【PAGE4】 人事担当者に聞く! メンタルヘルスケアの進め方~エン・ジャパンの場合~
このページでは、エン・ジャパンでメンタルヘルスケアを推進している人事担当者へのインタビューからメンタルヘルスケアを実践する上でのポイントを探ってみたい。
人事担当者に聞く!メンタルヘルスケアの進め方~エン・ジャパンの場合~
■約700名の従業員が在籍するエン・ジャパン。若手や中堅、新卒や中途入社者、さまざまな働き方の社員を抱える企業として、メンタルヘルスケアにはどのように取り組んでいるのでしょうか。
当社が行なっている取り組みをお話すると、大きく分けて3つあります。「メンタルヘルス不調者を出さない“予防”を目的とした施策」「メンタルヘルス不調者を“把握”するための施策」「メンタルヘルス不調者への“対応”策」です。メンタルヘルスケアと一言で言っても、さまざまな性質のものがあり、目的に合わせて具体策を考えていくことが大切なんです。
■大別すると「予防」「把握」「不調者への対応」ということですね。それぞれ具体的に教えていただけますでしょうか。
はい。まず予防策としては、管理職への教育研修や情報提供を行なっています。メンタルヘルスというと、心の不調を訴える社員にスポットが当たりがちですが、部下の心の不調を感じた管理職もまた、どう接していいか分からず、悩みを抱えるものです。メンタルヘルスケアに取り組む担当者は、社員だけではなく同時に管理職側の相談窓口であることが大切。勉強会などを通じて、心構えや対応策を共有することはもちろん、“何か困ったことがあれば気軽に相談してくださいね”と、管理職側が一人で問題を抱え込まない体制をつくることが重要だと考えています。

次に大切なのは、社員の心の不調をいち早く把握することです。メンタル不調に陥る一歩手前の段階であれば、ストレスを解消したり、不調の原因を探ることも、比較的行ないやすいです。当社の場合は、社員の相談窓口を設けることから始めました。ただ、相談窓口を設けただけで社員が心の悩みを打ち明けてくれるわけではありません。ですから、悩みを抱えることが多い新卒社員にこちらから声をかけたり、労働時間の長い社員に対して、健康相談という切り口から面談の機会を設けたり、能動的に働きかけていくことが最初は多かったように思います。

最後に、不調者への対応ですが、ここには産業医との連携が欠かせません。休職すべきかどうかなど産業医のアドバイスを聞きながら、慎重に対応していく必要があります。特に注意が必要なのは復職のタイミングです。メンタルヘルス不調の方は、復職日を焦って決めがちです。復職しても問題がないかどうか専門医に判断を仰ぐことをお勧めします。また復職した後も、管理職と連携してフォローしていくことが大切ですね。
■中途採用者向けの施策もあると伺いました。どのような内容の取り組みなのでしょうか。
メンタルヘルスだけを目的としたものではないのですが、採用者の活躍と定着を目的に、入社から3ヶ月経った中途入社者にアンケートとフォロー面談を実施しています。アンケートの内容としては「入社前のイメージとギャップを感じることはありますか?」など入社後の感想を聞く質問です。中途入社者は、時に孤独を感じていたり、早期に結果を出さなくてはいけないプレッシャーを感じていることがあります。上司ではない第三者が話を聞くことにより、ストレスを解消できたり、小さな誤解が生まれていた時などには早期に解決のための手を打つこともできます。人材の活躍・定着にはとても有効な施策だと感じています。
■これから「メンタルヘルスケア」に取り組む企業にとって留意すべき点は何でしょうか。
多くの企業が、メンタルヘルスケアの実務を行なう担当者を選任すると思います。社内の誰が適任なのか。まず、ここを誤ってしまうと、上手くいくものもいきません。メンタルヘルスケアには、“経営視点”が欠かせないというのが当社の考えです。社員がイキイキと働ける職場をつくることがひいては会社の業績向上に繋がる。この大前提を理解し、時には経営陣にその重要性を伝え、理解してもらう必要があります。また実務が始まると、管理職と社員の間に立って、社員の心の不調の解決に向けて実際に動いていきますから、社員はもちろん管理職との信頼関係が必要不可欠です。社員の気持ちも管理職の気持ちも両方分かる方、出来れば管理職経験のある方のほうが適任なのではないかと思います。

また、メンタルヘルスケアを実践する上で一番大切なのは、“継続して続けること”です。メンタルの問題は、そう簡単に成果が出たり、改善されるものではありません。一見、成果が出ていないように見えても、やめないこと。粘り強くつづけることが大切だと思います。
■ありがとうございました。