採用活動の本来のゴールとは、採用した人材が入社後に活躍すること。一見、「優秀な人材を採用」することがゴールだと思われがちですが、採用だけではスタート地点に立った段階に過ぎません。優秀な人材が入社し、期待以上の成長を遂げて成果を上げ、活躍できるようにするまでが、採用活動で目指すべきゴールです。
しかし、中途採用市場が活性化し、人材の出入りが激しい現在、せっかく採用した人材の早期離職も増えています。採用のゴールである人材の定着、活躍を促すために、企業が今すべきことは何なのか、今回の特集で検討します。ぜひ、参考にしてください。
まずは、以前に調査した企業へのアンケート結果を確認します。社員の入社3年後の離職率について伺った本調査。もっとも回答が多かった離職率は「1~5%」約4割。次いで「6~10%」13%、そして「31%以上」が11%となっています。採用人数の差異はあれど、これだけの割合の人材が、定着できずに3年間という早期で退職していることが見て取れます。では、一方の退職した人に聞いた、退職理由についてのデータを見てみましょう。
上記は、退職経験のある求職者に聞いた「ホンネの退職理由」となります。1位は「人間関係が悪かった」25%。2位は「評価・人事制度への不満」。3位は同率で「給与が低い」「社風や風土が合わなかった」「拘束時間が長かった」という回答になりました。退職理由の多くは、入社後に起こるギャップに起因していることが見て取れる結果です。もし入社前に、人間関係がわかっていたら、評価・人事制度や給与・社風・勤務時間について理解していたら、退職しなかった可能性もあったはず。思い込みや勘違い、属人的な要因はもちろんあるものの、「入社後ギャップを防ぐ」ことが、採用した人材を定着・活躍させる上で外せないキーワードとなります。