人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
6月の賞与を支給した直後に、ある社員から「今月で退職したい」と申し出がありました。
今回の賞与は、今後も継続して勤務し貢献してくれることを期待して支給したものです。
すぐに辞めてしまうのであれば、すでに本人の口座に振り込んだ賞与を返還させたり、あるいは最後に出る給与から差し引いたり(相殺)することは可能でしょうか?
賞与には、将来への期待だけでなく「算定期間中の労働に対する後払い」という性質が含まれています。就業規則の支給条件(支給日に在籍していること等)を満たして有効に支払われた賞与は、その時点で従業員の権利として確定します。
そのため、支給後に退職が決まったからといって、会社側が一方的に「期待外れだった」として返還を求める法的な根拠は認められません。
また、会社側が「不当な利得だ」と主張しても、退職月の給与から賞与分を相殺して支払うことは、労働基準法第24条の「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」という原則に違反します。従業員の同意がない限り、会社が一方的に相殺することは認められません。
感情的には納得がいかない場面もありますが、無理な返還請求や給与天引きは労働基準監督署からの是正勧告や訴訟リスクにつながるため、避けるべきです。ぜひ参考にして下さい。