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いつまで続く人手不足と物価高!採用難易度への影響は?

[2025年版]採用難易度レポート

公開日 2025/2/19
更新日 2025/2/19
要約すると
  • 2024年の有効求人倍率が3年ぶりに低下するも、依然続く人手不足と物価高
  • 主要都市の有効求人倍率は、東京「1.12倍」 、愛知「1.26倍」、大阪「1.08倍」、福岡「1.06倍」
  • 東京・愛知・大阪・福岡の有効求人倍率、職種別の有効求人倍率(10職種)をチェック!
監修者
「人事のミカタ」編集長/第二種衛生管理者/認定心理士
手塚伸弥
2001年から人材系企業にて求人広告・採用広報ツールなどのコピーライター、クリエイティブディレクターを経て、2014年エン・ジャパン入社。以後、編集長として採用・人事労務・雇用関連の調査や情報発信を行なう。
編集長コメント
物価上昇と経済の不確実性が続く2025年初頭。東京・愛知・大阪・福岡の4都市では、求人倍率に変動が見られます。そのため、2025年に採用を実施する際には、各地の最新データと求職者の意識変化を把握することが重要です。そこで今回は「[2025年版]採用難易度レポート」と題し、日本全国の有効求人倍率や求職者の意識の変容をお届けします。ぜひご活用ください。
2024年の有効求人倍率が3年ぶりに低下するも、依然続く人手不足と物価高
有効求人倍率(年平均)の推移

厚生労働省が発表した2024年の平均有効求人倍率は「1.25倍」。コロナ禍前の2019年の「1.60倍」まで回復できていない状況です。3年ぶりに0.06ポイント低下した要因としては、企業側の人手不足感の強さは変わらないものの、原材料価格の上昇などコスト増により求人を控える動きが影響しています。

直近の2024年12月の有効求人倍率(季節調整値)も「1.25倍」となり、3カ月連続で同水準になっています。「人手不足だが、新たな人を雇う余力が無い」という中小企業の声が散見され、有効求人数と有効求職者数がやや減少。一方、景気のバロメーターとなる新規の求人数は前月比較で2.2%増加するなど、良い兆しも見え始めています。

「物価高」と「AI活用」の影響で変わる、求職者の仕事選び

「エン転職」で実施した「求人選びの軸」調査にて、「物価高」や「AIの普及」等によって、求人選びの軸が「変わった」と回答した人は約3割に上りました。

「物価高」によって仕事選びの軸が変わったと回答した人は「年収アップできるか」という軸を重視して、転職活動に向かう人が最多になっています。また、「AIの普及」が影響した人は、「新しい分野に挑戦できるか」の軸が最多となりました。

明らかに求職者の意向に変化が表れているため、注意が必要です。以前とあまり変わらずに求人を出して「応募が来ない」「応募が少なくなった」となる前に、求職者の変化に沿った求人改善を実施しましょう。

「物価上昇によって変わった」と回答した方が、重視するようになった「求人選びの軸」(複数回答可)
「AI(人工知能)・ロボットの普及によって変わった」と回答した方が、重視するようになった「求人選びの軸」(複数回答可)

※「エン転職」でのWEBアンケート
https://employment.en-japan.com/enquete/report-108/
実施期間:2024年3月27日(水)~2024年4月24日(水)
有効回答数:4,284名

主要都市の有効求人倍率は、東京「1.12倍」 、愛知「1.26倍」、大阪「1.08倍」、福岡「1.06倍」
北海道・東北エリア
北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島
2022年12月 1.24 1.34 1.46 1.42 1.66 1.78 1.56
2023年12月 1.10 1.30 1.31 1.31 1.44 1.50 1.47
2024年12月 1.09 1.22 1.30 1.22 1.40 1.50 1.39
関東・甲信エリア
茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 山梨 長野
2022年12月 1.69 1.35 1.64 1.19 1.22 1.18 1.10 1.65 1.72
2023年12月 1.52 1.22 1.47 1.14 1.20 1.15 1.08 1.41 1.49
2024年12月 1.51 1.33 1.43 1.20 1.27 1.12 1.09 1.51 1.42
北陸・東海エリア
新潟 富山 石川 福井 岐阜 静岡 愛知 三重
2022年12月 1.64 1.78 1.61 1.99 1.77 1.41 1.39 1.64
2023年12月 1.53 1.60 1.45 1.92 1.60 1.32 1.29 1.47
2024年12月 1.52 1.57 1.53 1.91 1.56 1.22 1.26 1.34
近畿エリア
滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山
2022年12月 1.44 1.25 1.12 1.19 1.36 1.28
2023年12月 1.26 1.19 1.07 1.14 1.30 1.20
2024年12月 1.30 1.26 1.08 1.13 1.38 1.21
中国・四国エリア
鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知
2022年12月 1.76 1.85 1.62 1.52 1.76 1.41 1.69 1.58 1.24
2023年12月 1.45 1.62 1.48 1.38 1.74 1.28 1.54 1.44 1.14
2024年12月 1.49 1.53 1.38 1.30 1.65 1.26 1.60 1.49 1.20
九州・沖縄エリア
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
2022年12月 1.16 1.64 1.37 1.56 1.57 1.53 1.43 1.12
2023年12月 1.14 1.52 1.37 1.43 1.59 1.46 1.26 1.15
2024年12月 1.06 1.47 1.37 1.35 1.58 1.42 1.20 1.12

