人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
社員の健康を考え、職場の熱中症対策に関して、教えてください。
熱中症とは、高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。
めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・けいれん・手足の運動障害、高体温などの症状が現れます。
熱中症を生じやすい条件は、環境、作業、人に分けて考えることができます。
●まず、熱中症が生じやすい環境とは、高温・多湿で、
発熱体から放射される赤外線による熱があり、無風な状態です。
このような環境では、汗が蒸発しにくくなり、体温の調節には無効な発汗が
増えて、脱水状態に陥りやすくなります。
●熱中症が生じやすい典型的な作業とは、作業を始めた初日に
身体への負荷が大きく、休憩を取らずに長時間にわたり連続して
行う作業です。
●加えて、通気性や透湿性の悪い衣服や保護具を着用して行う作業では、
汗をかいても体温を下げる効果が期待できず、熱中症が生じやすくなります。
梅雨から夏季になる時期で急に暑くなった作業などでも熱中症が生じやすくなります。
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近年、職場には空調が普及したにもかかわらず、熱中症による死亡災害の発生数は、高止まりの状態です。
例年、6月から9月に集中しています。これらの災害の中には気温が30℃未満でも、湿度が高いときに発生した例があります。また、北海道や東北地方を含めて、全国で発生しています。高温で多湿な時(蒸し暑い時)には、どの地域でも十分な注意が必要です。
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職場における熱中症の予防について
1.暑さ指数(WBGT)の活用
2.作業環境管理
作業場所の冷房等による暑さ指数(WBGT)の低減、休憩場所の整備等を図ります。
3 作業管理
・休憩時間等を確保すること、身体作業強度が高い作業を避けること
などの対策に努めます。
・熱への順化の有無が熱中症の発生リスクに大きく影響することから、
計画的に、熱への順化期間を設けることが望ましいところです。
・自覚症状の有無にかかわらず水分・塩分の作業前後及び
作業中の定期的な摂取の徹底を図ります。
このため、摂取を確認する表の作成、巡視などを行います。
・透湿性及び通気性の良い服装等を着用させます。
4.健康管理
・糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全等は熱中症の発症に影響を
与えるおそれのあることから、健康診断の実施、異常所見に対する
医師等の意見の聴取、当該意見を勘案した就業場所の変更等の適切な措置の
徹底を図ります。
・上記疾患治療中等の労働者については、産業医、主治医等の意見を勘案して、
必要に応じて、就業場所の変更、作業の転換等の適切な措置を講じます。
・労働者に対して、上記疾患治療中等の場合は熱中症予防のため対応が
必要であることを教示するとともに、対応が必要と判断した場合などには
申し出るよう指導します。
・睡眠不足、体調不良、前日等の飲酒、朝食の未摂取等が熱中症の発症に
影響を与えるおそれがあることから、日常の健康管理の指導、必要に応じ
健康相談を行います。
・作業開始前、作業中の巡視による労働者の健康状態の確認等を行います。
詳細は下記もご参照下さい。
※引用
熱中症環境保健マニュアル
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/3-4.pdf