人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
退職社員が、退職希望1ヶ月前に退職願いを出しました。併せて、有休が残っているために有休届を出しました。そうすると、退職までの1ヶ月は出勤しないことになり、後任への引継ぎができない状態になります。こうした場合でも、引き継ぎをしないまま有休を認めないといけないのでしょうか?
年次有給休暇は原則として自由に取得できますが、
会社は事業の正常な運営を妨げる場合のみ、
例外的に年次有給休暇の取得日を変更させることができます。
この「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、
業務繁忙期に請求があったような場合や、
同じ時期に請求が集中したような場合に限定されています。
また、行政の通達では、年次有給休暇と解雇に関して、
解雇予定日を超えての時季変更はできないとしているため、
退職についても退職日を超えて変更することはできず
年次有給休暇の取得を認めなくてはならないと考えます。
一方、年次有給休暇とは、心身の疲労を回復し
ゆとりある生活を保障するために付与される休暇であり、
継続して勤務している期間に取得することが本来の目的です。
今回のように、引き継ぎをせず業務に支障をきたすようでは、
会社として正常な運営ができない状況にあると考えます。
就業規則に退職時の引き継ぎルールを定めてあれば、
一定程度の強制権があるともいえますが、
規定されていないとしてもまずは業務引き継ぎを優先するようにします。
ただし退職に至るまで業務都合により年次有給休暇の取得が
できにくい状況が続いていたようであれば、申し出のあった
年次有給休暇日数分の請求を認めざるを得ない場合もあります。
今後トラブルを防止するために、就業規則に退職時の業務の
引き継ぎについてのルールを定め、守れない場合は懲戒処分の
対象となる旨を明記することをお勧めします。
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