アンケート結果分析:転職してよかった点、よくなかった点

特集企画
Page3  アンケート結果分析:転職してよかった点、よくなかった点
年代を問わず、情報提供の度合いが、転職満足度に影響を与える。
次は、「転職して良かった点、良くなかった点」を分析した。アンサークリエイト株式会社の代表取締役 吉田 正巳氏へのインタビューとあわせ、何が転職活動の満足度に影響を与えるのかを考察していきたい。
Q 転職してよかったですか?
「非常によかったと思う」と回答された方の理由より
居心地のよい会社に入れたから。いろんな会社のスタイルを身をもって体験でき、より幅広い考え方をできるようになったから。いろんな会社で仕事をすることにより自信がついたから。(27歳男性)
前職での経験も活かせ、今までとは違う世界も勉強でき、自分の成長に役立ったと思います。(29歳男性)
色々な経験が出来た事と、考え方が多様化し、仕事に対する目的意識が向上し、何より自己の成長が感じられた。(36歳男性)
転職により、自分が最も望む仕事内容に近い職種を得る事ができ、自分の能力・視野が劇的に広がった為。元の会社で頑張り、希望の職種を目指すのも一つの可能性だったが、大きな組織の中でそれがいつ叶うのかを待つより、思い切って新しい環境を選択した。(37歳男性)
ひとつの会社ではできることが限られてくるが、転職することにより経験が豊かになり、ものの見方が変わった。考え方も偏りがちだったのが、いろいろな角度で物事が見られるようになり、新しい提案ができるようになった。また、人との出会いも収穫のひとつだと思う。(39歳女性)
新たな挑戦は自分にとって有意義。(45歳男性)
スカウトされての転職の為、先ず給与や待遇が良く成った。技術の修得や人間関係が進展し仕事そのものが大きく広がると共に様々な新しい世界が体験出来た。(49歳男性)
「まあよかったと思う」と回答された方の理由より
新卒の頃所謂大手企業で働くことを希望していましたが、縁なく中規模の企業で働くことになりました。4年ほど経験を積んで当初の希望叶って名の知れた大手と言われる会社に転職をすることが出来ました。が、実際働いてみて自分が楽しく生き生きと働けるのは大人数で仕事を進める傾向のある会社ではなく少人数で運営されている職場であることを実感できました。自分が望む働き方がはっきりとさせられた点が良かったと思っています。(30歳男性)
収入が上がったのでよかったとは思うが、キャリア的にアップしたとは思えないのでまぁまぁだと思っている。(32歳女性)
様々な会社における業務・習慣・組織体制などを知り得、良い点を吸収できた事。企業規模にもよるが、経営者の考え方の違いを知る事ができ、経験が深まった。(35歳男性)
最初に居た会社が比較的恵まれた環境だったので、勿体無かった。しかし、他の環境に身を置いて勉強になったことも多い。(38歳女性)
給与・待遇的には不満が残るが、技術者としてスキルアップは図れた。(38歳男性)
転職しなければ、いつまでも不満を抱えて愚痴を言うだけだっただろうが、実際に転職したことにより、「どこの会社でも共通の問題」と「会社に固有の問題」を区別できるようになり、共通の問題に直面したときには転職するよりも立ち向かおうと思えるようになった。(38歳男性)
「あまりよかったとは思えない」と回答された方の理由より
実際入社してみると、聞いていた話と違っていることが多いため。(31歳男性)
中途と新卒との評価に差別がある。技術職の地位が低い。(33歳男性)
前向きに転職する事は良いと思いますが、私の場合は、会社の倒産で転職を余儀なくされ、目的意識が薄かった為、会社自体の昔ながらの体質になじむ事が難しかった。(41歳男性)
リストラに会い、再就職支援会社に登録して活動していたが、中々決まらず、前々職がある種特殊な職種であった事と、精神的に追い詰められて受身になっていた事で、自分としては生活のために、職種、条件等、不本意な選択をして前職についたが、2年で退職する事になった。(45歳男性)
入社にあたって、業務内容や責任・権限、雇用条件等をはっきりとさせておかなかったため、満足する仕事ができなかった。(45歳男性)
「よかったとは思えない」と回答された方の理由より
仕事内容などよく分からずに転職してしまった。(30歳男性)
早く勤めたいという気持ちの焦りから次の会社の業務などあまり考えずに仕事に就いた事。(39歳男性)
家族があるので離職後の再就職(収入が途絶えては生活できない)を急ぐあまり再就職先の条件を甘くし、妥協して就職してきた。いつも後悔するし今も後悔している。(41歳男性)
若い頃に転職した時は世間を知らなすぎて離職後に会社の良さを知って後悔した。現在は会社都合による退社であったが、年齢的に条件が厳しくいろいろな意味で退職前にもっとスキルを身に付けておけば良かったと反省している。(47歳男性)
[人材紹介会社はこう見る!]~『「事前の情報提供」と「コミュニケーション」が成否を分けます』
アンサークリエイト株式会社 代表取締役 吉田 正巳 氏
大学卒業後、大手信託銀行に約22年半勤務。その後、不動産会社営業部長・人事部長を経て、人事をキーに通信系人材紹介会社コンサルとして勤務後、独立。日本キャリア開発協会にも所属し、キャリアカウンセリングの勉強を続けつつ、多くの方々のキャリア案内人として活躍中。
吉田 正巳 氏
転職者が入社後に不満を持ったり、十分な力を発揮できないケースに共通して言えることは、「事前の情報提供」と「コミュニケーション」不足だと思っています。

入社後の不満で多いのは、事前に聞いていた仕事内容や勤務条件が違っていたというものです。これは、面接の段階で情報提供をきちんと行うことにより、十分防げることです。

組織が大きくなると人事が現場の仕事内容を把握していないこともあります。こういった場合は、現場の人に面接に入ってもらい、直接仕事内容を説明してもらうと良いですね。また、基本的なことですが、勤務条件は必ず文書に残すこと。内定通知書に「応相談」などと書かれた項目を見かけることもありますが、明確でない書類は入社後のトラブルに発展しやすいので絶対に避けるべきです。

30代、40代の方は、今までの経験を活かしたい、もしくは力を発揮できるポジションにつきたいという思いで転職を決めています。そこで、入社後「キャリアアップの場がない」や「思っていたより責任や権限の範囲が狭い」といった不満が出る場合があります。ある程度のポジションにつく方には、会社が期待していることや今後の目標などを話しコンセンサスを得ておくと良いですね。

また、会社都合で転職をする方は一見本人には問題がないように見えるため、採用する側は本人の転職動機や目的などはあまり重視していないように思います。ただ、入社後活躍してもらうためには、本人の目的意識や転職に対する気持ちをしっかり見極めておくことが大切ですね。そういった意味で、これからの人事は、転職者の気持ちを聞き出す
キャリアカウンセリング的な要素を持つことも必要になってくると思います。

入社間もない頃は、誰でも孤独を感じます。即戦力で採用した中途にはフォローは必要ないだろうと考えている企業・人事の方がいらっしゃいますが、新卒と違い
同期がいない中途採用者こそフォローが必要なのです。フォローといっても特別なことをする必要はありません。定期的に声をかけコミュニケーションを取るだけで、不安や不満が減り、本来の力が出せるようになるものです。
アンケートとインタビューから、求職者の心理と、転職活動の満足度について見てきた。次は、自身が転職活動の経験者であり、現在エン・ジャパンの求人広告制作部門を統括する早川に、年代別の情報提供の仕方や求人広告のあり方について話を聞いた。次は、そちらを見ていきたい。