- 新型コロナ後の「企業選びの軸」について、1万1,536名の求職者が回答
- 新型コロナを経験し、「企業選びの軸」が「変わった」と回答した人4割
- 以前より「希望の働き方(テレワーク・副業など)」「企業・事業の将来性」等を重視するようになった人多数
その中でも、現段階で中途採用を検討している企業からは、「コロナという厳しい状況下、求職者はどんな気持ちで転職活動をしているのか」「コロナの影響は出ているのか知りたい」という声も聞かれました。そこで今回は、コロナ以前と比べて、企業を選ぶ軸に変化があったのか、1万人を超える求職者にアンケートを実施。様々な本音を集めました。ぜひ採用戦略の立案にお役立てください。
※『エン転職』の会員に対するアンケート結果を元にしています。
アンケート手法:WEBアンケート
アンケート期間:2020年11月26日(木)~2021年1月26日(火)
有効回答数:11,536名
まず、『エン転職』を利用する求職者1万人超に、転職先である企業を選ぶ軸を伺うと、第1位は「勤務時間・休日休暇・勤務地が希望に合うこと」でした。第2位は「仕事を通じ、やりがい・達成感が得られること」、第3位は「入社後の仕事内容がイメージできること」となりました。20代といった若い世代ほど順位とほぼ同様の軸になっていることが見て取れます。一方、30代、40代では「経験・スキルが活かせること」が高くなり、これまで培った経験・スキルが活かせる企業を選びたいと思っており、順当な結果となっています。
では、続いて本題である「新型コロナを経験し、企業選びの軸は変わったか」を聞いた結果をご確認ください。
新型コロナを経て、全体の4割の人が「企業選びの軸が変わった」と回答。30代がもっとも「変わった」人が多いことも見て取れます。
具体的に何の軸を重視するようになったのか、確認していきましょう。
コロナ後に重視するようになった軸で、もっとも多かった回答は、「希望の働き方(テレワーク・副業など)ができるか」でした。2位には「企業・事業に将来性があるか」が上がってきています。コロナの影響で、働き方に大きな変化があった昨年。テレワーク利用や副業推奨などを実施する企業も多くなった中、企業選びにおいて軸にする人が増える結果となりました。また、休業や廃業も多くなったことで、「企業・事業への将来性」を軸にする人が増えたことも象徴的な結果です。
- ●以前は通勤したかったのですがテレワークを経験し、多様な働き方があると感じました。今はテレワークと出社と織り交ぜて働ける場所がいいと思っています。(28歳女性/埼玉県)
- ●現在働いている会社が、制度を変えるのが大変とテレワークの導入を躊躇しているところに疑問を感じ、社会情勢に柔軟に対応する意思のある会社に魅力を感じたから。(29歳女性/愛知県)
- ●これまで長く勤められていると思っていた会社だったが、コロナの影響によって休業を余儀なくされるスタッフが多くなったことで、転職を決意した。 (29歳女性/東京都)
- ●横浜に住んでいるので東京までの通勤時間や距離に疑問を感じるようになった。もっと家族との時間を作りたくなった。 (32歳女性/神奈川県)
- ●コロナの影響で一年間で勤めていた飲食店が何度も潰れたり業績不調に陥ったのを経験した。 (27歳男性/宮崎県)
求職者に「「企業選びの軸」を見つける時に、やっていること」を伺うと、「インターネット・SNSで情報収集する」が第1位になりました。企業側としては、尚一層「インターネット・SNS」での情報発信が重要になっています。
具体的に、「企業選びの軸」に合致するか、企業を知る上で、何を参考にしているか伺ったところ、第1位は「転職サイト」、次いで「企業ホームページ」と「会社口コミサイト」と続き、一番参考になったものを聞いても同様となり、3大情報源となっていることがわかります。コロナによって変わった、求職者の「企業選びの軸」に合致する情報が、上記サイトできちんと打ち出せているかが、採用成功や入社後の定着にプラスに働きます。ぜひ、開示している情報の見直しや、改善に繋げてください。
- ●転職サイトは企業の特色だけでなく、向いてるいる人や向いてない人、求められる人材についてや実際に働く人のコメントなどの記載があったりなど、自分の企業選びの軸を見つけるのにとても参考になるポイントだと思いました。(23歳女性/埼玉県)
- ●会社のホームページや説明会ではいい点しかみることができないですが、転職サイトでは実際に働いてる方、退職された方の生の声を聞くことができるので、参考になります。(23歳女性/奈良県)
- ●募集要項に書いていないような、上司の考え方や社内の雰囲気、他の会社にはない独特なルール等を、退職した人や現職の人のクチコミで知ることができるからとても便利だった。(27歳女性/埼玉県)
- ●贔屓無しの社員のリアルな声が聞ける。 不満があり口コミを書く人は多いと思うが、それを踏まえた上で自分の中で条件として受け入れられるかどうか判断している。 また現在の会社と同じような評価や傾向・雰囲気があるのかを確かめている。(23歳女性/埼玉県)
- ●社員へのインタビューがあれば必ず見ます。 実際に働いておられる方の1日の流れやモットー、やり甲斐が書かれていることが多いので参考にしています。(29歳男性/三重県)
最後に、企業のことで、知りたくても自分で調べ切れなかった情報についても求職者に聞きました。
求職者が知りたくても知ることが難しいと考えている情報は、「職場の雰囲気・社風」がTOP、次点は「評価制度」となりました。会社の空気や雰囲気、社風などは、インターネットでも面接だけでもなかなかわからない部分です。また、どんな成果を出すと評価されるのかといった査定基準や、昇給や昇格のスピードなどもわからないという声が散見されています。出しにくい情報でもありますが、社風では動画活用や社長メッセージの発信などが有効。評価基準、インセンティブ例なども属性や年次、成果の内容などきちんと提示していくことが納得感に繋がります。
- ●職場の雰囲気はある程度HP等で感じ取れることも出来るが、社員の雰囲気を文面以外でも参考として見たい。(23歳女性/埼玉県)
- ●評価や給与の具体的なことは内定まで待たないと実際はわからない。(33歳男性/岐阜県)
- ●平均年収は把握出来るが、 具体的な金額がわからない。 (特にインセンティブ、歩合)(28歳男性/北海道)
続くコロナ禍、特集「転職者心理 2021」は、いかがだったでしょうか。3度目の緊急事態宣言が明け、転職市場はまた動き始めました。本特集によってコロナ時代の求職者の企業選びの軸を把握し、人材採用にお役立ていただければ幸いです。