人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
景気のあおりを受け、支社を閉鎖することになりました。支社で働いていた社員に本社への異動を命じたのですが、交通費が当社の規定である、1万5千円を超える社員がいます。
社員には、規定通り1万5千円までの支給しかできないと伝えているのですが、社員は、入社時に異動の可能性の話を特に聞いていなかったので、納得できないと言っています。確かに異動の可能性があるという話をしていなかったので、こういった場合、やはり社員の要望通りに交通費全額支払うべきなのでしょうか?
まず、異動辞令についてですが、就業規則等で配転規定があり、所属先の支社の機能が本社へ集約することに伴う異動命令であれば、業務上の必要性があるので、不当な動機、目的は認められないと考えます。そもそも、本事案は景気影響による支社廃止という必然的理由による配置換えですので、違法性を問われる内容ではないと思われます。
次に、通勤交通費についてですが、労働基準法には交通費の支給を会社・雇用者に義務付けるような規定はありません。従って、交通費をどれくらい、どのような条件で支給するかについては、会社が自由に決める事ができます。社員の方が「納得できない」とおっしゃっているのは、こうしたルールをご存知ないことも影響していると思いますので、まず、これらを説明されてはいかがでしょうか。そのうえで、交通費を全額支払うかどうかは、貴社次第で、払わなければならない、ということはありません。