人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
低い人事評価への腹いせか、特定の上司を狙い撃ちした「パワハラ通報」を繰り返す社員に困っています。調査の結果、内容は事実無根と判明しましたが、本人は「通報者は法律で守られるはずだ」と強気な態度を崩しません。
職場は疑心暗鬼に陥り疲弊していますが、こうした虚偽通報者に対しても処分はできないのでしょうか。
公益通報者保護法において、通報者が保護される要件の一つは「不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的等の不正の目的でないこと」です。したがって、私怨による誹謗中傷や、嫌がらせを目的とした明らかな虚偽通報は、同法の保護対象にはなりません。
対応としては、まず通報内容に対して予断を持たずに調査を行い、客観的な証拠を集めることが不可欠です。調査の結果、通報が全くの事実無根であり、かつ通報者に悪意(不正な目的)があったと断定できる場合に限り、秩序を乱したとして就業規則に則った懲戒処分を検討できます。
注意点として、通報内容の一部に誤りがあっても、通報者が「これは真実だ」と信じるだけの根拠(相当の理由)がある場合は、保護の対象となる可能性が高い点です。
性急に「虚偽通報だ」と決めつけて不利益な扱いをすると、逆に会社側が「通報者への報復」とみなされ法的リスクを負う恐れがあります。まずは「通報窓口の利用ルール」を周知し、虚偽通報は処分の対象になり得ることを事前に明文化しておくことが、抑止力として重要です。