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企業動向予測レポート 2015

要約すると
  • 有効求人倍率はバブル期並みの高水準。企業の58%が「採用難易度が上がる」と回答。

  • 採用予定人数は、2014年並みが50%。募集・選考段階での対策がさらに重要に!?

  • 「インターネット広告」の使用が最多。採用クラスは即戦力の「一般社員・経験者」。

久しぶりに中途採用を行なう企業は必見!押さえておきたい今現在の「採用市場」と「企業動向」。
緩やかな景気回復を背景に、2014年は有効求人倍率が上昇し続けた一年になりました。その結果、「求人広告を掲載しても思ったように応募数が集まらない」、「選考辞退が増えた」という人事担当者の声が多く聞かれました。一方、優秀な転職者ほど、複数社の内定を天秤にかける状況が見受けられ、「売り手市場」の勢いは、まだしばらく続くと予測されます。

もし今年、貴社が中途採用を久しぶりに行なう状況であれば、その前に押さえておきたいのは、「採用市場」と「他社の動向」。そこで今回は、『企業動向予測レポート 2015』と題して、企業は「2015年の採用をどう捉え、どのような計画を立てて動くのか」、アンケート調査した結果をレポートします。ぜひ、採用戦略立案の参考にしてください。
約23年ぶり。バブル期並みの高水準となった有効求人倍率。
2014年の有効求人倍率の推移について
グラフは、厚生労働省が発表した2014年の「有効求人倍率」推移です。12月には「1.15」倍まで上昇しました。これは、1992年のバブル期以来、約23年ぶりの高水準。緩やかな景気回復の元、厚生労働省からも「雇用環境が着実に改善している」というコメントがあり、景気変動が起きなければ、今年も同等の水準で求人倍率は推移していくと予測されます。
人事が予測する「2015年の採用難易度」。半数以上が「難しくなる」と回答。
採用難易度について
高水準の有効求人倍率を背景に、各社の人事担当は、2015年の採用市場をどう見ているのでしょうか。「2015年の中途採用の難易度はどうなると予測するか」伺いました。

左のグラフがその結果。「採用難易度が上がる」と回答した企業は全体の58%。半数以上の企業で2015年は採用が難しくなると予測をしています。また、右のグラフは2013年に行なった同アンケートの調査結果。まだ景気の先行きが不明瞭だった2年前に「採用難易度が上がる」と回答した企業は33%。比較してみると、25ポイントも変化しています。ここから「採用市場自体が、わずか2年の間にまったく違う様相を呈している」ことがわかります。数年ぶりに採用活動を行なう企業であれば、前回と違う状況であることを意識して、情報収集や採用計画を練る必要がありそうです。
「採用難易度が上がる」と予測した理由。
それでは何故、人事は「採用難易度が上がる」と考えたのでしょうか。その理由についても伺いました。
理由コメント
  • 景気の回復と共に、全体の求人件数が増えてきたと思う。また、転職者もより良い企業を目指して転職を考え出すと思う。
  • 景気の影響で採用を控えていた企業も、採用人員を増やしてくる為、売り手市場の状況がしばらくは続くと思われる。
  • 複数の企業から内定をもらう応募者が増え、内定辞退率が上がる。当社に入社する人が昨年ほどは見込めない。
  • どこの企業も欲しい人材は同じだと感じる。
  • 大手企業が引き続き積極的に採用活動を行い、中小企業は厳しい状況が続くと予測している。
  • 応募者の大手志向が強まっていると感じるため、中小企業の採用はさらに厳しくなる。
  • 有効求人倍率の増加により特に非正規雇用の難易度は上がると思う。正規雇用についても少なからず上がると思う。
  • サービス業は特に人手不足が加速していくだろうから。
  • 2020年に予定されているオリンピック開催による工事関連の技術者不足による。
  • 特に建設業の仕事量の増加に伴い、中途採用が増えているので。
  • 現時点でもう採用が難しくなってきているのを感じるから。
2015年も求人件数が増えていけば、売り手市場が続いていきます。「優秀な人材はどこの会社でも欲しい」というコメントにあるように人材確保は勝負の世界。少なくとも採用競合となる企業の賃金や待遇情報は調べておきたいところです。

一方、「採用難易度は変わらない」と答えた企業でも、「2014年から採用難易度は高く、これ以上は変わらない」というコメントや、サービス業、建設業など「業界特有の採用の難しさがあり、常に困難のため変わらない」という声も。全体として、ほとんどの人事担当者は、「今年の採用は難しい」と思っていることが見て取れました。