人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
明確な理由なく、人事異動を拒む社員にはどのような対応をすべきでしょうか。
貴社の就業規則に人事異動についての定めがあり、また今回の異動に業務上の必要性があれば、原則、配転命令は人事権の範囲と考えられています。
対応については、この社員を貴社がどうしたいかによると思います。
異動命令を拒否した者の処分は断固として行なう、というお考えでしたら、やや極端ですが「業務命令違反」による懲戒処分扱いもできなくはありません。ただ、懲戒解雇扱いは労働者への不利益が大きいので、自己都合退職を促がす方が穏便でしょう。
会社として欠かざる人材である場合には、まずは、該当社員の方に拒否権がないことを説明した上で、異動を拒む理由を聞き出し、再度説得にあたってみるしかないと思います。
特に、家族の介護や、家庭内での病児対応など、異動や転勤によって「労働者が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益がある」と判断され、転勤拒否が認められた判例もあり、社員の状況は正確に把握しておくことが重要です。
とはいえ、妥当な理由なく拒否した社員をそのままにすると、それが前例となってしまいますので、前例として耐えうる対応をご判断いただければと思います。