人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
先日、内定を出した女性から、「実は結婚する予定があるため、正社員ではなく、契約社員としての雇用を希望する」との申し出がありました。当社では、労働時間や業務の責任範囲などの理由から、正社員としての雇用を希望しております。そのため、正社員として勤務できる方を改めて募集したいと考えていますが、この女性に対して事情を説明したうえで、内定を取り消すことは法的に問題がありますか。
内定を取り消しても、一見問題が無いように見えますが、注意が必要です。なぜ契約社員としての雇用を希望するのか、その背景・理由を確認して対応した方が良いでしょう。
というのも、平成19年4月から改正男女雇用機会均等法が施行され、間接差別や妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いが禁止されているからです。例えば、募集・採用に当たり合理性のない全国転勤を要件とすることや、妊娠・出産・産前産後休暇の取得を理由とする解雇や降格などの不利益変更が禁止されます。ここへの抵触の有無を確認した上で、話を進められることをお勧めします。
正社員というのは、無期雇用契約が前提ですので、例えばご本人から雇用期間を2年だけにして欲しいなどとの、有期雇用契約に変更して欲しいということでしたら、契約条件に合わないので内定を取り消す方向に進められるでしょう。
ただ、一方では一度は正社員雇用を決めたほどの人材でもあるわけです。ご本人の都合や条件を聞いて、折り合いのつく条件を探ることも一案かと思います。