人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
レジャー施設を運営していますが、かき入れ時である7月・8月の繁忙期を目前に、現場の主力社員から「6月末で辞めたい」と申し出がありました。
現在、後任もおらず、このタイミングで辞められると営業に甚大な支障が出ます。就業規則には「退職は1ヶ月前に申し出ること」とありますが、それを踏まえても「繁忙期が終わる9月まで退職を認めない」と強制することは可能でしょうか?
日本には「退職の自由」があり、法律(民法)が会社のルール(就業規則)よりも優先されるためです。
正社員のような期間の定めのない雇用契約の場合、従業員はいつでも解約の申し入れをすることができ、申し入れの日から「2週間」が経過すれば、会社の承諾がなくても雇用関係は終了します。
就業規則に「1ヶ月前」「3ヶ月前」と記載があっても、この2週間の期限を強制的に引き延ばす法的な拘束力は会社にはありません。
また、「後任がいない」「引継ぎが終わっていない」「繁忙期で損害が出る」といった事情は、あくまで会社側の都合とみなされます。これらを理由に退職させないことは、強制労働(労働基準法第5条)に抵触する恐れもあり、非常にリスクが高い行為です。
そのため法的な強制ができない以上、実務では「合意」に向けた交渉が重要になります。
「繁忙期に辞められると困る」という現状を伝え、ボーナスの支給時期や引継ぎ手当の検討、あるいは「8月中旬まで残ってくれたら円満退職として処理する」といった譲歩案を示すなど、本人の合意を得る努力が必要です。
繁忙期のリスクヘッジとしては、日頃から業務の標準化(マニュアル化)を進め、特定の人間に業務が属人化しない体制を築いておくことが、最大の防衛策となります。ぜひ参考にしてください。