人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
給与振込みの金額を間違えて過払いをしてしまいました。遡って返還を請求できますか?
給与が過払いされた場合、会社から過払いを受けた本人に対し、不当利得返還請求権が生じるため、会社や給与担当者に過失がある場合でも返還の請求は可能です。
遡って返還を請求できる期間は、原則として時効10年と考えられています。(逆に、労働者から会社への未払い賃金(退職金を除く)の請求権の時効は2年)
返還方法としては、労働基準法では「賃金の全額払い」が定められているため、原則として、賃金から過払い部分を控除することはできませんが、過払い部分を賃金から控除するという内容の労使協定を締結している場合、例外として控除が認められます。
また、判例では、本人の経済生活の安定を害さない場合や、本人の自由な意思に基づいてされた同意がある場合は、賃金から控除することも認められたケースがあります。しかし、トラブルにならないよう、十分に注意する必要があるでしょう。
<監修>-------------------------------------------------------------
手塚伸弥|『人事のミカタ』編集長/第二種衛生管理者/認定心理士
2001年から人材系企業にて求人広告・採用広報ツールなどのコピーライター、クリエイティブディレクターを経て、2014年エン・ジャパン入社。以後、編集長として採用・人事労務・雇用関連の調査や情報発信を行なう。
-------------------------------------------------------------