人事・採用担当者の「ちょっと困った...」をスッキリ解決!
自己都合退職者から有給消化申請が出ました。
内容は、長期の申請であり、またそれにより業務引継ぎに大きな影響が出て、
会社として損失を受けると考えられ、おいそれと許可を出せません。
そんな場合でも申請は妨げられないのでしょうか。
会社は、有給を申請された時季が、事業の正常な運営を妨げる場合は
他の時季に有給休暇を与えることができます。
これを「有給休暇請求に対する時季変更権」といい、労働基準法で認められています。
しかしながら、会社がこの時期変更件を行使するには、
有給休暇を与えたときに本当に業務に支障をきたすことが、
客観的、具体的に明らかでないと難しいのが実情です。
このケースが認められるのは、労働者全員が同時に有給休暇を
請求してきた場合や、特別な注文が入っていて休まれては
注文に応じ切れないといったケースが該当します。
では、お尋ねの退職時はどうかと言うと、
時季変更権は退職予定日を超えては行使できません。
つまり、退職してしまうということは、
他の時季に有給休暇を与えることができませんので、
時季変更権を行使することはできず、
有給申請者の請求が通ることになります。
例え、退職予定日まで14日しかなく、14日間の有給休暇申請を
出されても、これを拒否することはできないのです。
ではどうしたらいいかと言うと、法律で縛れない以上、
引継ぎ業務が必要であるにも関わらず、会社都合には配慮を
得られないような関係性にはならないようにしておくことが
大事かと思います。
法的に、有給申請を拒否することはできませんが、
引継ぎを「お願い」することはできます。
もちろんこれも強制的になってはいけませんが、
普段から、「お願い」をきいてもらえるような関係性を
築いておかれることをおすすめします。