「年収の壁」とは、配偶者の扶養に入って働くパート・アルバイト労働者が、一定の年収額を超えてしまうことで、扶養を外れ、社会保険料の負担が発生し、手取り収入が減るというものです。
パート・アルバイト労働者が、配偶者の扶養範囲内に収めようとして、働く時間を減らすことで、企業の人手不足に拍車をかける原因になっており、政府は対策を進めています。
具体的には、短時間労働者が年収の壁を意識せずに働くことができる環境を整備するため、二つの「年収の壁・支援強化パッケージ」施策が実施されます。
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「106万円」の壁対応
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パート・アルバイト労働者の、厚生年金や健康保険の加入に併せて、「手取り収入を減らさない取り組みを実施する企業」に対して、「労働者1人あたり最大50万円を支給」。内訳・メニューは以下の通りです。
＜手当等支給メニュー＞
(1)賃金の15％以上追加支給（社会保険適用促進手当）／1年目20万円
(2)賃金の15％以上追加支給（社会保険適用促進手当）／2年目20万円
3年目以降(3)の取り組みを行なう
(3)賃金の18％以上増額 ／3年目10万円
※大企業の助成額は上記の3/4の額
※1年目に(1)の助成を取得後、2年目に(2)を受けることが可能
※保険適用に伴い、手取り収入を減らさないよう手当を支給した場合、
本人負担分の保険料相当額を上限として、社会保険料の算定はなし
＜労働時間延長メニュー＞
所定老時間の延長 ｜賃金の増額 ｜1人あたり助成額
4時間以上 ｜ ｜30万円
3時間以上4時間未満｜ 5％以上 ｜
2時間以上3時間未満｜ 10％以上 ｜
1時間以上2時間未満｜ 15％以上 ｜
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「130万円」の壁対応
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パート・アルバイト労働者が、繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、「収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、引き続き被扶養者認定が可能」となる仕組み。
パート・アルバイト労働者にとっては、関心の高いテーマですので、問い合わせ等に対応できるよう準備が必要です。
＜監修＞-------------------------------------------------------------
手塚伸弥｜『人事のミカタ』編集長／第二種衛生管理者／認定心理士
2001年から人材系企業にて求人広告・採用広報ツールなどのコピーライター、クリエイティブディレクターを経て、2014年エン・ジャパン入社。以後、編集長として採用・人事労務・雇用関連の調査や情報発信を行なう。
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