人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
外国籍エンジニアの採用を検討していますが、外為法上の技術提供の問題があると聞いたことが有ります。現在、外国人を雇用している会社はたくさんあると思いますが、問題にはならないのでしょうか。もしそういう問題があるとすれば、どうすれば回避できるでしょうか。
日本をはじめ、先進国が有する高度な技術や貨物が、大量破壊兵器等(核兵器・化学兵器・生物兵器・ミサイル)を開発等(開発・製造・使用又は貯蔵)している国等に渡ること、また通常兵器が過剰に蓄積されることなどの国際的な脅威を未然に防ぐために、先進国を中心とした枠組みを作って、安全保障貿易管理を推進しています。
日本では、外為法という法律に基づき輸出規制がおこなわれていて、一定の機微度の高い貨物輸出、技術移転が国の許可制になっています。
各企業が「技術の提供」や「貨物の輸出」に当たる具体例、規制対象となり得る「技術」をよく理解し、組織内で保有している技術や貨物を適切に管理できるよう、組織体制を整えることが必要となります。
対象となり得る企業において、留学生、研究生、従業員の受入れや採用時には、安全保障上の懸念の有無を確認し、提供する技術の内容の変更や経済産業省への許可申請も検討した上で、企業として受入れ・採用の可否を判断することが推奨されます。
退職時には、帰国に当たって規制技術の提供や貨物の持ち出しがないかを確認するために、注意喚起を実施するとともに、誓約書を取得することが推奨されます。
参考文献
経済産業省「安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用)第三版」
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/tutatu/t07sonota/t07sonota_jishukanri03.pdf