- 転職を考えたきっかけは「給与の低さ」「やりがい・達成感のなさ」「業界・企業の将来性への不安」。
- 若手社会人が、転職先を選ぶ際に重視するのは「仕事内容」「勤務地」「事業内容」。
- 20代が考える理想の働き方、キーワードは「プライベート」「評価」「両立」が上位に。
採用難の現在、求人を出しても応募が少ない、希望する人材からの応募がないという企業から、転職者に対する質問が聞かれます。そこで今回は、『エン転職』を利用する転職希望者へのアンケート調査結果をご紹介。転職するきっかけや、転職先を決めるポイントなど転職者の心理をぜひご確認いただくとともに、採用選考時に気をつけるべきポイントの考察にお役立てください。
『エン転職』を利用する転職意向者1万人超に、転職を考え始めたきっかけを伺うと、第1位は「給与が低い」でした。第2位は「やりがい・達成感がない」、第3位は「業界・企業の将来性に不安を感じる」となりました。こちらは20代、30代、40代の年代でも同順位となっています。
- ●自分の給料が30万円を超えるのに、今の会社だとどのくらいの年月がかかるか計算したところ、思ったよりも時間がかかると分かった(29歳男性)
- ●役職に就いても、忙しいだけで、ほとんど給与も変わらない(32歳男性)
- ●7年在籍してもほとんど給与が上がらず、本社に勤めない限り昇進もないことから、転職しようと決心しました(34歳女性)
- ●アシスタント業務で、雑用がメイン。暇が多く、時間を持て余している(26歳女性)
- ●今の仕事に対し、本当に相手のためになる提案なのか、自分の都合を押しつけているだけではないのか、という疑問が離れない(31歳男性)
- ●周りの同年代が活躍している中、自分だけが成長せず社会貢献していないように感じている(35歳男性)
- ●新企画を提案しても通らないことや、社員が経営層のために働いているように見えて、将来が不安になった(24歳女性)
- ●一族経営で、上司も上の意見をそのまま現場に伝えるだけ。指示の内容に振り回されることが多く、退職者も絶えないので、会社の将来に不安を感じた(25歳女性)
- ●今後、海外展開をしていかなければならないが、経営層が英語すら全く話せず、他国の競業企業に明らかに劣っている点を指摘しても努力しようとしないので、将来は無いと感じた(36歳男性)
ここからは、今時の若手社会人(20代)の転職先を選ぶ際に重視するポイントご紹介します。
転職サイト『エン転職』『AMBI』利用者を対象に、転職先を選ぶ際の重視するものを伺いました。重視する(重視する+やや重視する)と回答した方の割合が高かった項目は、「仕事内容」82%、「勤務地」81% 、「事業内容」(76%)となりました。
「あなたが考える理想のキャリア・仕事・働き方はどのようなものですか?(自由記載)」と質問し、回答のあったコメントから頻出ワードを抜き出したものが下記となります。定量ではなく、定性での就労観をイメージできるはずです。
20代の頻出ワードをランキングしたところ、第1位は「プライベート」でした。一見、仕事よりもプライベートを重視すると思われそうですが、「仕事とプライベートが両立できる働き方をしたい」「仕事は仕事、プライベートはプライベートでどちらにも集中できる環境を希望」といったコメントが寄せられています。
第2位は「評価」。「年功序列ではなく実力が評価される職場」「リモートワークなど勤務体系にとらわれずに成果で評価されたい」といった評価に対する意識が強いようです。
第3位は「両立」。第1位の「プライベート」とも関連して多く使われていることに加え、「子育てと両立できる働き方が望ましい」といったコメントも多く寄せられました。仕事とプライベート、どちらも重視している世代ということがわかるはずです。
30代前半の方のキーワードでは、「会社」が第1位となっており、数年の違いで頻出する言葉が変わっているのが印象的。若手を採用したいという場合は、これらを考慮に入れて、求人の打ち出し方を変えることや、面接に臨むことが大事になってきます。下記、コメント詳細もご確認ください。
- ●やりがいを感じながらも、しっかりと短時間で成果を出し、仕事とプライベートの両立ができる働き方。(24歳)
- ●会社に頼らず生きていけるスキルを身につける 。ただし、仕事だけにならず、プライベートも充実させたい。(27歳)
- ●しっかりと休みや自分の時間が確保できて、仕事とプライベートのメリハリが取れる働き方が理想です。給与はもちろん多いほうが嬉しいがそこまで高望みせず、それなりにもらえたらいいくらいです。(28歳)
- ●自身の努力が正当に評価され、仕事を通じて自分自身のスキルアップやキャリアパスに繋がること。(26歳)
- ●評価基準がはっきりと示されていて、上司や経営陣と同じ方向を向いて働ける職場。自分の経験を重ね、会社及び自分の価値を高めていける環境。(27歳)
- ●結果を出せば相応の評価、報酬が返ってくる環境。周囲の人間と高め合える環境。(27歳)
- ●仕事と家庭の両立。現在の職場は会社でしか仕事ができないが、遠隔会議など柔軟に働ける環境を見つけたい。 また、年功序列ではなく、能力のある人を適切に評価する社風の中で自身の能力を磨きたい。(25歳)
- ●どこの環境にも適応ができて自分の能力が活かせるプロフェッショナルになること。家庭と仕事を両立させたい。(25歳)
- ●男女問わず育休産休の取りやすい企業。仕事と家庭の両立を無理なく図れる働き方で、キャリアUPのチャンスが皆平等に与えられる企業で働くこと。(29歳)
特集「転職者心理」はいかがだったでしょうか?特に若手転職意向者の気にするキーワードやコメントは、人物像のイメージとして参考になるはずです。採用戦略の立案、求人の打ち出し方、面接での対応、すべての参考になるはずです。ぜひ参考にしてください。