契約期間途中での退職の申し出を断ることはできますか？

労働契約に期間の定めがあるときは、「契約を続けられないやむを得ない事由があるとき」を除き、原則として労働者も使用者も共に契約期間満了前に契約を解約することはできません。

やむを得ない事由とは、使用者が労働契約締結時に明示した労働条件と実状が異なっていたとき、労働者自身のケガや病気、労働者の家族の看病などで労務を提供することができなくなったときなどを指します。

よって退職の申し出を断ることができるかどうかは、社員の方が退職を申し出た理由次第ということになります。理由が「やむを得ない事由」に当たらない場合であれば、退職の申し出を拒否すること、また解約によって何かしらの損害が発生した際には損害賠償を請求することも可能です。ただし賠償義務は具体的な損害が出てから発生するものであり、使用者が損害を回避する努力をしたかも問われますので、まずは社員の方と充分に話し合って頂き、相互に理解を深めた上で対処を決められることをおすすめします。