人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
今春に新卒入社した女性社員が妊娠し、産休・育休に入ることになりました。前例がなく、弊社では育児休業に関して規則もないのですが、法律通りに進めたいです。育児休業中の国からの手当や申請方法を教えてください。
育児休業給付金は、1歳(支給対象期間の延長に該当する場合は1歳6ヶ月、または2歳)未満の子を育てるために、働くことができない分を国から給付する制度です。原則2ヶ月に1回、まとめて2ヶ月分の金額が支給されます。
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■ 育児休業給付金の受け取り条件
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受け取りには、対象となる従業員が次の条件を満たしている必要があります。
(1)雇用保険に加入し、保険料を支払っている
(2)育児休業(育休)後、退職予定がない
(3)育休中に就業日数が各1ヶ月に10日以下である
(4)育休中に休業開始前の1ヶ月の賃金の8割以上が支払われていない
(5)育休前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月であること
育児休業自体は、労働基準法の第6条によって企業は従業員からの申出を断ることができません。ですが、育児休業給付金については、上記(5)に該当しない従業員、たとえば入社して日が浅い新入社員などは適用外となってしまうことを覚えておきましょう。
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■ 育児休業給付金の申請
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申請は個人でも可能ですが、会社で担うのが一般的です。必要書類な書類は下記の4つ。それぞれ会社で用意して申請を行ってください。ちなみに、申請期限は、育児休業が始まった日から4ヶ月後の月末までとなっています。
(1)育児休業給付受給資格確認票
(2)(初回)育児休業給付金支給申請書」
(3)「休業開始時賃金月額証明書」
(4)「賃金台帳または出勤簿」
上記(1)と(2)の書類については、ハローワークインターネットサービスからpdfでテンプレートがダウンロード可能です(2018年11月現在)。是非ご活用ください。
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■ 育児休業給付金の計算
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育児休業給付金の支給額は、基本的にはつぎの3つの数字を掛け算したものになります。
(1)育児休業を開始したときの賃金日額
賃金日額は、原則として育児休業を開始するまでの6ヶ月分の賃金を180で除した額です。
(2)支給日数
通常30日ですが、休業が終了する月に関しては、終了してからの日数を含みません。
(3)67%(育児休業の開始から6ヶ月が経過した後は50%)
育児休業給付金の1ヶ月ごとの支給額の上限額は、301.299円、6ヶ月経過後は、224.850円です(ここに示す金額は平成31年7月31日までの額です)。
具体的な例でも確認しておきましょう。
例)育児休業開始の月額の賃金が30万円 (1万円 x 30日)の支給額
支給期間中に賃金が支払われていない場合
30万円x「67%(50%)」= 20万1千円(15万円)