人事担当者が考えるべき、旬のテーマを調査!
『入社後活躍研究所』× 甲南大学 尾形教授 共同研究
今回は、甲南大学の尾形教授との共同研究として、「中途採用者の定着施策(オンボーディング)」について伺いました。
定着・戦力化のための入社後の取り組みの実施について、「力を入れている」「どちらかと言えば力を入れている」と回答した企業は41%。
社員の定着・活躍に影響する取り組みは何か分析したところ、「定着(離職率の低下)」に有効だったのは「人事との定期的な面談」。また、「活躍(パフォーマンスの向上)」には、「メンターや相談役などの支援制度」が有効となり、誰を相談役にするかは慎重に検討すべきポイントです。
一方、「入社1ヶ月以内の導入研修」が、中途入社者の配属された職場のコミュニケーションの活性化にマイナスの影響があるという結果も。導入研修と配属後の乖離、現実とのギャップによってコミュニケーションを阻害している可能性があります。研修内容を見直してみましょう。
その他、定着施策に力を入れていない企業も含めた分析や、オススメの定着施策についても解析しています。ぜひご参考ください。
オンボーディング施策 | 影響を及ぼす成果変数 |
---|---|
人事と中途入社者の定期的な面談(β=.246) | ★中途入社者の離職率の低下 |
メンターや相談役などの支援制度(β=.211) | ★中途入社者のパフォーマンスの向上 |
メンターや相談役などの支援制度(β=.216) 上司など受け入れ側に対する教育(β=.172) |
中途採用活動へのアピール |
人事と中途入社者の定期的な面談(β=.232) メンターや相談役などの支援制度(β=.205) |
オンボーディングの課題の明確化 |
上司など受け入れ側に対する教育(β=.219) メンターや相談役などの支援制度(β=.180) |
中途採用者の所属部門の業績向上 |
メンターや相談役などの支援制度(β=.245) 上司と中途入社者の定期的な面談(β=.165) 入社1ヶ月以内の導入研修(β=-.165) |
中途入社者の配属された職場のコミュニケーションの活性化 |
順位 | オンボーディング施策 | 頻出 回数 |
---|---|---|
1位 | メンターや相談役などの支援制度 | 5回 |
2位 | 上司など受け入れ側に対する教育 | 2回 |
3位 | 人事と中途入社者の定期的な面談 | 2回 |
4位 | 上司と中途入社者の定期的な面談 | 1回 |
マイナスの影響 | 入社1ヶ月以内の導入研修 | 1回 |
オンボーディング施策 | 成果変数 |
---|---|
職場内コミュニケーションの活性化の推進(β=.160) 人事と中途入社者の定期的な面談(β=.118) |
中途入社者の定着率 |
職場内コミュニケーションの活性化の推進(β=.203) 上司と中途入社者の定期的な面談(β=.157) |
中途入社者のパフォーマンス |
企業 規模 |
企業数 | 平均値 | 標準 偏差 |
|
---|---|---|---|---|
中途入社者定着率 | 1~ 99名 |
221 | 2.95 | 1.098 |
100~ 999名 |
162 | 3.08 | 0.946 | |
1000 名以上 |
33 | 2.79 | 1.053 | |
中途入社者パフォーマンス | 1~ 99名 |
221 | 3.07 | 0.769 |
100~ 999名 |
162 | 3.16 | 0.649 | |
1000 名以上 |
33 | 3.15 | 0.619 |
オンボーディング施策 | 考慮点 | |
---|---|---|
1. メンターや相談役などの支援制度 | 誰をメンターや相談役にするか。 | |
2. 上司と中途入社者の定期的な面談 | 面談内容のデザイン(人事面談との役割分担)。 | |
3. 人事と中途入社者の定期的な面談 | 面談内容のデザイン(上司面談との役割分担)。 | |
4. 上司など受け入れ側に対する教育 | どのような教育をするか。その内容が重要。 | 同時に指導することが可能。 |
5.職場内コミュニケーションの活性化の推進 | どのようにコミュニケーションを活性化させるか。場の設定など。 |