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2025年は、労働市場にとって「流動性の低下」が見られる一年となりました。全体の有効求人倍率は1.22倍と、コロナ禍前の水準(2019年:1.60倍)には遠く及ばず、2年連続で低下。これは景気後退ではなく、「現職への定着率向上」や「企業の採用余力の低下」が影響しています。
最低賃金の引き上げや物価高騰によって、企業は「省人化」が迫られる状況。同時に、従業員の定着が進み、皮肉にも労働市場に新たな求職者が出にくい状況が生まれています。2026年の採用は、こうした「今まで以上に動かない求職者」をどう振り向かせるかという、より高度な戦略が求められる一年になるでしょう。
そこで今回は、「[2026年版]採用難易度レポート」と題し、採用戦略検討に役立つ東京・愛知・大阪・福岡・札幌の各種データをお届けします。ぜひご活用ください。
※厚生労働省 ※令和7年(2025年)12月分 (2026年1月30日公表)
有効求人倍率(パートタイムを含む一般)/2025年の月別の数値は季節調整値
厚生労働省が発表した2025年の平均有効求人倍率は「1.22倍」。前年の1.25倍から微減しました。コロナ禍前の2019年の「1.60倍」には遠く及ばない状況です。
前提として、求職者数が減少(前年比1.2%減)傾向にあり、完全失業率は2.5%と低水準で安定。賃上げなどの待遇改善が進んだことで、今の職場に留まる動きが強まり、転職市場に流入する人の減少につながっています。
また、有効求人数が3.5%減と、企業側での求人控えも見られました。物価高騰によるコスト増に加え、継続的な最低賃金の引き上げが企業の採用意欲を一部抑制。人手不足を背景としたDX(省人化・自動化)への投資が進んだことも、単純労働力の求人減に寄与しています。
求人数が増加している業種は、教育・学習支援(4.0%増)、製造業(1.6%増 ※円安による輸出好調が背景)。逆に減少が見られる業種は、情報通信業(10.5%減)、宿泊・飲食サービス(7.0%減)、卸売・小売業(6.5%減)でした。
情報通信業の大幅な減少は、エンジニアバブルの一段落と、厳選採用への移行を示唆しています。宿泊・飲食については、地政学リスク(渡航自粛の影響等)への懸念が含まれていますが、現状では大きな落ち込みには至っていないという見解です。
| 北海道 | 青森 | 岩手 | 宮城 | 秋田 | 山形 | 福島 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月 | 1.09 | 1.28 | 1.30 | 1.31 | 1.44 | 1.48 | 1.47 |
| 2024年12月 | 1.08 | 1.21 | 1.29 | 1.22 | 1.40 | 1.47 | 1.39 |
| 2025年12月 | 1.00 | 1.21 | 1.17 | 1.18 | 1.33 | 1.40 | 1.33 |
| 茨城 | 栃木 | 群馬 | 埼玉 | 千葉 | 東京 | 神奈川 | 山梨 | 長野 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月 | 1.52 | 1.21 | 1.46 | 1.15 | 1.19 | 1.14 | 1.09 | 1.41 | 1.50 |
| 2024年12月 | 1.52 | 1.31 | 1.42 | 1.21 | 1.26 | 1.12 | 1.10 | 1.52 | 1.43 |
| 2025年12月 | 1.34 | 1.26 | 1.37 | 1.10 | 1.25 | 1.09 | 1.04 | 1.56 | 1.40 |
| 新潟 | 富山 | 石川 | 福井 | 岐阜 | 静岡 | 愛知 | 三重 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月 | 1.52 | 1.59 | 1.43 | 1.92 | 1.60 | 1.32 | 1.29 | 1.46 |
| 2024年12月 | 1.50 | 1.55 | 1.51 | 1.90 | 1.56 | 1.22 | 1.25 | 1.33 |
| 2025年12月 | 1.41 | 1.65 | 1.44 | 1.80 | 1.46 | 1.19 | 1.21 | 1.38 |
| 滋賀 | 京都 | 大阪 | 兵庫 | 奈良 | 和歌山 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月 | 1.26 | 1.19 | 1.06 | 1.14 | 1.29 | 1.20 |
| 2024年12月 | 1.30 | 1.28 | 1.07 | 1.13 | 1.36 | 1.22 |
| 2025年12月 | 1.36 | 1.26 | 0.99 | 1.09 | 1.27 | 1.07 |
| 鳥取 | 島根 | 岡山 | 広島 | 山口 | 徳島 | 香川 | 愛媛 | 高知 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月 | 1.44 | 1.62 | 1.48 | 1.38 | 1.72 | 1.29 | 1.54 | 1.44 | 1.13 |
