中途採用ノウハウ、ユーザー調査、法改正情報が満載!
面接官を経験したことのある人事担当者の8割強が、何らかの悩みを抱えている――。
『人事のミカタ』が実施した調査では、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」という悩みが最多に。さらに、求職者の生成AI活用によって、さらに見極めが難しくなっているという声も。
生成AIでレジュメが作られる今、企業はどのようにして候補者の真の能力を見極めればよいのでしょうか。本記事では、AIが生成したかもしれないレジュメに惑わされず、候補者の本質を見抜くための面接術をご紹介します。
Q 面接官として悩みを感じることはありますか?
Q 面接官としての悩みについて、該当するものを教えてください
上述の通り、面接官を経験したことがある人事担当者に、面接官としての悩みがあるかを伺うと、「悩みがある」と回答した人は8割強に上っています。
具体的な悩みは、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」がもっとも多く、フリーコメントでは、近年増える「AIで作成された書類と面接当日の本人の話がかみ合わない」や、「レジュメが綺麗すぎて違和感」など、困惑する様子も垣間見えました。
前提、AIが生成したと判定はできませんが、文章の中にいくつかの人間味に欠ける「癖」や「パターン」が見られることがあります。もちろん本当に候補者が書いている可能性はあり、書類選考時点では見極めはつかないはず。しかし、面接前にこれらの特徴を把握しておくことが、ミスマッチを防ぐための重要な第一歩です。
以下の単語が使われていること自体は問題ありませんが、AIが生成したレジュメにて頻出する傾向があるため、候補者のレジュメで多く見られる場合は面接での深掘りが必要なサインと捉えましょう。
レジュメに書かれた言葉に惑わされず、応募者の本質を見抜くためには、どのような面接でのアプローチが有効なのでしょうか。ここでは、具体的な面接術を解説します。
綺麗に感じる経歴、実体が見えにくい仕事の成果、受賞歴など、レジュメ内で違和感のあったポイントは、「事実(ファクト)」をしっかりと確認していくことが見極めにつながります。
業務における成果を成し遂げられた「環境」・「対象顧客」・「目標」・「工夫」・「思い」など、レジュメ内に欠けている部分を掘り下げて質問していきましょう。
このような質問に候補者が詰まったり、曖昧な回答しかできなかったりする場合は、注意が必要です。レジュメの内容が本人の経験に基づいていない場合、「何故ですか?」「どのように?」など、深掘りする質問に対して具体的な回答ができず、話に矛盾が生じやすくなるでしょう。
もし、レジュメの文章が非常に一般的だと感じた場合、インターネットで検索すると、AIがよく使う定型文や引用元が見つかる可能性があります。また、AIが書いた文章かを判定するツールも存在します。精度は100%ではないため、あくまで参考情報として利用し、最終判断は面接での対話を通じて行なうことが重要です。
個別の質問内容だけでなく、面接全体の進め方にも注意を払うことで、より正確な評価が可能になります。
「AIレジュメ時代の面接術」はいかがだったでしょうか?
AIは「魅力的な言葉」を並べることは得意ですが、「その言葉に血を通わせるような実体験」を語ることは(今のところ)できません。だからこそ、面接官である人事担当者の『人間を見抜く力』が、これまで以上に重要となります。ぜひ、実際の面接において、レジュメに書かれた言葉を鵜呑みにせず、その裏付けとなる事実や本人の想いを引き出すことに注力してみてください。
本記事で紹介した面接術が、貴社の採用活動におけるミスマッチ防止の一助となれば幸いです。