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2020/07/08 UP
緊急事態宣言が解除!800人超の求職者に聞いたホンネ!企業に求める情報とは?

withコロナ時代の転職者心理

要約すると
  • 緊急事態宣言の解除後の2020年6月時点。求職者は積極的に転職活動中
  • 「求人が減った」他、約8割の求職者が、新型コロナウイルスの影響を受けていると回答
  • 今、求職者が知りたいのは「選考期間」「テレワーク可否」「オンライン面接の可否」
先月公開した特集「コロナ時代の採用考察」では、「企業」を対象に行なった中途採用に関するアンケートをもとに、中途採用について考察させていただき、多くの人事担当者から反響を頂きました。

反響の中には「求職者の気持ちや動きが知りたい」という人事担当者の声も。緊急事態宣言の解除後、求職者がどんなホンネを持っているかを知れば、これからの中途採用に活かせるはず。そこで今回は、急遽求職者にアンケートを実施。800人を超える求職者の変化やどのような情報を求めているのかがわかりました。withコロナ時代の採用活動に、ぜひお役立てください。
人事のミカタ
編集部 原和真
アンケート回答者の属性
※『エン転職』の会員に対するアンケート結果を元にしています。
 アンケート手法:WEBアンケート
 アンケート期間:2020年6月13日(土)~2020年6月15日(月) 回答者:856名
緊急事態宣言の解除後、2020年6月時点。求職者は積極的に転職活動中

2020年5月、全国で緊急事態宣言が解除されたことで、一時延期などをしていた中途採用を再開する企業も多くなりました。その際に「求職者は動いているのか」と疑問の声をいただく機会も増えています。転職活動に関する求職者の動きを確認していきましょう。

転職活動を開始した時期

回答者の約4割は「新型コロナウイルスが流行する前」から転職活動を開始。残りの6割が「新型コロナウイルスの流行後」に転職活動を開始しています。直近では「緊急事態宣言 解除後に転職活動を開始した」という人が19%となっており、求職者が減少するような傾向はなく、増え続けています。

結果、「求人数が減少している」ことと相まって、転職先がなかなか決まらず、転職活動が長期化しかけている人が散見されます。これから先、しばらくは求職者が求人数を上回り、買い手市場が続くことが見込まれます。

約4割の求職者は「今すぐにでも入社したい」と回答

入社を希望する時期

転職先への希望入社時期を聞いたところ、「すぐにでも入社したい」という回答が圧倒的に多く41.8%となりました。

前述の、回答者の属性にもあるように、現在の就業状況で「離職中」と回答した方が45%となったことも要因です。失業・契約終了などの理由から、「今すぐ転職先が決まらないと生活できない」という切実な声も多く寄せられています。

転職活動を始めたきっかけに「コロナの影響」も散見

転職活動を始めたきっかけ(複数回答)

転職活動を始めたきっかけについて聞いてみると、「給与に不満」、「会社の考え・風土が合わない」、「職場の人間関係がよくない」、「仕事内容に不満がある」が上位になりました。

上記と合わせて、新型コロナウイルスによる休業や収入減などが引き金になり、転職活動を始めた人が多いことがわかります。

約8割の求職者が、コロナにより「転職活動に影響が出ている」と回答

新型コロナウイルスにより、転職活動に影響が出ていると思いますか?

具体的にどのような影響が出ていると思いますか?

ここからは、求職者が転職活動をする中での、新型コロナウイルスの影響や、ホンネを聞いていきます。

転職活動におけるコロナウイルスの影響を感じるか聞いたところ、「はい」と回答した人は約8割。具体的な影響では、「求人が減った」が65%で1位。次いで、「志望する業種・職種の求人が減少した」「選考が通過しにくくなった」という回答が集まりました。

