人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
休業手当を支払う事態になったのですが、出来高制で働いている社員については、いくら支払えば良いのでしょうか?
休業手当は、平均賃金の6割以上とされており(労働基準法第26条)、平均賃金計算方法は、原則として直近の3ヶ月間(賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日から3ヶ月)の賃金総額を、その3ヶ月間の暦日数で割ったものになります。
平均賃金 = 3ヶ月の賃金総額 ÷ 3ヶ月間の暦日数
≪賃金総額に含まれるもの≫
・通勤手当
・精皆勤手当
・年次有給休暇の賃金
・通勤定期券代および昼食料補助など
(6か月分の通勤定期なども1ヵ月に支払われたとみなします)
≪賃金総額に含まれないもの≫
・臨時に支払われた賃金(慶弔見舞金、私傷病手当、退職金等)
・賞与など3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
ご質問の出来高払制などは、出来高が少ない場合でも実際の収入額が低下することを防ぐために、使用者は労働時間に応じ一定額の賃金保障をしなければならないとされており(労働基準法第27条)、以下の計算方法で算出した額と、原則での計算方法で算出した額を比較して、高い方が平均賃金となります。
平均賃金 = 直前3ヶ月の支給総額 ÷ 3ヶ月の労働日数 × 0.6
例)直近の3ヶ月間(直前の賃金締切日から3ヶ月)での労働日数が
60日、出来高払の支給総額が90万円、暦日数90日の場合
平均賃金 = 900,000円 ÷ 60日 × 0.6 = 9,000円
原則の計算方法による平均賃金 = 900,000円 ÷ 90日 = 10,000
例題では、原則での計算方法による平均賃金額が出来高払時の計算方法による平均賃金額よりも高くなりましたので、この場合は、10,000円の6割以上、つまり6000円以上の休業手当を支払うことになります。