人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
弊社では【全国転勤ありの総合職】と【転勤なしの一般職】に職制をわけて、本人に選択させています。「全国転勤ありの総合職」を選択した社員の中に、育休中の者がいるのですが、その者に転勤を命じることに問題はあるのでしょうか。
育児休業中の社員に転勤命令等の辞令を発令することは、実質難しいといえるでしょう。
育児休業終了後の職場復帰の際、転勤を命じることは可能ですが、育児・介護休業法10条(不利益取扱いの禁止)、26条(労働者の配置に関する配慮)により“会社は労働者が育児休業をしたことによって、不利益な扱いをしてはいけないこと”とされています。
実際、社員が育児休業が終了し、職場復帰をしても、お子様の養育は継続して行われるものです。そのような状況の中、転居を伴う転勤を命じることは、一般的に“不利益な扱い”と捉えられる可能性があります。
例えば、事業不振により対象の社員が所属していた部署がなくなり、配置転換も不可能で、解雇を回避する手段とし他に選択肢がなく、転勤命令を発する場合は、直ちに不利益な扱いではありませんが、法的に有効となるかの判断は見解が分かれるところです。
会社は、育児休業を終了した社員について、その社員の状況を考慮し、職場環境に配慮しなければなりません。