| 2024年12月 | 1.48 | 1.54 | 1.39 | 1.29 | 1.63 | 1.26 | 1.61 | 1.49 | 1.18 |
| 2025年12月 | 1.39 | 1.52 | 1.36 | 1.29 | 1.47 | 1.28 | 1.54 | 1.51 | 1.20 |
| 福岡 | 佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月 | 1.13 | 1.52 | 1.36 | 1.42 | 1.57 | 1.44 | 1.27 | 1.14 |
| 2024年12月 | 1.06 | 1.46 | 1.36 | 1.34 | 1.55 | 1.40 | 1.21 | 1.11 |
| 2025年12月 | 0.98 | 1.32 | 1.20 | 1.24 | 1.34 | 1.24 | 1.11 | 1.08 |
※厚生労働省 2025年12月 都道府県(就業地)別 労働市場関係指標(実数、季節調整値))
※都道府県別の有効求人倍率は、「就業地別」の調査結果データを採用しています。「受理地別」の調査結果と比較して、より各都道府県の就業数に即した数値となっております。ご了承ください。
ここからは、いよいよ本題となる全国47都道府県の有効求人倍率の推移を確認していきましょう。 2025年12月時点では、東京は「1.09倍」 、愛知「1.21倍」、大阪「0.99倍」、福岡「0.98倍」、北海道「1.00倍」となりました。有効求人倍率がもっとも高かったのは福井の「1.80倍」、最低は福岡県となっています。
| 2023年 12月 |
2024年 12月 |
2025年 12月 |
|
|---|---|---|---|
| 全職種(職業計) | 1.30 | 1.32 | 1.26 |
| 営業の職業 | 2.42 | 2.52 | 2.35 |
| 一般事務の職業 | 0.35 | 0.35 | 0.33 |
| 商品販売の職業 | 2.01 | 2.16 | 2.00 |
| 接客・給仕の職業 | 2.30 | 2.06 | 1.71 |
| 介護サービスの職業 | 3.70 | 3.84 | 3.64 |
| ITエンジニア(情報処理・通信技術者) | 1.71 | 1.74 | 1.65 |
| 建築・土木・測量技術者 | 7.29 | 7.38 | 7.50 |
| クリエイター(美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者) | 0.17 | 0.16 | 0.15 |
| ドライバー(自動車運転の職業) | 2.90 | 3.01 | 2.91 |
| 運搬・清掃・包装等の職業 | 0.74 | 0.73 | 0.70 |
※厚生労働省 2025年12月 第21表-14 職業別有効求人倍率(パート除く常用)
代表的な10職種の有効求人倍率の推移を確認します。
| 東京都 |
|---|
| 職種 | 有効 求人数 |
有効 求職者数 |
求人 倍率 |
全国 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 営業の職業 | 13,867 | 4,846 | 2.86 | 2.35 |
| 一般事務員 | 15,387 | 34,734 | 0.44 | 0.33 |
| 商品販売の職業 | 8,799 | 2,497 | 3.52 | 2.00 |
| 接客・給仕の職業 | 6,352 | 1,911 | 3.32 | 1.71 |
| 福祉関連の職業 | 30,523 | 5,133 | 5.95 | 3.64 |
| IT技術関連 | 22,711 | 7,007 | 3.24 | 1.65 |
| 建築・土木・測量技術者 | 6,775 | 907 | 7.47 | 7.50 |
| デザイナー等 | 692 | 3,902 | 0.18 | 0.15 |
| 自動車運転の職業 | 8,064 | 1,881 | 4.29 | 2.91 |
| 運搬・清掃・包装等従事者 | 6,639 | 7,098 | 0.94 | 0.70 |
(引用)東京労働局HP 求人・求職バランスシート (2025年12月分)一般常用
2025年12月の東京都の有効求人倍率は「1.09倍」となりました。前年同月からは0.03ポイント下落しています。
| 愛知県 |
|---|
| 職種 | 有効 求人数 |
有効 求職者数 |
求人 倍率 |
全国 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 営業の職業 | 6,443 | 1,582 | 4.07 | 2.35 |
| 一般事務員 | 6,261 | 17,782 | 0.35 | 0.33 |
| 商品販売の職業 | 4,817 | 2,262 | 2.13 | 2.00 |
| 接客・給仕の職業 | 2,947 | 1,239 | 2.38 | 1.71 |
| 福祉関連計 | 21,477 | 4,987 | 4.31 | 3.64 |
| IT関連計 | 4,978 | 2,776 | 1.79 | 1.65 |
| 建築・土木・測量技術者 | 3,162 | 406 | 7.79 | 7.50 |
| 美術家、デザイナー等 | 166 | 1,205 | 0.14 | 0.15 |
| 自動車運転の職業 | 7,198 | 1,908 | 3.77 | 2.91 |
