採用成功企業インタビュー内定辞退を減らす為のノウハウとは?

特集企画
Page4  採用成功企業インタビュー 内定辞退を減らす為のノウハウとは?
応募者への接し方や社内の風土を改革し、採用担当者としての経験の少なさをカバー。応募者が気持ちよく面接を受けられるよう、日々採用方法のカイゼンを重ねている。応募者を惹きつけ、高い入社率を誇っている金井機械株式会社 金井義範氏に、内定辞退防止の方法を聞いた。
採用は「思いやり」。応募者の立場に立って、応募者が望んでいることに「気づく」、これが何よりも重要。 金井機械株式会社 管理部 総務課 金井義範 氏
現在、多くの企業様が内定辞退に悩んでおり、今回のアンケート結果でも「内定辞退が増えている」と、60%の採用担当者が感じていらっしゃいます。この点に関して、どのようにお考えでしょうか?
私が採用を始めたのは1年程前からです。その為、今の状態が基準になっており、「昔に比べて採用が難しくなった」とか、「辞退が増えて大変だ」という感想は持っておりません。

ただ、私自身の感覚としては、現状を「難しい」とは感じていません。応募者の気持ちを考え、応募者が望むサービスを提供すれば、十分に採用はできると思っておりますし、事実、人員計画通りの採用ができております。
辞退を防ぐ為に、選考中又は面接で工夫されていることはありますか?
とにかく、応募者の方が気持ちよく選考を受けていただけるように努めています。辞退を防ぐ目的で「何か特別なこと」をやっているという意識はありません。
では、「気持ちの良い選考」を行う為に、どういった姿勢で採用に臨んでいらっしゃるのでしょうか?
姿勢として一番重要なのは、「気づき」だと思います。「応募者が何に不安を抱いているのか?」また「今、何を知りたいのか?」等、応募者の疑問にこちらから「気づく」ことです。そして、そうした疑問に、こちらから進んで答えてあげることが重要です。また、応募者の方を「お客様」として扱う。これも重要な考えだと思います。
具体的には、どういう工夫をされていらっしゃいますか?
面接の時には、挨拶と自己紹介は必ずこちらから行うようにしています。また、お茶を出し、リラックスした雰囲気の中で、ざっくばらんに話すように心掛けています。とにかく、応募者の方が話しやすい雰囲気、質問しやすい雰囲気を作るようにしています。

「いかにも面接」という雰囲気の中で、「何か質問はありますか?、なんでも良いですよ。」と伝えたところで、応募者が本音(本当に知りたいこと)を語ってくれるわけないでしょう?

応募者が疑問点を残さないということは、面接において非常に重要なポイントです。疑問点があるから、応募者は「悩み」、「入社を躊躇」、結果「辞退する」と考えております。

その為、面接で言い損ねたこと、不十分な説明で終わったことがあった場合、必ずメールで伝えるようにしていますし、会社案内(パンフレット)や基本的な情報(従業員数、平均年齢、就業時間、社会保険、制度、手当や福利厚生等)は面接の際に書式にして面接者にお渡ししております。応募者は、緊張し遠慮しています。面接で聞いてきたことは、知りたい情報の「氷山の一角」だと思います。ですので、相手が欲しいであろう情報、ここまで聞きたいであろうと思われる情報は、くどいくらい説明しています。1を聞かれたら10を答える感覚です。応募者は少ない情報の中で会社を選んでいるのです。私は「情報の量=納得の度合い」と考えています。
他にも工夫をされていらっしゃいますか?
社内の「風土改革」を行いました。当社には、朝礼があるのですが、その時に「今日は、●●時から面接があること、こんな職種の人が受けに来ること」をしっかり伝えます。そして、応募者が来社した場合、社員全員が「挨拶」をして迎えるようにしています。これも、気持ちよく面接を受けてもらうしてもらう為の工夫です。

当たり前ですが、応募者は、一人で「知らない会社」を訪問するのです。そして、今から面接を受けるのです。不安に決まっています。そんな時に、すれ違う社員から挨拶されれば、気持ちよく面接に臨めると思います。「社員さんからの挨拶にとても好感がもてた」、「社員さんの対応の良さで決めた」という声を、入社した社員から聞いています。
内定後のフォローとして、何か工夫されていることはありますか?
とにかく、内定後に内定者との関係性が切れないように気をつけています。当社が欲しい人材は、当然、他社も欲しいわけですから。企業と内定者の関係性は、他社から内定者を守るバリアだと思います。

