超売り手市場の到来。増え続ける「辞退」の心理に迫る
有効求人倍率が1.2倍台に上昇。2015年は、求人件数が増え続け、23年ぶりに高い数値を記録しました。求職者にとっては転職の選択肢が増え、企業にとっては優秀な人材確保がより一層難しくなった1年。超売り手市場と言っても過言ではないこの状況は、2016年も続く見通しです。
そのような雇用情勢下で考えるべきは、「選考辞退対策」。応募者を逃さず、自社採用を成功させるためには、求職者がなぜ、辞退をするのか把握して対策を練る必要があります。そこで、今回は『辞退の心理2016』と題して、約3000人の辞退理由を紐解きます。採用したい人材を確実に入社へと導くために、ぜひ今回の特集をお役立てください。
※【『エン転職』の会員に対するアンケート結果を元にしています/アンケート手法:WEBアンケート/アンケート期間:2015年12月3日~12月10日 有効回答数4837名】
辞退経験が「ある」7割。1人の辞退社数「3社以上」の割合が増加
まずは、求職者に対して、これまでの転職活動における選考辞退の有無を伺いました。選考辞退をしたことが「ある」と答えた人は74%。全回答者数4800人のうち、約3000人が辞退経験者であることがわかりました。昨年に行なった同調査では辞退経験者は70%。有効求人倍率が上がり、求人件数が増える中で辞退が4ポイント増えていることがわかります。続いて、一人ひとりの辞退社数に関しても確認します。
選考辞退した社数でもっとも多かったのは「1社」31%。続いて「2社」24%。しかし昨年と比較すると減少。その分、「3社」以上の辞退割合を合算すると全体の45%と大きく増大しています。上記を元に見えてくるのは、求職者の「複数社応募」がさらに加速しているという現実です。
「面接前の辞退」が64%以上に増加
上の図は、選考辞退が発生するタイミング。選考フローの中で、矢印で示している①面接前の辞退、②面接後の辞退、③内定取得後の辞退と、3つのタイミングに大別できます。
それでは、 辞退をしたことが「ある」と回答した求職者は、どのタイミングで辞退したのか。その割合を見ていきましょう。
なんと、「面接前の辞退」をしている人が、53%から64%に増加しています。「面接後の辞退」は4ポイント減少。「内定辞退」は2ポイント増加という結果になりました。