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綺麗すぎるレジュメはAIが生成?面接で見極めるための手法を紹介!

AIレジュメ時代の面接術

公開日 2025/10/22
更新日 2025/10/22
要約すると
  • 生成AIの台頭で、採用現場で頻発する「見極めの困難化」
  • これはAIが作った?AIレジュメの可能性が高い「文章の癖・パターン」
  • 本質を見抜く!AIレジュメ時代の面接術
監修者
「人事のミカタ」編集長/第二種衛生管理者/認定心理士
手塚伸弥
2001年から人材系企業にて求人広告・採用広報ツールなどのコピーライター、クリエイティブディレクターを経て、2014年エン・ジャパン入社。以後、編集長として採用・人事労務・雇用関連の調査や情報発信を行なう。
はじめに

面接官を経験したことのある人事担当者の8割強が、何らかの悩みを抱えている――。

『人事のミカタ』が実施した調査では、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」という悩みが最多に。さらに、求職者の生成AI活用によって、さらに見極めが難しくなっているという声も。

生成AIでレジュメが作られる今、企業はどのようにして候補者の真の能力を見極めればよいのでしょうか。本記事では、AIが生成したかもしれないレジュメに惑わされず、候補者の本質を見抜くための面接術をご紹介します。

生成AIの台頭で、採用現場で頻発する「見極めの困難化」

Q 面接官として悩みを感じることはありますか?

Q 面接官としての悩みについて、該当するものを教えてください

上述の通り、面接官を経験したことがある人事担当者に、面接官としての悩みがあるかを伺うと、「悩みがある」と回答した人は8割強に上っています。

具体的な悩みは、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」がもっとも多く、フリーコメントでは、近年増える「AIで作成された書類と面接当日の本人の話がかみ合わない」や、「レジュメが綺麗すぎて違和感」など、困惑する様子も垣間見えました。

これはAIが作った?AIレジュメの可能性が高い「文章の癖・パターン」

前提、AIが生成したと判定はできませんが、文章の中にいくつかの人間味に欠ける「癖」や「パターン」が見られることがあります。もちろん本当に候補者が書いている可能性はあり、書類選考時点では見極めはつかないはず。しかし、面接前にこれらの特徴を把握しておくことが、ミスマッチを防ぐための重要な第一歩です。

AIが生成した文章に見られる主な癖・パターン
  • 無機質な文章
    人間が書く文章には多少の誤字脱字や、表現の揺れが自然に混じりますが、AIが作成した文章は文法・スペルが完璧で、句読点の打ち方まで均一なため、無機質な印象を与えることがあります。また、言葉遣いも全体的にフォーマルで硬く、人間らしい「柔らかさ」に欠けることがあります。
  • 独自性や人間味の欠如
    AIは膨大な文章・文献のデータを学習していますが、個人の経験や感情から生まれる「生きた言葉」を紡ぐのは苦手です。そのため、一般的・抽象的な表現が多く、成功体験や失敗談からも感情の機微(悔しさ、喜び、葛藤など)が感じられず、無味乾燥な事実の羅列になりがちです。とはいえ、こちらは数年以内に学習してしまう可能性があります。
  • 巧妙な事実誤認や矛盾(ハルシネーション)
    たとえば、求職者のレジュメの基になる職種経験や文章から、「もっともらしい嘘」を生成することがあります。ハルシネーション(幻覚)と呼びますが、例えば、存在しない受賞歴を記載したり、関わっていない業務内容を自分の実績として記述したりします。一見すると事実に聞こえるため見抜きにくいですが、話の細部を深掘りすると矛盾が生じます。
AI生成レジュメによく見られるキーワード

以下の単語が使われていること自体は問題ありませんが、AIが生成したレジュメにて頻出する傾向があるため、候補者のレジュメで多く見られる場合は面接での深掘りが必要なサインと捉えましょう。

