人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
弊社では、残業時間が80時間以上の社員に対して、産業医面談を実施しています。1ヶ月後に自己都合退職が決定している社員の残業時間が、80時間超えで面談対象者になってしまいました。この場合、産業医面談は必要でしょうか。
労働安全衛生法では、2~6ヶ月間のいずれかの月平均の時間外・休日労働が80時間を超える場合、ご本人の申し出により、面接指導、または面接指導に準ずる措置を行うことと定められています。会社独自に定めた基準が法定以上であれば、会社の基準に該当次第、面談の実施を行う必要があります。退職予定者の扱いについて、労働安全衛生法では特に触れていないため会社独自のルールとして退職予定者についても定めておくとよいでしょう。
最近では精神面に対する安全配慮義務が問われることが増えています。過重労働による精神疾患により、就業困難な状態になったり、万が一自殺した場合など、退職後であっても、在職中の会社の安全配慮義務が問われるため、退職予定者であっても面接指導を行うほうが宜しいと考えます。
また、雇用保険の失業給付では、退職前の直近3か月の時間外労働時間が45時間を超えている場合、自己都合退職であっても、特定受給資格者として手厚い給付が受けられる事から、退職後に離職理由の変更に関する申し出をされるケースがあります。トラブルとなる可能性を踏まえ、会社として退職日まで必要な措置を講ずるよう努めるとよいでしょう。