求職者から寄せられた声
  • 求人が驚くほどありません。4月から無職となり、焦る毎日です。選考は通りにくく期間も長く、どうにかしてやりたい事よりも就職する道を選ぼうとしています。助けて欲しい。(30代男性・サービス関連職・離職中)
  • 新型コロナウイルスを理由とした選考のお断りを相当数いただいております。理解しておりますし、致し方ないとわかっていますがやはり尋常じゃない影響があるのだなと感じております。(20代女性・サービス関連職・就業中)
  • 選考中の企業が3ヶ月待って中止されてしまいました。もう少し早く判断して欲しかったです。(20代女性・外食・就業中)
  • 内定をいただいていましたが取り消しとなりました。バイト先も潰れてしまったので早く転職先を決めたい。(20代女性・広告・出版・マスコミ関連・離職中)
  • ハローワーク等に気軽に行けなくなり、合同会社説明会の開催も中止・延期。転職活動に必要な情報が以前と比較して集めにくくなったと思います。(20代男性・その他サービス関連・就業中)

コロナショックにより業績が低迷したことで、中途採用が停止や延期となった企業も多く、求職者に影響が出ていたことが見て取れます。

別調査では、「緊急事態宣言解除後2ヶ月以内に採用を再開する」という企業も多く、仕事を探す求職者からの応募が集めやすい状況に。以前では採用しにくかった人材からの応募に繋がる可能性もあります。早めの動きが人事の腕の見せ所です。

withコロナ時代。今、求職者が追加で知りたいのは「選考期間」「テレワーク可否」「オンライン面接の可否」

仕事・会社・給与情報などに加えて、知りたい情報はありますか?

「今、転職活動をする上で、仕事・会社・給与情報などに加えて、知りたい情報はありますか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

採用選考にかかる期間・流れ

緊急事態宣言解除後、今求職者が追加で必要としているのは、「採用選考にかかる期間・流れ」に関する情報という結果になりました。新型コロナウイルス感染症・緊急事態宣言による対応・対策に追われ、選考が当初の想定より長引いている企業が増えているようです。

一刻も早く転職しなければ生活に支障をきたしてしまうという人もいます。そういった方々にとって、「選考にどれだけ時間がかかるのか」「いつ入社できるのか」といった情報は、応募する際に知りたい情報と言えるでしょう。

Point!
現在、「選考・評価」に通常より時間がかかる企業が増えています。逆に言うと、「選考スピード」を早めることができれば、他社と差別化を図り、求職者にとって魅力になるということです。
「どんな経験・知識・スキルのある人を採用するのか」など、予め採用基準を明らかにしておくことは平常時でも選考をスムーズに進める上で有効な手段ですが、現在はさらに重要になるでしょう。採用の事前準備に役立つ情報をまとめておりますので、以下もご参考ください。
https://partners.en-japan.com/special/200205/
また、応募者とのコミュニケーションは通常時よりこまめに、丁寧にすることをオススメします。新型コロナの影響下で、不安を抱えている求職者は少なくありません。選考状況をこまめに連絡することで求職者も安心できます。さらに、「新型コロナの影響下でも対応がしっかりしている会社」と、求職者に好印象を与えることも可能です。
入社後のテレワーク可否や状況

2番目に多かった回答が、「テレワーク(在宅勤務)の可否や状況」。新型コロナウイルス対策として、一時的にテレワーク(在宅勤務)を導入した企業も多いと思います。テレワーク(在宅勤務)は、多くの人の労働価値観を変化させました。以下は実際に求職者から寄せられた声です。

  • テレワーク(在宅勤務)可の会社に転職を考えています。柔軟な思考で効率の良い仕事の進め方が何かを考え、すぐ取り入れることができる会社に魅力を感じるためです。(20代女性・事務職・就業中)
  • 再び新型コロナが流行した場合、リモート対応が可能な会社に転職したいです。(40代女性・企画関連職・離職中)
  • フルリモート可能な会社がもっと増えてほしいです。(40代男性・IT関連職・就業中)

テレワーク(在宅勤務)を経験したことで、「通勤時間がかからなくなり、業務効率が向上した」と感じている人は少なくありません。今後は「新型コロナウイルス対策としてテレワーク・在宅勤務を継続しているか」「新型コロナウイルス収束後もテレワーク・在宅勤務が可能か」といった要素が、転職先を選ぶ新たな軸となりそうです。

Point!
テレワークへの関心が高まっていることを示す、別のデータもあります。
「エン転職」には、「キーワードでさがす」という求人の検索機能があります。求職者が自分の気になるキーワードを入れて、求人を探すことが可能です。

