2018年1月22日より、第196回通常国会が始まり、「働き方改革」に関する審議が連日のように報道されています。同一労働同一賃金、残業規制他、与党の目指す「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」となるかどうか、注目が集まっています。
しかし、これらはまだまだ審議中の話。経営者や人事業務担当者から「直近で施行される法改正や、企業側での対応が早急に必要な法律に関して知りたい」という声を、多く聞きます。
そこで今回は、「[2018年]経営者・人事が知るべき法改正」と題し、今年話題の無期転換ルールを中心に、4つの法律の変更ポイントをご紹介します。ぜひご参考ください。
経営者・人事が知るべき法改正において、直近でもっとも大きなものは、この「改正労働契約法」と言って過言ではないでしょう。雇用の2018年問題とも呼ばれ、アルバイト、パート、契約社員など、これまで有期で雇用していた社員が、無期限雇用に転換できるルールです。アルバイト社員の比率が多い企業や、業界には大きな影響が見込まれています。小規模企業においても、長年勤めるようなアルバイト、パート社員の方が存在しており、無期転換ルールの対象者となる可能性があります。まずは、無期転換ルールの内容を確認していきましょう。
無期転換ルールの概要
POINT!
有期雇用の社員とは、1年や3ヶ月単位の有限期間での労働契約をしている、一般的に「アルバイト」「パートタイマー」「契約社員」と呼ばれる社員です。厚生労働省の調査では全国で1500万人いるとされ、その内の約3割が通算5年を超えて、有期労働契約を反復更新している状況。雇止め不安の解消、処遇の改善に向けて、制定されたのが「無期転換ルール」です。
無期転換ルールの流れと注意点
無期転換の申し込みのために、必要な有期契約期間は、2013年4月1日以降に「開始した」有期労働契約を起算日とします。(契約開始日が2013年4月1日以前の場合は、以前の部分通算期間に含まれません)
対象者からの、無期転換への申し込み期限は、通算5年を超えた契約期間中であれば、その契約が終了するまでの間、いつでも無期転換の申し込みが可能です。
無期転換ルールを避けるための企業側からの雇止めは、トラブルに繋がる可能性があります。有期雇用契約の満了前に更新の上限などを一方的に設けても、雇止めをすることは許されない場合があります。ご注意ください。