- 「以前の給与水準では生活が苦しくなった」という声が目立ち、よりシビアに条件を比較する傾向が強まっていると捉えられそうです。
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2026年を迎え、日本の労働市場における「人手不足」はさらに難しいフェーズに入っています。
正社員が不足していると感じる企業は多く、不足感はコロナ禍前を遥かに上回る水準。いわゆる「2025年問題」を経て、労働力人口の減少が顕著になり、事業継続が困難になる「人手不足倒産」の報道も聞こえてきます。
人材の獲得競争が激化する今、企業は良い労働条件を提示するだけでなく、今まさに仕事を探している方々が何を考え、どのような不安を抱いているのかを深く知ることが、採用成功の第一歩になるはずです。そこで今回は、最新の調査データを踏まえた「求職者の心理」について、ご紹介します。
Q あなたが大事にしている「仕事選びの軸」を教えてください。
アンケート手法:WEBアンケート
アンケート期間:2025年10月1日~2025年11月3日
有効回答数:2,162人
※『エン転職』会員に対するアンケート「求人選びの軸について(2025年版)」の結果を引用
転職を考える求職者2,000名超に実施したアンケートにて、「求人を選ぶ際の軸」について聞いた結果、以下の3つが上位を占めました。
首位の「自分にできそうか」については、「前職で合わない職場に辟易したので慎重になっている」「未経験でもチャレンジできるかを知りたい」といった声が多く見られました。応募をためらわせないための「仕事内容の詳細な開示(仕事の流れや難易度)」と「教育体制などの訴求」が、2026年の採用でも引き続き重要になっていることがわかります。
次点の「希望の条件」については、「子どもの進学に合わせて家族の時間を大切にしたい」「大切な人の冠婚葬祭に気兼ねなく参加できる環境を選びたい」など、単に「休みや条件が良ければ良い」わけではなく、ライフステージの変化に沿った働き方を求める声が散見されます。
また3位の「給与アップ」を挙げる人が50%に達している点には注意が必要です。物価高の影響もあり、生活面を安定させるためにも重視する人がじわじわ増えている状況です。長引く物価高や社会保険料の負担増を背景に、「今の会社では給与が上がらず生活が苦しい」「物価指数に追いつきたい」という求職者のホンネも聞かれます。
ここ数年の社会情勢の変化は、求職者のキャリア観にも静かな影響を与えているようです。特に「物価上昇」と「AI普及」が、仕事探しの軸に影響が出ているかどうかを聞いていきます。
Q 近年続く「物価上昇」や、「AI(人工知能)・ロボットの普及」を経て、「求人選びの軸」は変わりましたか?
Q 「物価上昇」「AI(人工知能)・ロボットの普及」によって、どの「求人選びの軸」をより重視するように変わりましたか?
物価高やテクノロジーの普及によって、約3割強の方が「仕事選びの軸が変わった」と回答。
人手不足によって「生産性の向上」が求められる2026年において、求職者もまた「自分の市場価値をどう守り、高めていくか」を真剣に模索している時期が来ているようです。フリーコメントでも、以下のような声が集まりました。
求職者が「その企業が、自分の転職軸と合致しているか」を判断するために、どのような情報を参照しているかを確認しましょう。
Q 「仕事選びの軸」に合致するか、企業を知る上で、何を参考にしていますか?
もっとも多くの人が、確認のために閲覧すると回答したのは「転職サイト」。次いで「企業ホームページ」、「社員クチコミサイト」と続きました。
改めてとなりますが、求職者はまず転職サイトで企業に興味を持ち、次に公式HPで信頼性を確認し、最後にクチコミサイトで「裏付け」を取るという行動パターンが定着しています。
これら3つの情報源で発信内容に大きなズレ(例:求人では「残業なし」だがクチコミでは「サービス残業あり」など)があると、不信感に繋がり辞退を招きます。情報の整合性をチェックし、誠実な情報発信を行うことが採用成功の鍵です。
また、「知りたくても調べられなかった情報」として、「職場の雰囲気・社風」「社員の定着率」が上位に挙がっています。これらは転職サイトや企業ホームページだけでは見えにくいため、面接での対話や社内見学、動画コンテンツなどを通じて、いかに「負の情報」も含めたリアルを誠実に伝えられるかが大事です。入社後に感じたギャップによる「こんなはずじゃなかった退職」の防止にもつながりますので、求職者目線でギャップのない情報発信ができているか確認することをお勧めします。
今回、求職者の心理を紐解きましたが、現在の社会情勢の影響を受けて、「生活を守りたい」「新しい時代に合うスキルを得たい」「自分を受け入れてくれる場所を探している」という想いは、どれも真っ当なものばかりと感じました。
企業側での条件面の改善はもちろん大切ですが、それと同じくらい求職者の不安に寄り添い、丁寧な対話を重ねること。そんな誠実な姿勢こそが、2026年の厳しい採用戦線を乗り越えるための一助となるかもしれません。本特集が、具体的な施策を考えるきっかけとなれば幸いです。ぜひ、貴社の採用活動にお役立てください。