人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
内定を出したあとに業績不振に陥った場合、内定を取り消すことはできますか?また、業績不振に関連しての内定取り消しについて、基準などがあれば、教えてください。
会社都合での内定取り消しは、非常に難しいです。まず、会社都合による内定取り消しが認められるのは、(1)会社が破産したとき、(2)一般社会通念上やむを得ない事由があるとき、等とされています。
業績不振のケースでは(2)にあたるのですが、最高裁判決として「採用内定の取消が認められるのは、内定当時知ることができず、また、知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られる」というものがあります。
採用期間が長期にわたるとされる新卒採用においても、企業の経営・人事計画にもとづいて積極的に人材募集を行っておきながら、短期間で採用できなくなる程経営が悪化することは通常考えられず、また仮に経営状況が悪化したとしても、それを予見できなかった責任は会社側にあるとされています。
中途採用においてはなおさらで、破産したのでない限り、企業側からの一方的な内定取り消し通知は難しいでしょう。なお、内定取り消しは「解雇」にあたるため、解雇予告手当等の支払いが必要になります。できるだけ円満に解決するためにも、まずご本人に納得のいくような丁寧な説明をされることをおすすめします。