退職慰留が難しい理由は、ホンネが聞けてないから
退職の慰留が難しい理由は、様々です。しかし、一つ大きなポイントがあるとすれば、退職の相談をする際、多くの相談者はホンネを話していないということ。 昨年、公開した特集「退職理由のホンネとタテマエ」において、約1500人の退職経験者のホンネを再掲します。
グラフ
退職の相談をする社員の約半分は、ホンネの退職理由を上司や人事に伝えていないという結果があります。ホンネを言わない理由は、「円満退社したかったから」がもっとも多く34%となっています。 ちなみに、会社側に伝えるタテマエの退職理由として多かったのは、「家庭の事情」、「体調不良」、「仕事内容」が上位。ホンネの退職理由は「人間関係の悪さ」、「評価・人事制度への不満」、「給与が低かった」が上位となっています。結果、タテマエの退職理由に対して、話し合いや慰留を行なったとしても、一向に響かないという状況が起こります。
退職慰留の心得「退職意向者のホンネをつかむ」
まずは退職相談をしてきた社員の話を正面から受け止めることがポイントです。「話をしても理解されない」、「会社批判をしたくない」、「建設的にならない」というホンネの心理を汲み取った上で、きちんと話を聞く姿勢を見せることで、胸襟を開いてくれる可能性が高まります。間違っても、「何故辞めるのだ!」といった叱責はいけません。固く心を閉ざすことにつながります。
退職慰留の心得「辞めると言った社員の悩みを”早急に”解決する」
社員のホンネを引き出し、退職理由がわかった場合、もし人間関係が理由であれば、可能な限り早く「部署異動」などの対応をしましょう。重要なのは、誠実に、早急に実行に移すことです。「後でなんとかする」などの口約束は却って、不信感が大きくなりますし、社内で話が漏れれば、他の社員への影響する可能性があります。ご注意下さい。
退職慰留の心得「退職意向者の同僚・上司と協力する」
退職を相談された際、本人からホンネを引き出せない場合、職場の同僚に話を聞いてみることも一つの手です。部署の粗探しだと思われないよう、前向きに「どうすれば退職意向者が出なかったか」という意見を聞き、改善の種を見つけます。また、人事担当者の声として、「退職したい社員がいた場合、直属の上司が早く対処してくれれば止められたのに…」という声も散見されています。 今後、退職しそうな社員を見つけた時に、どんな対処をまず現場で行なうのか。また、慰留する場合、現場と人事でどう協力するかなど、すりあわせておくことが重要です。
退職慰留の心得「慰留が無理でも、会社改善に繋げる」
真摯に話し合いを行なった上で、どうしても慰留は難しい場合は、今後の改善案を退職者本人に聞くことで、次の退職者が出てこないよう予防策につなげましょう。

近年、「エグジットインタビュー」という手法が注目されています。「エグジットインタビュー」とは、退職手続きの終了後、第三者となる人事部等からヒアリング(面談)することで、社内の人間関係、マネジメントに対する意見や、給与・人事制度、さらに移籍先の情報等を聞き出します。

「退職は残念だが認めるものの、今回の退職理由とは別で」と前置きの上、組織をより良くするための意見を聞きましょう。退職が承認された場合、第三者にはホンネの不満が出やすくなるという効果もあり。退職者の出ない会社・職場を目指すための重要な証言者になってもらいましょう。

また、退職した人材に共通するデータを集めて分析できれば、自社や部署にフィットしづらい人材の傾向が見えてきます。これを中途採用時の選考基準に反映すれば、定着率の向上につながるはずです。適性検査等の活用で定量的な分類も可能になります。ぜひご検討下さい。
エン 人事のミカタ 編集長 手塚伸弥
約800名の人事会員のアンケート回答を元に検討した「退職慰留の心得」、いかがだったでしょうか。人事会員の多くからは、「採用が難しくなる昨今、社員に辞められないことは、企業発展に大きな影響を及ぼす」というコメントもあり、退職慰留の重要度はますます上がっていくと感じました。 待遇面の優遇や条件提示が難しい中小企業は、いかに社員のホンネを掴むか、普段から社内で協力して退職者対策を検討していくことが重要になります。是非、参考にして実践してください。
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