※厚生労働省 2024年12月 就業地別労働関係指標 有効求人倍率(季節調整値)
※都道府県別の有効求人倍率は、「就業地別」の調査結果データを採用しています。「受理地別」の調査結果と比較して、より各都道府県の就業数に即した数値となっております。ご了承ください。

ここからは、いよいよ本題となる全国47都道府県の有効求人倍率の推移を確認していきましょう。
2024年12月時点では、東京は「1.12倍」、愛知「1.26倍」、大阪「1.08倍」、福岡「1.06倍」となりました。有効求人倍率がもっとも高かったのは福井の「1.91倍」、最低は福岡県となっています。

職種別の有効求人倍率。代表的な10職種の有効求人倍率
職種別有効求人倍率 推移
2022年
12月
2023年
12月
2024年
12月
全職種(職業計) 1.36 1.30 1.32
営業の職業 2.24 2.42 2.52
一般事務の職業 0.36 0.35 0.35
商品販売の職業 1.93 2.01 2.16
接客・給仕の職業 2.68 2.30 2.06
介護サービスの職業 3.52 3.70 3.84
ITエンジニア(情報処理・通信技術者) 1.76 1.71 1.74
建築・土木・測量技術者 7.27 7.29 7.38
クリエイター(美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者) 0.20 0.17 0.16
ドライバー(自動車運転の職業) 2.75 2.90 3.01
運搬・清掃・包装等の職業 0.74 0.74 0.73

※厚生労働省 2024年12月 第21表-14 有効求人倍率(パート除く常用)

代表的な10職種の有効求人倍率の推移を確認します。直近の3年間で見ると、「接客・給仕の職業」が大きく低下。アフターコロナで活発になった採用が完全に落ち着いたようです。その他の職業では、全般的にジワリと有効求人倍率が高まっていることが見て取れます。

南関東の求人倍率推移/東京都の「職種別」有効求人倍率
南関東の有効求人倍率2023年12月→2024年12月
東京都の職種別有効求人倍率
東京都
職種 有効
求人数
有効
求職者数
求人
倍率
全国
平均
営業の職業 15,409 5,238 2.94 2.52
一般事務員 15,746 37,386 0.42 0.35
商品販売の職業 9,441 2,654 3.56 2.16
接客・給仕の職業 6,004 1,674 3.59 2.06
福祉関連の職業 31,141 5,322 5.85 3.84
IT技術関連 25,010 8,418 2.97 1.74
建築・土木技術者 7,250 960 7.55 7.38
デザイナー(グラフィックデザイナー、ウェブデザイナー、データ入力係員、製図工) 651 4,233 0.15 0.16
自動車運転の職業 8,252 1,972 4.18 3.01
運搬・清掃等の職業 7,114 7,438 0.96 0.73

(引用)東京労働局HP 求人・求職バランスシート (2024年12月分)一般常用

2024年12月の東京都の有効求人倍率は「1.12倍」となりました。前年同月からは0.03ポイント下落しています。新規求人数は前年同月比で3.6%増加。情報通信業、卸売業・小売業などを中心に増加しました。一方、製造業・生活関連サービス業は減少しています。

また、東京都の職種別の有効求人倍率を確認すると、職種ごとの採用難易度に大きな差異が見られます。営業職、IT技術関連職、福祉関連職の求人倍率は全国平均を大きく上回り、これらの職種では、採用が難しい状況が続いています。

これら高い求人倍率を示す職種では、給与や福利厚生の改善、柔軟な働き方の提供など、魅力的な条件を提示することが求められます。改めて、採用競合となる他社求人との比較や、求人の見直しが必要になります。

東海の求人倍率推移/愛知県の職種別有効求人倍率
東海の有効求人倍率2023年12月→2024年12月
愛知県の職種別有効求人倍率
愛知県
職種 有効
求人数
有効
求職者数
求人
倍率
全国
平均
営業の職業 7183 1583 4.54 2.52
一般事務員 7013 18170 0.39 0.35
商品販売の職業 5528 2309 2.39 2.16
接客・給仕の職業 3315 1137 2.92 2.06
福祉関連計 22,111 4900 4.51 3.84
IT関連計 5259 2606 2.02 1.74
建築・土木技術者 3146 383 8.21 7.38
美術家、デザイナー等 203 1207 0.17 0.16
自動車運転の職業 7539 1895 3.98 3.01
運搬・清掃等の職業 9214 14402 0.64 0.73

