人事を悩ます応募者の選考辞退。転職者のホンネに迫る。
雇用情勢が改善し続け、有効求人倍率は22年ぶりに1.10倍を記録。求職者にとっては転職先の選択肢が増え、企業にとっては採用難となった昨年。「選考辞退が増えた」、「せっかくの内定者に辞退されてしまった」という企業の声が聞かれました。
多くの企業において起こりうる「選考辞退」。今後しばらく続くであろう売り手優位の採用市場を踏まえつつ、優秀な人材を採用するためには、「辞退されない選考活動」を心がけることが重要になっていきます。
そこで今回は、これまで転職活動をする中で、「選考辞退」を経験した方々からその理由を伺いました。選考辞退が起きる心理を紐解く特集です。採用したい人材を確実に入社へと導くため、ぜひ今回の特集をお役立てください。
※『エン転職』の会員に対するアンケート結果を元にしています/アンケート手法:WEBアンケート/アンケート期間:2014年11月29日~12月10日 有効回答数2605名
辞退社数の割合は、「2社」~「6社以上」が65%に増加。
これまで転職活動において、選考辞退をしたことが「ある」と答えた人は70%という結果になりました。約2年前の2012年に行なった同様のアンケートでは、辞退したことが「ある」と答えた人は86%。大幅に減少する結果となりました。一般的には、売り手市場において辞退率は上がるもの。果たして本当に辞退数は減っているのでしょうか?合わせて、辞退社数も確認します。
実際に辞退したことがあると答えた人に、辞退した社数を聞くと、「1社」という回答が最も多くなっています。しかし、割合は2012年と比較して35%と大きく減少。その分、「2社」~「6社以上」の辞退社数を合算した割合は、全体の7割近くに増加。特に「6社以上」辞退をしている人が増えています。
上記より、全体として辞退経験者は減ったものの、転職者一人当たりの辞退社数が増えている、という状況が考えられます。
「面接前の辞退」が50%以上に増加。
応募者の「辞退」は、選考を通過する段階ごとに起こります。つまり、最初の選考である書類選考の通過以降。上記の一般的な選考フローの場合、辞退が発生するのは、矢印で示す[1]面接前の辞退、[2]面接後の辞退、[3]内定後の辞退、3つのタイミングに大別できます。
それでは、 辞退をしたことが「ある」と回答した応募者は、どのタイミングで辞退したのか。その割合を見てみましょう。
「面接前の辞退」をしている人は、53%に増加。2年前の47%から大幅にポイントを伸ばしていることがわかります。応募はしたものの、面接前に思い直して辞退するという人が増えているという状況が伺えます。「面接後の辞退」は44%、そして「内定後の辞退」は34%と減少しています。