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「ハマキョウレックス」の判例を見ました。手当の格差が あったとのことですが、具体的に何が問題だったのでしょうか?企業側が負けた理由について解説を頂きたいです。
ハマキョウレックス事件の概要は...
契約社員のドライバーが、正社員にのみ諸手当等が支給されるのは労契法に抵触する不合理な労働条件として差額を求めた訴訟です。
【争点】「正社員」と「有期雇用労働者」の待遇の格差
【格差が「不合理」とされたもの】
・無事故手当
・作業手当
・給食手当
・通勤手当
・皆勤手当
【格差が「不合理ではない」とされたもの(その理由)】
・住宅手当(契約社員には「転勤がない」ため)
【社労士からの解説】
労働者側に有利な判決となったのは、単純に正社員と有期雇用労働者とで「職務内容に差がない」にもかかわらず、待遇に差があった点につきます。
皆勤手当についても、トラック運転手を一定数確保する必要により皆勤を奨励する点にあるとし、トラック運転という職務内容が異ならない以上は、出勤を確保する必要性については差異が生ずるものではないとして、皆勤手当を支給しないのは不合理となっています。
※見解として「不合理」とされた手当に関しては、労務の対価としての性格が強いものであり、逆に「不合理でない」とされた住宅手当は生活費の補填的な意味合いが強いものであると考えられます。
参考URL http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87784