の現職や、前職の上司・同僚からの評価や過去の活躍ぶりを可視化して、選考の判断基準にするというもの。

特に、管理職の採用や、経験者採用など、失敗できない要職の採用時には、実際に応募者と一緒に働いた経験のある上司・同僚の率直な声を聞くことは、面接前の冷静な準備や、面接時に感じた少しの違和感の裏付け、はたまた入社後に定着・活躍するかどうかのイメージに繋がります。重要な採用において、ぜひ一度利用をご検討ください。

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面接見極めの極意は「応募者の見えにくい特徴」を把握すること

ここからは面接の見極めポイントについて解説します。

経験の浅い面接官ほど、仕事の経験やスキルチェックなど、履歴書・職務経歴書から読み取れる経験・スキルの確認を優先してしまいがちです。その上で、会話の中での礼儀やマナーなどをチェックして、見極めたと思いがち。しかしそれは、「応募者の見えやすい特徴」なのです。

スキルチェックなどはもちろん大事な部分なのですが、面接という対面の場で見極めるべきは、応募者の資質・性格・価値観など「見えにくい特徴」なのです。

応募者の見えやすい特徴と見えにくい特徴

上図では、応募者の見えやすい特徴と、見えにくい特徴を図示しています。氷山のようなモデルですが、波線の上部分が「面接で見えやすい特徴」。波線の下部分が「面接で見えにくい特徴」です。

即戦力を求める中途採用では特に、自社での「仕事内容・ポジション」に適合するかという「スキルマッチ」の部分で面接が進みます。繰り返しになりますが、もちろんスキル面の確認は重要なのですが、見えにくい特徴である「資質・性格・価値観」を把握し、「自社の社風や社員の価値観にマッチ」するかを把握することがより重要です。これこそが見極めの極意となります。

「見えにくい特徴(意欲・性格・価値観)」を見極めるための質問例
  • ご自身の強みは何ですか?その強みを、当社の仕事のどういったところに活かせると思いますか?
  • プライベートの友人は、あなた自身のことを、どんな性格だと思っているでしょうか?
  • これまでの人生において挫折したことは?その時、どう対処しましたか?
  • どのようなマネジメント(管理)方法が、あなたのベストパフォーマンスを引き出すと思いますか?
  • 仕事でストレスを感じたときに、どのように発散していますか?
  • 仕事に限らず、恒常的に学んでいること、勉強していることはありますか?
  • 働く上で、あなたのモチベーションを高めるものは何ですか?また、何があなたのモチベーションを下げますか?

上記のような質問をすることで、自社の社風や、一緒に働く社員とマッチするかどうか判断が可能になります。スキルはあっても、意欲・性格・価値観が配属予定の部署のメンバーと合わないといったイメージがわいた場合は要注意です。

★見極めに有効な「面接質問」をもっと知りたい場合は、特集「面接質問集」をご参考ください。

知っておきたい!観察による見極めのポイント

応募者の表情、態度、声のトーンなどにも見極めのポイントがあります。ぜひ、参考に観察してみましょう。

見極めのポイント

姿勢や行動など、目から入る人物情報ですが、それぞれ観察する事項・部分とポイントがあります。こちらは主観になりがちなこともあり、同席者がいれば面接後のすり合わせをすることで偏りが防げるはずです。

また、緊張しやすいタイプの応募者と、応募者から威圧的に見える面接官などの組み合わせで起きる事項もあり、リラックスして話ができるよう雑談を事前に挟むなど、工夫した上で観察していきましょう。

まとめ

「面接には心理的な偏りが生まれやすい」「第三者やツールを利用して、偏りを調整する」「応募者の見えない特徴を見極める」「観察での見極めも使う」など、これらのポイントを参考にすると、応募者の本質を見極めることができるようになるはずです。ぜひご参考いただき、より良い面接見極めを実践してください。

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