そして、関係性を維持する為に、メールで社内の出来事や近況を報告しています。ただ文章を送るだけでなく、現在建設中の工場の写真を貼る等、メールが面白くなるように工夫しています。簡易的なメールマガジンと考えてもらえればよいかと。今後は、メールや電話だけでなく、SNSに注目しています。「応募者との関係を維持する」という意味で、双方向のコミュニケーションに優れたSNSは非常に魅力的だと思います。特に、内定から入社までの期間が開く場合に、内定者とのコミュニケーションを密にする方法として、SNSはかなりの効果的だと推測しております。
ありがとうございました。
徹底して応募者の立場に立った採用を行うことで、ほぼ100%に近い入社率を誇っている株式会社 協和。採用開始後、2週間で予定人数を採用し、1ヵ月後には全ての内定者が入社を済ませている。その採用方針は、とにかく、企業、応募者の双方が納得すること。同社の採用を成功に導いている 小森規子氏にお話しを聞いた。
応募者は本気。企業も誠意を持った対応をしないと応募者の心はつかめない。 株式会社 協和 常務取締役 総務部長 小森規子 氏
現在、多くの企業様が内定辞退に悩んでおり、今回のアンケート結果でも「内定辞退が増えている」と、60%の採用担当者が感じていらっしゃいます。この点に関して、どのようにお考えでしょうか?
内定辞退が増加するのは、当然だと考えています。どんなに求人案件が巷に溢れていたとしても、転職者は本気で仕事を探しているはずです。求職活動は大変なエネルギーを使いますし、その上「転職を繰り返すと不利になる」という考えがあります。今の日本では、まだまだこの考えが、転職者に「次こそは納得のいく会社へ」という無言のプレッシャーを与え、慎重になる結果、多くの会社を受けさせているのだと思います。

ですから、「納得いく仕事」、「ずっと働ける会社」に出会うまでは、「辞退」してしまう。それは当然ではないでしょうか。ですので、企業側も本気で応募者に接しないと、辞退は減らないと思います。
内定辞退に悩まれた経緯はございますか?
あります。かなり昔ですが、辞退に悩んでいた時期もあります。当時は、応募者を「第一集団」、「第二集団」と分けており、まず「第一集団」の方に連絡をし、その方が入社してくれなければ、「第二集団」の方に連絡という方法をとっておりました。

今振り返ってみると、応募者の方に大変失礼な姿勢だと思います。やはり、企業側がそうしたいい加減な姿勢(人数合わせ)で接していると、応募者の方にも伝わるのでしょう。「なかなか良い返事がいただけない」という結果が少なくありませんでした。現在は、「この人と一緒に働きたい」と強く思う人にしか内定を出していません。そして、「その人が気持ちよく入社してくれるようにあらゆる手を尽くす」という姿勢で採用に臨んでいます。
選考期間、又は応募から内定までの期間はどのくらいですか?
これは、応募者の方のその時点での状況によりますので、一概には言えません。ただ、内定を出した人に対しては、入社までの期間が多少長くなっても待つようにしています。弊社としては、双方が十分に納得した上で入社してもらいたい、という基本スタンスがあるからです。

応募者の方が、納得した上で入社することが重要なのであって、期間そのものに意味は無いと考えています。1日で、3回面接を行い、その日のうちに内定を出したこともあります。また、他社も受けているという方を、1ヶ月以上待ったこともあります。ただ、内定者を確保する目的で「選考を早く進め、すぐに内定を出す」ことだけは絶対にしない方がよいと思います。入社後に、定着しない、活躍しないのが目に見えていますから。
辞退を防ぐ為に、選考中又は面接で工夫されていることはありますか?
選考中に応募者が疑問に思ったこと、不安に感じていることをなるべく解消するようにしています。その一つとして、社内の見学は、1次面接の時点でしていただきます。職場だけでなく、裏階段から流し場まで、包み隠さず見てもらうようにしています。また、仕事内容は、同僚が直接説明し、社内の雰囲気を体験してもらえるように心がけています。

とにかく、表・裏なく、包み隠さずオープンにすることが重要なのではないでしょうか?企業側が全てを開示することで、応募者も心を開いてくれると思っています。
応募者への接し方として、何か工夫していることはありますか?
「この人を採用したい!」と強く思ったならば、その人のファン(応援団)になります。応募者の方がリラックスして本来の魅力を発揮できるよう環境を整えます。その時の私は、企業側ではなく、応募者側の立場に立って応援しています。

ですから、内定者から「承諾書」を受け取った時はものすごく嬉しい反面、身の引きします思いがします。応募者の方にとって、大変な決断をされたわけですからそれに応えるべく、採用した側の責任を改めて感じる瞬間です。

先ほどの、内定までの期間はどのくらいですかとの質問の繰り返しになりますが、雇うということは、その人の10年、20年の生活、つまり、「その人の人生」を背負うわけですから、それを考えたら、「応募者が納得してくれるまで、1週間、2週間待つ」、なんてものすごく小さなことだと思っています。
ありがとうございました。