内定後の入社前検診結果での内定取り消しは違法ですか？

当社では、内定後入社前検診を行なっており、業務に差し支える既往症が見つかった場合は、内定の取り消しを内定者に通達しております。この通達及び入社前検診は違反行為ですか？現在の検診内容は身長、体重、ＢＭＩ、視力、聴力、胸部エックス線検査、血圧、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査等ですが、この中で、検査を受けてはいけない項目はありますか？もちろん、内定者には感染症（HIV等）の検査は受けさせません。よろしくお願いします。

厚生労働省からは「「雇入時の健康診断」は、常時使用する労働者を雇入れた際における適性配置、入職後の健康管理に役立てるために実施するものであって、採用選考時に実施することを義務づけたものではなく、また、応募者の採否を決定するために実施するものでもありません。」というような、採用選考時にいわゆる「血液検査」等の健康診断を実施することの中止指導を行っています。

とはいえ、入社前検診がただちに違法ということにもなりません。合法ではなく、中止指導はあるものの、違法でもない、という、非常にグレーな事項です。

貴社ではこの結果によって内定取り消しがあるということですが、これも「業務に差し支える既往症」が妥当なものであれば、違法とは言えないでしょう。妥当なものであるかどうかは、産業医による判断が最も適切な拠り所になるかと思います。いずれにしても、違法とは言えないものの、合法であるという法的根拠も明言できないような微妙なテーマですので、慎重に対応されることをおすすめします。