- 「コロナ禍での転職のきっかけ」他ホンネを、13,796名の求職者が回答
- きっかけTOP3は、「やりがい・達成感を感じない」「給与が低い」「会社の経営が苦しい」
- 新型コロナウイルスが収束した時、「転職活動を活発化したい」人は4割
そこで今回は、1万3000人を超える求職者にアンケートを実施。コロナ禍中の転職にまつわる様々なホンネを集めました。ぜひ今からの採用戦略立案にお役立てください。
アンケート手法:WEBアンケート
アンケート期間:2021年7月28日(水)~2021年9月27日(月)
有効回答数:13,796人
※『エン転職』会員に対するアンケート結果を元にしています。
まずは、転職理由や応募動機の元になる転職のきっかけを聞きました。コロナ渦中における転職のきっかけTOPは、「やりがい・達成感を感じないから」が35%。次いで2位は「給与が低いから」が33%。そして3位には「コロナの影響で、会社の経営が苦しくなったから」が32%と肉薄する結果となっています。
また、仕事の「やりがい・達成感のなさ」「給料の安さ」は、20代がもっとも多い割合であり、仕事を頑張りたい、給料を上げたいというホンネが報われていない状況がありそうです。一方、「会社の経営が苦しい」ことを挙げたのは40代以上がもっとも多く、仕事人生の先行きを見据えた転職を検討していることがわかります。
コロナ以前においても、仕事の「やりがい・達成感のなさ」「給料の安さ」は転職のきっかけになる上位の理由でしたが、フリーコメントを見ると仕事観の変化や、残業代減少など、コロナの影響は色濃く反映されていることが見て取れます。
- コロナの影響で、自身の将来を深くかんがえるようになり、このままでいいのか、自分のやりたいことは何なのか、自分の大切にしている価値観はなんなのかなど、自己分析をするようになりました。その中でこのままでは自分の理想にはなれないと思い、転職を考え始めました。(25歳男性/大阪府)
- 残業がなくなり給料が少なくなったから。(34歳男性/大阪府)
- 以前は旅行会社に勤務していましたが、コロナの影響をもろに受け、お給料もバイト代ほどしか貰えなくなってしまったため、転職を余儀なくされました。(25歳男性/東京都)
- 2020年に自身の怠慢さとコロナ禍が相俟って就職先が見つからないまま大学を卒業し、フリーランス兼フリーターとして働いているが、自分の成長を実感できない。(23歳女性/京都府)
- コンサートやイベント業だったので、コロナウイルスが流行り始めてから3か月ほど休業状態が続きました。働かず自粛していたのですが、その中でも働いている方がいてわたしもやはり社会に貢献したいと思い転職活動を始めました。(32歳女性/神奈川県)
- コロナ禍でも前向きな取り組みによって成功を収めている企業もあり、心を動かされた。(28歳女性/愛媛県)
- コロナ関係で休む人にパワハラのような発言をする上司をみて、職場が嫌になりました。(24歳女性/福岡県)
20代の場合、新卒入社後すぐやキャリアを積めていない段階でのコロナによる休業や時短などで、コロナ以前の同世代よりも仕事経験を積めていない応募者も増える可能性があり、採用条件、人物要件の見直し、緩和も必要になるかもしれません。
一方、コロナによるテレワークやオンラインでの仕事経験がある方も増えています。緊急事態宣言解除後、テレワークから出勤に舵を切る企業も増えていますが、自社の勤務方針などを応募者に開示していくと良いでしょう。
アンケート取得時に、コロナ収束を見据えて転職活動の方針について聞いたところ、収束した場合、「より活発に(転職活動を)行なっていきたい」と答えたのは41%。年代問わず、約4割の方が転職活動を行なっていくと回答しました。
前述のとおり、緊急事態宣言解除後の10月末時点では、飲食業やアパレル業を筆頭に全国の求人数は右肩上がりとなっており、伴って求職者の動きも活発化しています。約2年間、求人を抑えていた企業にも採用再開の動きがあり、これから中途採用を実施する企業は、他社よりいかに早く求職者にアプローチするかが成否を分けそうです。
また、現職もしくは直近の職種別に見てみると、「販売・サービス系(ファッション、フード、小売 他)」、「技術系(医薬、化学、素材、食品)」、「営業系(営業、MR、営業企画 他)」、「企画・事務・マーケティング・管理系(経営企画、広報、人事、事務 他)」の人材が、コロナ収束後に「積極的に転職活動を実施したい」と回答。同職種間の転職が増えるため、該当職種の中途採用を検討している企業は、採用のチャンスと言えるでしょう。
応募者の面接・選考を実施する上で、知っておきたいのは、応募者が不安に思っていることでしょう。面接・選考において応募者の不安を払拭とまではいかずとも理解や共感を示すことは、関係性構築に大きく影響します。
事実、転職を考える中で、不安な点・気になる点はありますか?という質問に対して、全体の9割弱の人は「不安がある」と回答しています。具体的には、どんな不安があるのか。以下でホンネを覗いてみます。
転職活動における不安、TOPは「自身の年齢」が55%。40代以上でもっとも多く、自分の年齢で転職できるのかどうかが大きな不安であることが見て取れます。
転職の不安2位は「希望する転職先の有無」、3位は「転職先になじめるか」となりました。全年代で共通して不安を感じるポイントになっており、自身の希望する転職先があるのか、転職できたとしても上手くなじめるのかは不安であり、面接・選考時のフォローをすると効果的です。
その他、20代では「面接・選考で上手く話ができるか」という不安も上位に。30代は「入社時期」、40代は「転職活動中の金銭面」の不安も上位に挙がっています。
また、「転職先での業務上のコロナウイルス感染対策」、「面接・選考はオンラインか」、「転職活動時のコロナウイルス感染対策」など、転職後、選考中における企業のコロナ対策を不安視する求職者も10%前後は存在することが見て取れるため、コロナ動向に関わらずコロナ対策に関して事前に情報開示することは、コロナ禍転職者の安心材料になるはずです。
特集「コロナ禍「転職者」のホンネ白書」は、いかがだったでしょうか。活況を取り戻し始めた転職市場の中で中途採用を実施する際は、ぜひ一度本特集を見返し、採用戦略立案にお役立てください。