人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
弊社では店舗販売スタッフの半数が契約社員です。雇用契約は1年更新で、契約書には特記事項として「勤務店舗閉鎖(閉店)の際は契約終了とする」と明記していますが、実際は本人に他店への異動を打診し、承諾されれば異動・契約更新が通例です。契約更新はほぼ自動的で、雇用が継続されるもの、という暗黙の了解があります。
この場合、勤務地閉鎖に伴って契約終了としても問題はないのでしょうか?契約終了するには、最低限何週間くらいの猶予を持って本人に説明をすれば良いのか、また契約社員が辞めたくないと言ってきた場合にはどう対応すればいいのか、教えてください。
契約書には特記事項として「勤務店閉鎖時の契約終了」を明記しているとのことですが、一方で、契約更新は自動的であり、また雇用の継続も暗黙の了解となっている実態がある場合には、実質的に正社員同様とみなします。よって「解雇の問題」が発生することとなります。
契約社員のような有期雇用契約で、契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている場合に、これ以上契約を更新しないとする際には、少なくとも契約期間が満了する日の30日前までに、満了の予告をしなければなりません。
つまりご質問の勤務店舗閉鎖にあたっては、少なくとも30日前までに予告をするか、予告に代わる解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければいけません。(労働基準法20条)
契約社員が退職を拒否してきた場合ですが、まずは他店への異動を希望するか打診をするのがよろしいかと思います。元々の雇用契約で勤務地を限定しての雇用とはなっていますので、契約更新の問題がなければ、就業場所がなくなる事により会社都合による契約終了としても「やむを得ない事情」に相当するものと考えてよいでしょう。