人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
内定者研修に向かう途中で内定者が事故に巻き込まれた場合、労災保険は適用されますか?
採用内定者に対して、業務知識のための研修や、
現場配属の前に会社の雰囲気になじむために
アルバイト期間を設ける場合があるかと思いますが、
「労働性」があれば労災の対象となります。
一般的に労働性の有無は、以下の2点から判断されます。
(1)労務の提供がなされているかどうか
(2)労務の提供に対する報酬が支払われているかどうか
研修の場合は、参加が義務づけられていて
会社の業務指示に基づいて行われていたり、
研修内容が会社の本来業務の遂行を含むような場合には
労働性があるといえます。
また、たとえ1日でもアルバイトのように
賃金が支払われる関係(労働基準法上の労働者とみなされる場合)は
保険対象者となります。しかし、学生に対して行う
報酬のないインターンシップの場合、企業と学生は労働関係に
入らないため、上記の「労働性」が認められず、
労災は受けられないことになります。
今回は研修に向かう途中ということですが、
労働者が、(1)「就業に関し」、(2)「住居と就業の場所との間を」、
(3)「合理的な経路および方法により往復」していたと認定されれば、
保護通勤災害として労災保険の給付が受けられます。
会社から研修会場への移動中であっても労災としての保護が受けられます。
しかし、もしこの内定者が通勤経路を外れたり、
通勤の途中で通勤をいったん中断して通勤と関係ない行為をした場合には、
労災と認められませんので、まず的確な状況把握が必要です。