人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
退職した元従業員が、ネット上のブログやSNSに、退職理由や背景などを文章化して投稿(エントリ)する「退職エントリ」ですが、近年ネガティブな退職理由や在籍していた企業を貶すような内容を投稿することで、炎上する例が多いと感じます。
自社の従業員に、「退職エントリ」を書くことを規定で禁止することはできますか?
SNS上の個人の書き込みを完全に抑制することは難しいですが、ネガティブな書き込み抑止のためにも、就業規則には下記のような内容を盛り込んでおくと良いでしょう。悪質な場合には処分の適用も可能になってきます。
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(個人アカウントでのインターネット上の情報発信)
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第XX条 労働者は、業務遂行上知り得た情報及び会社名を使用してのSNS等のインターネットによる発信に際して、以下に内容に抵触しないようにすることとする。
(1)差別
(2)信用失墜
(3)虚偽
(4)他者の誹謗中傷、批判、名誉毀損
(5)プライバシーの侵害
(6)社内・顧客の個人情報、営業上の機密
2 会社は労働者が前項に該当する情報を発信、開示していることを発見した場合、その削除を求めることがある。会社から削除を求められた労働者は直ちに当該情報の削除に応じなくてはならない。
3 会社は、労働者が前各項に違反したときは、第XX条に基づく懲戒処分を科し、また、当該情報発信により会社に損害を与えた場合は、その損害の賠償を求めることがある。
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また、応募者が前職についての「退職エントリ」を書いていた場合ですが、採用前に履歴書に記載してある企業名から、ネット検索で応募書が退職エントリ等SNSでネガティブな発信をしていないか、確認しておくとよいでしょう。
しかし、それを書いていたからといって、入社拒否というのは事実上難しいと言えます。入社後、上記で上げた就業規則の例文を、「入社時誓約書」に書き込んで見せておくというのも抑止効果という意味ではよろしいかと存じます。
退職エントリでよく見かける、企業にとって不都合な内容としては「求人情報と実際の待遇との乖離」、「長時間労働が蔓延」、「年次有給休暇が取りづらい」、「人事評価への不満」などがあります。このような事が書き込まれないよう、企業側も普段から意識してより良い職場づくりを心掛けましょう。
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<監修>-------------------------------------------------------------
手塚伸弥|『人事のミカタ』編集長/第二種衛生管理者/認定心理士
2001年から人材系企業にて求人広告・採用広報ツールなどのコピーライター、クリエイティブディレクターを経て、2014年エン・ジャパン入社。以後、編集長として採用・人事労務・雇用関連の調査や情報発信を行なう。
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