人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
会議中、同僚が意見を出すたびに「それってあなたの感想ですよね?」「データに基づかない意見ですよね?」と反論し、最後に「はい論破!」と口にする若手社員がいます。
彼の指摘は一部的を射ているものの、高圧的な態度で上司や先輩が萎縮してしまい、チームの雰囲気が最悪です。注意しても「事実を述べただけです」と反省の色が見えません。どう指導すればよいでしょうか?
意見に対して反論し、同僚、ひいては上司を「論破」しようとする社員への対応は、その言動の背景を理解することから始める必要があります。
彼らは論理的思考力が高く、非効率なことへの問題意識が強い一方で、組織における協調性やコミュニケーションの重要性への理解が不足している可能性があります。
頭ごなしに叱責するのではなく、ミーティングなど個別の場で、本人の意見を傾聴する姿勢を見せることが大切です。「なぜそう思うのか」「代替案はあるか」を問いかけ、その意見に耳を傾けることで、本人の承認欲求を満たし、冷静な対話の土台を築くことができます。
その上で、以下の点を丁寧に指導していくことが求められます。
●「組織における役割と責任」チームで目標を達成することの重要性や、最終的な意思決定の責任は管理職が負うことを説明し、指示に従う義務があることを理解させる。
●「建設的な提案への転換」意見がある場合は、単に否定や矛盾を指摘するだけでなく、「代替案」や「改善案」をセットで提案するよう指導する。これにより、批判的な姿勢から建設的な姿勢への転換を促します。
●「コミュニケーションのTPO」意見を述べる際は、会議の場や提案制度といった公式なルートを使うこと、また、他者の意見を尊重し、適切な言葉遣いを心がけることなど、ビジネスコミュニケーションの基本を教える。
こうした指導を重ねても、他者への配慮を欠いた言動で職場の秩序を著しく乱す場合は、業務命令として改めるよう指導し、改善が見られない場合は就業規則に則った処分も検討する必要があります。