  • スキル・能力系
    「高いコミュニケーション能力」「課題解決能力」「リーダーシップ」「主体性」「論理的思考力」「データドリブン」「DX推進」
  • 実績・成果系
    「〜に大きく貢献」「〜の最適化を実現」「業務効率化を推進」「新たな価値を創出」「シナジー」「仕組み化」
  • 自己PR・志望動機系
    「貴社のビジョンに深く共感」「私の強みを活かし」「即戦力として貢献」「常に学び続ける姿勢」
本質を見抜く!AIレジュメ時代の面接術

レジュメに書かれた言葉に惑わされず、応募者の本質を見抜くためには、どのような面接でのアプローチが有効なのでしょうか。ここでは、具体的な面接術を解説します。

面接では、レジュメ内容の「事実」を深掘りする

綺麗に感じる経歴、実体が見えにくい仕事の成果、受賞歴など、レジュメ内で違和感のあったポイントは、「事実(ファクト)」をしっかりと確認していくことが見極めにつながります。

業務における成果を成し遂げられた「環境」・「対象顧客」・「目標」・「工夫」・「思い」など、レジュメ内に欠けている部分を掘り下げて質問していきましょう。

  • 業務を行なう上で、どのような目標を持っていましたか?
  • 誰と協力しながら業務を進めていましたか?
  • 業務を通じて最も努力してきたことは何ですか?エピソードも含め、具体的に教えて頂けませんか?
  • 「『課題解決能力』が強みとのことですが、これまでで最も困難だった課題と、それをどのように解決したか、具体的なプロセスを教えてください。」
  • 「『DXを推進した』とありますが、具体的にどのようなツールを導入し、それによって業務がどのように変わり、どのような数値的成果が出ましたか?」
  • 「『貴社のビジョンに共感した』とのことですが、ビジョンのどの部分に、ご自身のどのような経験から共感されたのでしょうか?」

このような質問に候補者が詰まったり、曖昧な回答しかできなかったりする場合は、注意が必要です。レジュメの内容が本人の経験に基づいていない場合、「何故ですか?」「どのように?」など、深掘りする質問に対して具体的な回答ができず、話に矛盾が生じやすくなるでしょう。

文章を検索する・ツールを使う

もし、レジュメの文章が非常に一般的だと感じた場合、インターネットで検索すると、AIがよく使う定型文や引用元が見つかる可能性があります。また、AIが書いた文章かを判定するツールも存在します。精度は100%ではないため、あくまで参考情報として利用し、最終判断は面接での対話を通じて行なうことが重要です。

面接全体で意識すべきポイント

個別の質問内容だけでなく、面接全体の進め方にも注意を払うことで、より正確な評価が可能になります。

  • 「ハロー効果」を避ける
    レジュメの見栄えが良いという第一印象に引きずられ、能力まで高く評価してしまう「ハロー効果」には特に注意が必要です。あくまで客観的な事実に基づいて評価しましょう。
  • 複数の面接官で評価する
    一人の主観に頼らず、複数人の視点で評価することで、より客観的で公平な判断ができます。
  • オンライン面接での本人確認
    近年では、ディープフェイク技術で別人が面接に登場するケースもあると言われています。なりすましを防ぐため、面接中に身分証明書と顔を同時に映してもらうなど、リアルタイムでの本人確認を行なうことも検討しましょう。
さいごに

「AIレジュメ時代の面接術」はいかがだったでしょうか? AIは「魅力的な言葉」を並べることは得意ですが、「その言葉に血を通わせるような実体験」を語ることは(今のところ)できません。だからこそ、面接官である人事担当者の『人間を見抜く力』が、これまで以上に重要となります。ぜひ、実際の面接において、レジュメに書かれた言葉を鵜呑みにせず、その裏付けとなる事実や本人の想いを引き出すことに注力してみてください。

本記事で紹介した面接術が、貴社の採用活動におけるミスマッチ防止の一助となれば幸いです。

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