| 運搬・清掃等の職業 | 8,500 | 14,699 | 0.58 | 0.70 |
(引用)愛知労働局HP 求人・求職バランスシート (2025年12月分)(パートタイムを含む常用)
愛知県の有効求人倍率は「1.21倍」となり、主要都市で最も高い水準を維持していますが、前年よりは低下しています。
| 大阪府 |
|---|
| 職種 | 有効 求人数 |
有効 求職者数 |
求人 倍率 |
全国 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 営業の職業 | 6,510 | 3,630 | 1.79 | 2.35 |
| 一般事務・秘書・受付の職業 | 2,406 | 15,591 | 0.15 | 0.33 |
| 販売員 | 4,008 | 2,283 | 1.76 | 2.00 |
| 接客・給仕の職業 | 2,851 | 1,615 | 1.77 | 1.71 |
| 福祉・介護の職業 | 14,532 | 4,089 | 3.55 | 3.64 |
| 情報処理・通信技術者(ソフト開発) | 4,195 | 2,137 | 1.96 | 1.65 |
| 建築・土木・測量技術者 | 3,975 | 715 | 5.56 | 7.50 |
| デザイナー | 258 | 2,044 | 0.13 | 0.15 |
| 配送・輸送・機械運転の職業 | 9,031 | 4,482 | 2.01 | 2.91 |
| 運搬・清掃・包装・選別等の職業 | 4,206 | 6,946 | 0.61 | 0.70 |
(引用)大阪労働局HP 求人求職バランスシート※フルタイム (2025年12月分)
主要都市の中で福岡県と共に有効求人倍率が1倍を下回った大阪府。「万博後の需要一巡」と「コスト高による建設・製造業の採用抑制」が要因とされています。
| 福岡県 |
|---|
| 職種 | 有効 求人数 |
有効 求職者数 |
求人 倍率 |
全国 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 営業の職業 | 1,854 | 1,246 | 1.49 | 2.35 |
| 一般事務・医療事務等 | 712 | 7,430 | 0.10 | 0.33 |
| 商品販売 | 937 | 845 | 1.11 | 2.00 |
| 接客・給仕 | 570 | 456 | 1.25 | 1.71 |
| 介護サービスの職業 | 1,888 | 756 | 2.50 | 3.64 |
| 情報処理・通信技術者 | 1,669 | 1,216 | 1.37 | 1.65 |
| 建築・土木・測量技術者 | 1,314 | 248 | 5.30 | 7.50 |
| 美術家、デザイナー等 | 89 | 874 | 0.10 | 0.15 |
| 自動車運転 | 1,503 | 581 | 2.59 | 2.91 |
| 運搬・配達・倉庫作業員等 | 766 | 811 | 0.94 | 0.70 |
(引用)福岡労働局HP 求人求職バランスシート※常用・フルタイム(2025年12月分)
福岡県の有効求人倍率は、「0.98倍」となりました。昨年同様、全国でもっとも有効求人倍率が低い状況になっています。
福岡労働局の分析では、福岡県が「全国最低水準」の倍率になるのは、求人が少ないからだけではなく、「求職者が増え続けている」というポジティブかつ特殊な事情があるとのこと。
| 札幌圏 |
|---|
| 職種 | 有効 求人数 |
有効 求職者数 |
求人 倍率 |
全国 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 営業の職業 | 1,043 | 656 | 1.59 | 2.35 |
| 一般事務・医療事務等 | 1,595 | 5,740 | 0.28 | 0.33 |
| 商品販売 | 930 | 708 | 1.31 | 2.00 |
| 接客・給仕 | 523 | 407 | 1.29 | 1.71 |
| 介護サービスの職業 | 2,466 | 692 | 3.56 | 3.64 |
| 情報処理・通信技術者 | 890 | 798 | 1.12 | 1.65 |
| 建築・土木・測量技術者 | 1,113 | 219 | 5.08 | 7.50 |
| 美術家、デザイナー等 | ― | ― | ― | 0.15 |
| 自動車運転 | 1,397 | 491 | 2.85 | 2.91 |
| 運搬・配達・倉庫作業員等 | 699 | 572 | 1.22 | 0.70 |
(引用)ハローワーク札幌HP 【職業別】求人・求職のバランスシート※常用・フルタイム(2025年12月分)
北海道の有効求人倍率は、「1.00倍」となりました。1年前の同月からは0.08ポイント低下しています。
[2026年版]採用難易度レポートは、いかがだったでしょうか?
2026年の採用市場は、有効求人倍率の低下という数字だけでは見えない「市場の流動性の低下」という難題に直面しています。倍率の数字は見つつ、「動きが鈍くなった求職者を、いかに自社に振り向かせるか」という姿勢こそが、採用成功を引き寄せる鍵となるはずです。
本特集が、具体的な施策を考えるきっかけとなれば幸いです。ぜひ、貴社の採用活動にお役立てください。