エン転職「キーワードで探す」

「英語」「事務」「土日休み」などが人気キーワード。しかし緊急事態宣言以降、「在宅」「在宅手当」「在宅勤務」「テレワーク」「リモートワーク」「リモート」など、テレワークに関するキーワードが多数上位にランクインしています。

「新型コロナの影響が心配される間は、リモートワーク(在宅勤務)」「新型コロナに関わらず、今後はリモートワーク(在宅勤務)を継続」など。今後のリモートワーク(在宅勤務)への対応を求人で記載しておくと、求職者を安心させられるとともに、魅力をアピールできます。

オンライン面接の可否

オンライン面接とは、テレビ電話・Web会議システムといったツールを使用して、オンライン(Web)上で面接を行なうこと。新型コロナウイルスが心配される中、対面面接への不安からオンライン面接を希望する求職者が増えています。

Point!
オンライン面接を希望する人が増えている一方で、慣れないパソコン越しの面接に戸惑う人も少なからずいるようです。以下は、アンケートで実際に寄せられた求職者の声です。
  • オンライン面接は視線のやり場に困る。(30代男性・技術関連職・離職中)
  • オンライン面接で、採用担当者側が私服で帽子着用。とても不信感を抱きました。(30代男性・サービス関連職・就業中)
  • Web面接が、通常の面接よりカジュアルな交流となり、位置付けがわからなくて戸惑う。(20代女性・事務関連職・離職中)
  • 自宅のネット環境が悪いので、オンライン面接の途中で接続が切れてしまい、上手く面接できず不安が大きいです。(40代男性・事務関連職・離職中)

パソコン越しの面接は求職者の表情・仕草が見えにくく見極めが難しいと言われていますが、それは、求職者も同じこと。求職者側も採用担当者との距離感がつかめず、必要以上に緊張してしまうというケースが散見されます。

オンライン面接ではオープニングトーク・アイスブレイクで、相手の緊張をほぐす。リアクションは大きめに、表情の変化も意識する。自宅からのオンライン面接でも、オフィシャル感を出すためにスーツを着用する。会わなくても社内の雰囲気が伝わるように、一緒に働く仲間からのメッセージ動画などを事前に撮影してオンライン面接の前に流すなど、様々なコツがあります。

詳細は、特集「失敗しないオンライン面接のはじめかた」で公開中です。ぜひご参考ください。
https://partners.en-japan.com/special/200514/

その他
  • 新型コロナウイルスへの対応方針・対策状況。(20代女性・事務関連職・離職中)
  • 新型コロナウイルスによる経営状態への影響の有無。(20代女性・技術関連職・就業中)
  • 子供の学校が休校になった場合の対応。(30代女性・団体職員・就業中)
  • 対面面接を行なう場合、マスクをしてもよいか。(20代男性・サービス関連職・就業中)

企業の「新型コロナウイルスの対策」「会社・事業の安定性」への関心が特に高まっているようです。しかし質問したいものの、「自分から質問したら悪い印象を与えてしまうのでは…」と悩んでいる求職者の声も散見されました。面接の際に企業側から開示、説明などを行なうことで、求職者を安心させられるはずです。

また対面で面接をする場合、「マスクをしたまま面接をしてもよいか」を気にしている求職者も多いようです。新しい生活様式の中では、密室、密接は避けるべきであり、会議室でマスクを外すことは怖いという応募者も多いでしょう。事前にマスク着用の可否を伝えると共に、マスク着用不可の場合はオンライン面接を実施すると良いでしょう。

まとめ

特集『withコロナ時代の転職者心理』、いかがでしたでしょうか。新型コロナウイルスの影響下においても、求職者の動きはむしろ活発。転職市場に増え続けている状況です。

企業においては、業績の回復を担う人材の採用や、これまで社内にいなかった業務のオンライン化を担う人材などの採用は、喉から手が出るほど欲しいという声も聞こえてきます。

本特集によってwithコロナ時代の転職者心理を把握し、貴社に必要な人材採用にお役立ていただければ幸いです。採用成功に向けて、エン・ジャパンも併走させて頂きますので、ぜひご相談ください。

※人事のミカタ会員の方は、専任担当宛に直接ご連絡いただければ幸いです。
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