人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
8月に採用したパート社員が1週間前から連絡がなく無断欠勤となってしまいました。自宅へ行っても留守で、電話も通じません。懲戒解雇よりは自己都合退職として処理したいのですが本人の意思表示が分からない以上それもできません。あまり延ばしたくないのでそろそろ処理したいのですが、どうしたらうまく自己都合退職扱いとしてできるのでしょうか?また、本人と連絡がとれない事を理由に給料の支払いを一時停止し連絡がとれたら給料を支払うということにするのは法律的には大丈夫でしょうか?
まず、「懲戒解雇」という処置は、労働者にとっては極刑と言えます。懲戒解雇が適応できるのは、金品の横領や会計上での不正、重大な過失・犯罪行為などです。長期の無断欠席も理由になり得る場合がありますが、1週間程度では長期とは言えないでしょう。
さて、お尋ねの件のように、無断欠席が続き連絡が取れないというケースでは、就業規則で「行方不明による欠勤が30(~60など)日に及びなお所在不明のときは、その翌日をもって自然退職とする」旨を定めておく方法等が考えられます。こうした定めがないと、自己都合退職にすることは困難です。就業規則の懲戒規定に「無断欠席○日以上」等が解雇理由にある場合も、この意思表示が相手方に達しないと効力が生じないため、配達証明で文書を送るか、住所が分からない場合には公示送達するしかないでしょう。
給与の支払いについてですが、住所は分かっているようですので、給与支払日に現金で支給するので取りにきて欲しいということを文書で通知されてはいかがかと思います。会社として「給与を支払う」という意思表示にもなりますし、取りに来たら来たで、なぜ辞めたのか聞く機会にもなり、今後の早期退職者を減らす対策を講じることができるかと思います。ちなみに、取りに来なかった未払い賃金の時効は2年間です。