(引用)愛知労働局HP 求人・求職バランスシート (2024年12月分)(パートタイムを含む常用)

愛知県の有効求人倍率が「1.26倍」となり、岐阜県の「1.56倍」、三重県の「1.34倍」同様に前月と同じ水準を維持しています。製造業の多い地域として、雇用情勢は持ち直しつつありながらも、原材料価格・エネルギー価格の上昇の影響で求人を控える企業も見受けられるようです。

職種別では、営業職の求人倍率が全国平均を大きく上回り、採用が非常に難しい状況です。福祉関連職も「4.5倍」と高く、福利厚生の改善、柔軟な働き方の提供など、こちらも魅力的な条件を提示する必要があります。採用に強い地場企業が多々あることから、隣接する岐阜、静岡での採用に広げてみることや、東海圏以外から採用し、配属を東海エリアにするといった方法も検討すべきでしょう。

近畿の求人倍率推移/大阪府の職種別有効求人倍率
近畿の有効求人倍率2023年12月→2024年12月
大阪府の職種別有効求人倍率
大阪府
職種 有効
求人数
有効
求職者数
求人
倍率
全国
平均
営業の職業 7,770 3,844 2.02 2.52
一般事務・秘書・受付の職業 4,770 23,545 0.20 0.35
販売員 7,253 3,864 1.88 2.16
接客・給仕の職業 5,424 2,047 2.65 2.06
福祉・介護の職業 26,389 6,351 4.16 3.84
情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) 4,722 2,267 2.08 1.74
建築・土木・測量技術者 3,922 784 5.00 7.38
デザイナー 537 2,639 0.20 0.16
配送・輸送・機械運転の職業 12,733 5,545 2.30 3.01
運搬・清掃・包装・選別等の職業 16,023 19,333 0.83 0.73

(引用)大阪労働局HP 求人求職バランスシート※常用 (2024年12月分)

円安による原材料価格上昇などにより、建設業・製造業の求人数減少によって、有効求人倍率が低下する大阪府。機械化や価格転嫁による改善で経済の好循環化を目指している状況です。

職種別では、営業職は全国と比較して採用が比較的容易な地域。また、一般事務・秘書・受付は求職者数が多く、採用が容易であることが見て取れます。一方、接客・給仕の職業、福祉・介護の職業は全国平均を上回り、採用が難しい地域です。職種ごとの求人倍率を理解し、適切な採用戦略を策定することが、採用成功の鍵となります。

九州北部の求人倍率推移/福岡県の職種別有効求人倍率
九州北部の有効求人倍率2023年12月→2024年12月
福岡県の職種別有効求人倍率
福岡県
職種 有効
求人数
有効
求職者数
求人
倍率
全国
平均
営業の職業 2,174 1,201 1.81 2.52
一般事務・医療事務等 2,522 7,396 0.34 0.35
商品販売 1,261 832 1.51 2.16
接客・給仕 770 422 1.82 2.06
介護サービスの職業 1,949 636 3.06 3.84
情報処理・通信技術者 1,688 1,121 1.50 1.74
建築・土木・測量技術者 1,399 282 4.96 7.38
美術家、デザイナー等 157 841 0.18 0.16
自動車運転 1,463 566 2.58 3.01
運搬・配達・倉庫作業員等 742 750 0.98 0.73

(引用)福岡労働局HP 求人求職バランスシート※常用・フルタイム(2024年12月分)

福岡県の有効求人倍率は、「1.06倍」となりました。1年前の同月からは0.08ポイント低下。全国でも一番低い県になっています。雇用情勢は改善傾向にあるものの、新規求人数は8.2%減少。一方、新規求職者数は3.9%増加しており、企業にとっては採用のチャンスが多いエリアです。

職種別に見ると、主要10職種のうち8職種で全国平均を下回っている状況。九州に拠点がない企業でも、テレワーク対応であれば、近隣では採用できなかった人材と出会える可能性があり、柔軟な働き方を準備できる企業であれば採用でアプローチができるでしょう。

まとめ

[2025年上半期]採用難易度レポートは、いかがだったでしょうか?東京、愛知、大阪、福岡の雇用情勢を分析すると、各都市で職種ごとに採用の難易度が異なることが見て取れます。

そして、今年は物価上昇が雇用に与える影響を見越して、効果的な採用戦略を立てる必要があります。本特集が、具体的な施策を考えるきっかけとなれば幸いです。ぜひ、この記事を参考に、貴社の採用活動にお役立てください。

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